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ところ変われば変わるもの

雑誌『児童文芸』と『日本児童文学』のコラボ企画の一環で掌編募集があり、この度拙作が入選し、雑誌『日本児童文学』に掲載いただきました!

選考では満場一致で掲載が決まったとのことで、とても高い評価をいただけたらしく本当に嬉しいです。実は短編でこんなふうに評価いただくのも、雑誌に作品が掲載されるのも初めてでした。最近短編のお仕事が多くなっていたところなのもあり、自信にもなりました。

そんなコラボ企画で面白いなと思ったことがあったので書いてみます。


■選考について

応募時にまったく把握できておらず雑誌を読んで初めて知ったのですが、今回の企画では、児童文芸家協会と児童文学者協会の両会員から集まったすべての掌編を、それぞれの雑誌の選考委員でそれぞれ別に選考し、それぞれで入選作を選出しています。応募総数81作、すべてを二箇所で選考しているのです。ものすごい人数の方が応募作品を読んでくださっているということです。すごい。

そんなわけで、私は『日本児童文学』の方の選考で入選したのでした。
それぞれの雑誌には選考経過も載っており、『児童文芸』の方でも最終選考まで残っていたようですが、入選には至っていません。また、入選作はそれぞれの雑誌で三作ずつ、両方で入選しているものもあれば、私みたいにそうでないものもあります。そもそも選考に残っている候補作を見ても、両雑誌それぞれで異なります。

これ、むちゃくちゃ面白いですよね。
人と場所が変わると作品の評価は変わる、ということを見事に表しています。それくらい、小説の選考というのは難しいものだということです。

■色んな場に出すということ

ここでまぁ思い出すのはアマチュア時代の話。公募作品の使い回しについてはよく問題になりますが、ある程度のレベルに達している作品なら、毛色の異なる賞に出し直すのはアリなんじゃないかと個人的に思いました。
人によって作品の評価は変わるものだし、その時々の流行、そして運がとても大きい。

自分はどうだったかというと、公募に出し始めた初期の頃、実は純文学系の賞を狙って出してました。が、よくてもせいぜい一次止まり、なかなか上に行けず。そこである時期から、YAやライトノベル系の賞に狙いを変えたら二次以降へも進めるようになり、最終的に電撃小説大賞の拾い上げ&集英社みらい文庫大賞優秀賞に辿り着きました。
もともとジャンルに対するこだわりが薄かったのもありますが、一つの場にこだわらずあれこれ試してみるのは重要かもと改めて思いました。

公募の使い回しについては前にこちらに書いたのでどうぞ。

■プロになっても場を変えることはある

似たような話は商業の世界でも多々あります。版元が変われば人も変わるし、ジャンルが変われば求められるものも変わります。同じジャンルでも別の版元ではすんなりOKをもらえることもあるし、ネタはそのままでもジャンルを変えたらするりと行けたこともある。

前にnoteにも書きましたが、『ぼくらの胸キュンの作り方』は元々児童文庫向けに考えていた企画が元です。このほかにもジャンルを変えたらうまくいったという作品が実はいくつかあったりします。もちろん、企画を出す際にはそのジャンルに応じた書き方に調整し直したりはしますが、ネタそのものは大事にとっておいてよかったなと思いました。

■たくさん当たればどこかで当たる、かもしれない

今回のコラボ企画、掌編募集一つをとっても本当に面白い試みで、面白い経験をさせていただいたなと思いました。ありがとうございました。

できる精進をするのは大前提で、ときに場を変え、できる限りのチャンスを掴む努力をすることも大事なのかななんてことを思ったりしました。やりたいことは大事に。
今年もがんばります。

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