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「よむ会」を始めるにあたって

3月から新たに鎌倉で始める「よむ会」のページを、アフリカキカクのウェブサイト内につくりました。

いま、日本で「読書会」というと、大きく2種類あるようで、ひとつはオススメの本を持ち寄って紹介しあうというもの、もうひとつは課題図書を読んで集まり語り合うというもの。

「よむ会」は後者で、毎回、1冊を取り上げて、その本を「どう読むか」を語り合うというスタイルでやります。

道草の家の文章教室でも、似たような話が出るのですが、同じ文章でも、読むひとによって受け取り方は違います。時に、こんなに違っていいの? と思えるくらいユニークな読み方を話す方もいらっしゃいます。

何はともあれ、そんな話をするのは、たのしい。文章教室では「どう書くか」を話していますけど、それも最終的には「どう読むか」に行き着きます。

じつは「よむ会」は以前、数年間(毎月のペースで)やっていたことがあるのですが、役目を終えたような気がして止めてました。しかし昨年から、文章教室をきっかけにゲストハウス彩という場所と出会って、いろいろと状況が変わってきたので、またやってみようか? というわけです。

初回は、坂口恭平『現実脱出論 増補版』(ちくま文庫)を取り上げます。数ヶ月前(昨年の11月)に文庫化されたもの。

この本の中で、坂口さんは「自殺の問題は、生活環境の悪化よりも、この自然破壊のような思考の抑圧にあるのではないか」と書いています。国家権力による抑圧よりも前に、「個人の中にある集団への志向」が、個人の空間である「思考という巣」を抑圧しているのだ、と。

文章教室でも、よむ会でも、ゲストハウス彩での時間は、各々の「現実」から少し軸足を外して、「思考という巣」を眺めたり、転がしたりして、また「現実」に戻っていった時に、何かちょっとした助けにでもなれば、と思っています。

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