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『大人のデザインの学び』@Xデザイン学校

  1. Xデザイン学校における学び

  2. ユーザードリブンとビジネスデザイン

  3. CX(Customer eXperience)とUX(User eXperience)

  4. コンテンツの力

Xデザイン学校における学び

「人から学校で何かを学ぶ。」この経験そのものが私にとって新しい刺激になった。何十名もの志の高いメンバーが集まる環境。”大人”になってから、〇〇セミナーには参加したことがあった。セミナーに参加している人たちは、私の中では「自分とは違うすごく意識の高い人である。」という謎の固定概念と劣等感で遠い存在に感じていたが、初めて顔が見える学校に通うことで私の中のモヤが少し晴れた。

Xデザイン学校は、UXデザインやユーザーリサーチについて活動を始めた人であれば、おそらく一度は耳にする学校だ。
参加したのは”マスターコース”。”スタンダードコース”というのもあったのだが、見栄を張って上のクラスを受講した。授業は、チームで社会課題を決めてリサーチからサービス提案を実行する10回講座。
講座はレベルが高く、ついていくのに精一杯。そんな中での、UXデザインを学び実行する人を少し理解できた。

・意外とみんないい意味で普通の人
エンジニアが出会ってきたUXデザインの巨匠達はいい意味で”よくわからない人”ばかり。学校で出会った今からのUXデザインを動かす人たちは、Factを探してDataから1つ1つ結論に進んでいく、いい意味で普通の人だった。

・全員がすぐ全ての情報を手に入れられるわけではない
成功者の本しかほぼ並ばない本屋では、成功者は先を見通して新たな提案をパッと出す。こんなことが描かれているが、実際に自チームを含む全チームを見ていると、手に入れられない情報や実行できないインタビューをなんとか補完して先に進むように努力していた。現実は、限られた情報からの想定や交友関係の広さ、日常から情報を集める努力だと理解できた

・1回のインタビューで聞きたいこと全て手に入れられるわけではない
インタビュワーはプロフェッショナルだから、バシッっと全てを手に入れる。と夢を見ていた。ただただ私のレベルが低いのだと。チームでのプロジェクトを見ていると、私と同じように「これを聞いておけば。。。もう一回話そう。」と現実が見えた。同じ人間だった。

スーパーマン → 一生懸命頑張って調査し結論を導き出せる人
一生懸命頑張って調査し結論を導き出せる人 → 私でも近づける
これが学校という集団で発見した学びの一つだ。

ユーザードリブンとビジネスデザイン

UXデザインを実行しなくてはいけない。こんな思いを強く持って業務に向かう中で、こんな課題があった。
「UXデザインで頑張った企画がなかなか実現に至らない。」
この課題が薄々わかってはいたけれど、今回の学校で少しだけ解決に近づいた。

結論は、”ビジネスデザインとの両立”が必須。

User eXperience Design の英語の字面を真摯に受け止めて、Userが必要としているものをとにかく探せばいいんだ!!というのが、私自身の理解だった。Technology driven での開発畑でキャリアを積んできた私の元々の領域では、Userは欲しいはずだ!世界初なんだ!という前提で押し付けに近い商品開発をしていた。ここから考えると、非常に革新的な方向転換でUser driven に動くことで

”欲しいと思ってくれる” → ”買ってくれる” → ”儲かる”

と考えていたが、現実はそうはいかない。プロダクトがある世界では、Userに寄り添った価格でUserが欲しがるモノ出すと、儲からない。もしくは、領域が広がりすぎてビジネスが成り立たない。
この結論が出るのが、メーカーでは正直なところサービスが完成した後なことが多い。例に漏れず、私も同じ道をたどりプロジェクトが潰れた経験をまさにしている。

今回学校で学んだ順序に一つ解があった気がする。
学校のカリキュラムでは、2回目からビジネスとUXを並走して検討を進める形を取っている。ここが当たり前だけれど、やはり必要なのだと感じた。並走することでの利点は、自分達のサービスで

・お金がどう流れるのか?
・ビジネスの範疇なのか?
・需要性はどこにあるのか?

この欠落を無くすことができる。つまり、よく経営者側に言われる”絵に描いた餅”が若干立体的に浮き出たAR(Augmented Reality)の状況になるはずなのだ。実際に、今回の学校で取り組んだテーマであり得ないサービスは一つもなかったと思う。

私の中で、この並走は一つの解として理解しているが、並走することにで発想の飛躍制限がかかる可能性も危惧している。私のような、まだまだビジネスを自分自身で新たに作り上げることのできないレベルの人材では、既存ビジネスに押し込めようとする。その時に、諦めが先走ってしまわないだろうか?この点に対する結論は得られていない。
「新たなビジネスを発想する力。」これもUIの次元から飛び出したサービスデザインで活躍するには必要なのではないだろうか。
私自身を実験体として経営塾に通うのも手かもしれない。

CXとUX

今回のサービス提案で私たちのチームが失敗した学びがある。タイトルにあるCXとUXの関係だ。チーム内で気が付いてはいたのだが、報告までの期間を言い訳に目を瞑った点でもある。最終報告でも、Xデザイン講師の浅野先生からもこの点について指摘を受けた。
「君たちのサービスは、スタートアップがやるにはいいけど大手のビジネスだとするとやるべきではない。」
この指摘は非常に考えさせられるもので、

・大手というスケールメリットやケーパビリティをどう活かすのか?
・何故このビジネスでなければならないのか?

これが私たちの提案にはほぼ入っていなかった。私たちのサービスの中に含まれていたのは、

・大手であることを利用する。
・大手ならできる

この考え方でサービスが構築されていた。Userをエンドユーザーと定義し、そのインタビューと解釈だけを使ってサービスを作成。ビジネスは後付けて辻褄合わせをしてしまっていた。
結果として、ビジネススケールが小さくなり浅野先生からの指摘につながった。どうすればよかったのだろうか?指摘された後で、実際に実行するかわからない立場だからこそできる考察は、

・大手のビジネス分析、ケーパビリティ等を図式化し確認
・Executive Interviewを図式した内容をもとに実行
・大手の進みたい可能性を発掘

この工程をもっと慎重に実行。エンドユーザーとMIXして見合わせ、サービスの基盤を構築することで、私たちのチームのミスは起こらないかもしれない。わかっていても、この期間をサービス提案をするまでに確保し、依頼元と協力しながら実行するためには双方の理解が必要なのも現実だ。
誰に目を向けなくてはならないのか?この問いを持ち続けたい。

コンテンツの力

複数の個性のチームが一緒に検討をする学校だからこそ感じたコンテンツの力。これは面白い学びだ。私たちのチームは非常に真面目で、コンテンツの力が非常に弱かった。
”ありきたり” ”どこかで聞いたことある” ”面白みがない”
こんな言葉がずっと付き纏っていた。最後に気合いでコンテンツの力を補ってみたが、どうにもならなかった。

個人的な意見だと思うが、一つのチームのコンテンツが最初の発表から面白いと感じていた。そのコンテンツは、最初から最後の発表まで面白かった。
正直なところ、私たちのチームは下から数えた方が早い順位。

これは単純に「初期発想こそが一番大切である。」ということではないだろうか?ブラッシュアップという言葉があるが、この言葉通り種は磨き上げることはできても品種は変わらない。加えて、私たちのように種が目の見えてしまうと捨てることができない。

ここまでは体験から理解できたのだが、どうしたらいいのかわからない。

・自分が考えているコンテンツが磨いていい種なのか?
・捨てる判断はいつなのか?
・捨てられないなら、種として認識される前に判断可能なのか?

学びではあったのだが、自分なりの結論すら導き出せない。継続して自分のプロジェクトやXデザイン学校で学び続けたら、何か見えるかもしれない。そう思いながら、学習を続けようと思う。
答えを持っている人がいれば、ぜひ教えてほしい。




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