「助けられる」ことを通じて
さて、知的障害のある人たちの暮らし(の一部)を"支援"する仕事も、続けている。大田区を中心に。どうして大田区なのか? というと、縁があったからである。その仕事を始めて、もう8年たった。
当初は、副業のひとつにでもなれば、というつもりだった。福祉の仕事はしたことがなかったから、興味はあったが、まさかそれが自分の生業になるとは思わなかったわけだ。
ぼくはいま支援ということばを括弧に入れて("支援"と)書いている。始めた頃から、ぼくには、自分は支援しているのか、されているのか、微妙な気持ちがあった。もちろん仕事はしますよ。でも… 彼らから受け取るものが自分にはあまりにも多かったから。
『おおた区報』10月11日号の表紙に"出演"している志村陽子さんは、(アフリカキカクでつくった絵本)『からすのチーズ』の著者・しむらまさとくんの母君だが…
その『おおた区報』では、「ヘルプカード」のことが書かれている。
助け方、というより、助けられ方、なのかな、と思う。
助けられるのが上手な人でいたい、と思っている。しかしそういう人ばかりではないからね、と考えると、助けられ方をつくってゆけばいいのだ、というところにぼくはやがり気持ちが向かう。
いくら助けたい、助けよう、としても助けられない。けれど、「助けられる」ことを通じて、誰かを助けることもできる(のではないか)。
何かモノをつくる仕事ばかりしていると、そこには"完成"がつきまとう。しかしぼくのやっている"支援"の仕事には"完成"がない。
日々は、続く。
終わりが(ないとは言わないまでも)見えない。人生という仕事の終わりが、見えないように?
今日はそのしむらまさとくんの31歳の誕生日で、夜にはパーティーが用意されている。おめでとう!
(つづく)
「オトナのための文章教室 in 横浜 & 三鷹」、横浜では31日(木)の夜スタート。その日が初回です。参加者募集中です。ぜひ! 誰も来なかったら寂しい。
「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"は、1日めくって、10月19日。「あ、もしもし、秋さん?」
10/27(日)には、「横浜らいず」で行われる「丘の上マルシェ」に、道草の家(アフリカキカクとひなた工房&モア)で出店します。詳細はこの週末、書きます。
日常を旅する愉快な雑誌『アフリカ』は、継続して販売中ですが、在庫が少なくなってきました。読みたい方は、お早めに。
※"日めくりカレンダー"は、毎日だいたい朝(日本時間の)に更新しています。
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