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渾身の作品✨

 うちのダンナは、何を隠そう、賞味期限にうるさい。
 一緒にスーパーへ買い物に行って商品を適当に取ろうものなら、横からしゃしゃり出て来て「こっちの方が、日にち後だろ!」と新しいモノと差し替えられるし、食卓に出す際、賞味期限が印刷されているものは必ずチェックするという徹底ぶり。そのため、この当時は、1日でも賞味期限が過ぎていると絶対に口にしない!という、かたくなな姿勢を貫いていた。
 ご存知の通り、「消費期限」と違って「賞味期限」は、指定された保存方法通りであれば、期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないので、あくまで目安だというのに。

 ある日、ダンナの夜ごはんに出そうと思った納豆の賞味期限を見ると、5.31になっていた。その日はすでに6月2日。2日も過ぎたものを、ダンナが食べるはずがない。しかし、他の食べ物ならまだしも、納豆なんて最初から腐ってるじゃん!2日ぐらい過ぎたって死にやしねーよ!と思い、一策を講じることに🎵
 幸い賞味期限が印刷されているのは、納豆2パックをまとめて包んでいる外側のビニール包装のみだ。だったら、それをはがして本体だけ出せばいいのでは?と思うだろうが、以前、賞味期限が切れた納豆を出した前科のせいで、包んであるビニールを取って本体を出しても、「これ、いつのだ?」とチェックが入る。自分で日付を確認できないものは、怪しいからと食べないのだ。
 だがしかし…これを逆手に、いいコトひらめーーいたっ☆💡☆(ニッ)
 私は、5.31の「1」をカッターで丁寧に削り、きれいに消しゴムをかけた。次に、5の左上の角も絶妙に削って、細い油性マジックで足りない部分を丸く描き足し、「5」を「6」に修正。
 これで6.3になった。おお!なんということでしょう!!賞味期限が3日も伸びたではありませんか〜〜〜★☆これぞ、グラフィックデザイナーの腕の見せどころだ!!
 まさかこんなところで手先の器用さが生かされるとは思ってもみなかったが(笑)、私は完璧な仕事を果たした!これは偽造ではなく、もはや「作品」だ☆☆☆

 ダンナが帰って来た。
 私は6.3と印刷されている(ように見える)納豆をダンナに見せて確認させながら、何くわぬ顔で「これ、明日までだから食べちゃって!」と、目の前で外側のビニールをはがした。
 果たしてダンナは・・・見事に食べた★☆何の疑いもなく!!(笑)
 こうして、私の渾身の作品にまんまと騙されたダンナは、賞味期限切れの納豆を美味しそうに完食していた。もちろん、死にもしなかった。

 そのうち、期限が1日過ぎたものを「1日ぐらい大丈夫だよ!」とムリヤリ食べさせながらだんだん慣らしていくうちに、あきらめも混ざったらしく、ダンナの神経質度合いはだんだん薄れてゆき、2〜3日ぐらいなら期限をすぎても許容できるまでに、心が広がった。
 めでたしめでたし〜★☆
 


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