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小説の執筆速度とモチベーションを上げるためにやってる個人的Tips~着手編~

執筆にまつわるTips、着手編です。準備編はこちらへ↓

準備が整ったらいざ執筆!


■執筆開始

◆決してふりかえらない

執筆していると、書いた部分をすぐに読みなおして推敲しながら書いてしまう、という話をよく聞くのですが。

私は一切ふり返りません!

もちろん前の方で書いた台詞を引用するとか必要があれば部分的に見直すこともありますが、それでも書き終わるまでは一切推敲はしません。

前進、前進、前進あるのみ!
鋼の心でふりかえらずに進むのみ!

どうしても気になる表現や引っかかる部分があるときは、コメントなりマーキングなりをして書き飛ばします。スカスカでもいいから、とにかく最後まで辿り着く。そうしたほうが、同じ見直しをするでも、全体の調整も段違いにしやすい。全体が見えた方が、ここは書きすぎ、ここは薄いというのも把握しやすい。
そして執筆速度を上げるための施策、多分これが一番効果ある。

昔は私もこれがあまりできなかったんですよね。今なんでできるかというと、推敲はあとからゆっくりやると決めているから、そしてプロットを詳細に作っているからです。書きながらストーリーラインを考える必要がないから、迷うこと自体がとても少ない。ふりかえりながら次の展開に悩むこともない。

プロットを作れるようになるために自分も長いあいだ試行錯誤してようやく今のスタイルで落ち着いた感じなので、慣れはあると思うのですが。タイピングが遅いわけじゃないのにいつも書き進まない、という人はプロットにもっと時間をかけてもいいかもしれません。私は執筆そのものより、企画書やプロットにかける期間の方が長いです。

そして、プロットがしっかりしてると改稿も楽です。大きな指摘があればプロットをまず直して全体のバランスを見て、原稿に反映させればよいので。

◆作業BGM

私は作業BGMをがんがんかけるタイプですが、歌詞なんて頭にまったく入ってこないくらいヘビロテしまくっている曲に限定してかけています。こんな雰囲気のときはこのアーティスト、みたいなパターンがいくつかあります。

◆その日の執筆文字数を記録する

以前ここに書いたのですが、私は毎日仕事日記をつけています。
執筆しているときは、そこに毎日何文字書いたかをざっと入力しています。Wordで書いた部分を選択すれば文字数はパッとわかるので。

これが意外とモチベーションになるし、今日は調子よかったなとか、これだけがんばったなとか指標になるのでとてもよいです。進みが悪いときは、プロットでの検討が足りなかったのかも、というフィードバックにも。

あと文字数考えながら執筆するクセがついたからかわからないんですが、プロット段階でのボリュームの見極めがだいぶ得意になりました。10万字なら何章構成で詳細プロットこれくらい、みたいな目測が立って、大きく外れることはあんまりないです(たまに外すけど)。

■健康維持

執筆速度の話ではないのですが、おまけ①。

過集中なタイプなので、かつては3時間とか4時間とかぶっ続けて書けていたのですが、やはり執筆量が増えるとそれだけでかなりのダメージにもなり。

そこで、勉強用タイマーを導入しました。50分おきに鳴るようにして休憩を10分程度取るように。

これをやるようになってから、背中の痛みとか、夜になるとぐったり、みたいなことがほとんどなくなりました。1時間ごとに休憩がある学校の時間割にも意味があったんだなぁと、この年になって思ったり……。

■執筆後の推敲

これもおまけ。私は執筆完走したあと、こんなステップで推敲しています。

  1. 画面上で加筆修正しながら推敲(1周):書きながら気になっていたところなどを、全体のバランスを見てガシガシ修正するのがここ。思う存分ふりかえって直す。これを終えたら紙にプリントアウト。

  2. 紙で推敲(2周):紙上で推敲します。1周目は頭から読んで全体の流れを確認。2周目は章ごとに順不同で、例えば偶数章→奇数章とかバラバラに読みます。文章表現などの細かい部分を主に確認。

  3. 朱字を反映:紙に書いた朱字をデータに反映します。このとき、修正箇所には黄色マーカーをつけてマーキングし、修正したあとに修正箇所だけざっと目視で確認します。また、紙にもチェックを入れて修正漏れがないかの確認も。

  4. 校閲ツール:一太郎搭載の校閲ツールで、校閲チェックや表記揺れなど、機械的にチェックアウトできるところだけ修正します。

  5. 電子データで推敲(1周):修正したデータをePubに変換して、最後にiPad上で確認します。文字組を変えて通しで読むと気になる箇所が出てくることも。

  6. 修正→初稿完成

ちなみに上記のステップは、できるだけ間隔を空けてやるようにしています。〆切に余裕があれば、①と②のあいだで1週間以上空けることも。原稿を寝かせるのは超大事。また、その間に別の原稿のゲラやプロットなどの作業を挟むことで、推敲するときに新鮮な気持ちで読みやすくなります。

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こんな感じで、執筆着手~推敲の話でした。

ちなみに今はこういうステップでやる、とかなりかっちり決めているのですが、デビュー作とかその後数作は推敲とかもっと何周もやってたし、改稿も多くて常にひぃひぃ言ってました。そういう時期を経て効率よくブラッシュアップするやり方を模索したらこうなったという感じ。

アマチュア時代は書いた原稿を推敲10周とかしてたのですが、今思うのは、同じ10周ならプロットを見直した方がよいということ。
いくら文章を整えても、ストーリーがいまいちなものはどうにもならん。

なんだかんだもう7年目なので、自分なりの仕事の型がだいぶできてきた気がします。今後も試行錯誤してやっていきます。

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