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新人の頃に「数で殴りに行こう」と思ってた話

8月になりました! 新刊『みおちゃんも猫 好きだよね?』の発売なのですが、今作でもって遂に単著50冊に到達しました……!!

ただただもう、むっちゃくちゃ嬉しいです
デビューが2017年9月なので、ここまで6年11ヶ月、遂に50冊。作家さんによってはアマチュア時代に書いた作品を~みたいな話も耳にしますが、私の場合はデビュー作から全作書き下ろし。50冊全部書いとります。

よく書いたな~という気持ちはもちろん、よくこれだけ企画通したよワレ!という気持ちでいっぱいです。商業、はっきり言って執筆そのものより企画を通すことの方が何倍も労力使うし大変。プロット作りの方が時間も頭も使います。執筆で使うのは主に体力(個人差あり)。


■「数で殴りに行こう」と決めた新人時代

以前もnoteで書いたので詳細は割愛しますが、私は拾い上げデビューで新人賞受賞作も書籍化ならずというハードモードスタートでした。しかも、そこに至るまでも公募で100回以上落選してて、8年以上投稿生活をやっていたわけです。

せっかくデビューできたのだから、なんとか作家を続けたい。とはいえハードモードは確定なのでどうしたものか、とそれはもうデビュー前後には頭を捻りに捻って考えました。

で、そのとき思ったのが「数で殴りに行こう」でした。

殴るって言葉はあれですが、とにかく一定ペースで本を出し続けられるようがんばって、刊行点数そのものを増やして実績にしていこうと。幸いにも、ライター経験もあって筆は速い。遠い先の目標は50冊だけど、まずは10冊、20冊目指してがんばろうと決めました。

かくして、縁ができた版元で2冊目以降も出せるようにがんばりつつ、新人賞への応募も続け、持ち込み・営業もめっちゃしました。交流会にもよく参加しました。そうやっていくうちにお仕事ができる版元も増え、幸運なことに賞もいくつかいただけ、今では声をかけていただけることもあります。

そんな感じで、あの頃遠くにあった50冊に辿り着きました。がんばってよかった。

■多作でいいこと

アマチュア時代に、ある作家さんから「新作を出すこと以上に宣伝になることはない」というお話を聞いたことがありました。
私は新人の頃、どうしたら作家買いしてもらえるような作家になれるか、名前を覚えてもらえるかをすごく考えていました。で、そのとき思い出したのが上記の言葉なので、「数で殴りに行こう」という発想になったのです。

そんなこんなでたくさん書いてきたわけですが。来週発売の『オンライン・フレンズ@さくら』で行っていたゲラ読みの感想を拝見していたのですが、以下のようなコメントをいただいてまして。

刊行ペースが速いと読者さんがついてこられないのではとか、1冊ずつを雑に書いてると思われやしないかと不安に思うこともあったのですが。多作であることをこうやって肯定してもらえるのは、本当に嬉しいです。

一つ断わっておくと、ほぼ専業作家で時間もあるので、原稿は1作ずつ本当に丁寧に作っています。推敲も初稿の段階で4~5周はやってて自分で校閲ツールにかけるところまでやってます。校正の仕事をするくらいには文章へのこだわりも強いので、周囲の作家さんと比べてもかなり手間をかけてる方だと思います。

たくさん書くというのはたくさん企画を出すということでもあるので、疲れたな~と思うこともあります。今でも年間40~50本近く企画を作ってて、そこからGOをもらえるのは10本に満たなかったりもします。まれに原稿そのものがボツになることもあるし、自分も人の子なのでヘコんでソシャゲに課金したりもします。
でもあれこれ書くのは単純に楽しいし、色んなお話を書きたいという欲はずっとあるので、元気な限りはこのスタイルで今後もやりたいし、やれるようにがんばっていこうかなと思います。

■次の目標

現在ものすごい達成感でいっぱいなのですが、引き続き作家業はやっていくので、また数字を積み上げられたらいいなと思います。ぼんやり遠くには100冊という目標もありますが、大きな目標を手近なところに設定しすぎるとしんどくなるので次の目標は60冊です。あと作家業を10年続けること。

なお、今月は過去最高に重なりに重なりまくり、『みおちゃん~』を含め単著が5冊出ます。50~54冊目です、本当によろしくお願いします……!
発売日は近いですがどれも時間がかかったものばかりなので、企画立ち上げからかかった時間をちょっと書いてみます。

●8/2『みおちゃんも猫 好きだよね?』→約1年半
●8/5『オンライン・フレンズ@さくら』→約2年
●8/5『オンライン・フレンズ@ユナ』→約1年半
●8/20『クール男子の心の声は「大好き」だらけ!?』→約10ヶ月
●8/23『おもてなし旅館の契約花嫁と旦那さま』→約2年

2年かかってるものも2つあるし、ちゃんとどれも進んでよかった……担当さんありがとうございます……。

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50冊到達で嬉しいひゃっほいの気分でnote書いたのですが、長くなってきたのでこの辺で。

なんか改めて50冊の書影をまとめた画像を見たのですが、テイストバラバラで我ながらカオス。左から刊行順に書影を並べてあるので、よかったらじっくり見てください。カオスだけどどれも素敵でかわいい。イラストレーターさんは本当に偉大です。ありがとうございます。どの作品も宝ものです。


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