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踏ん張れ、コンサドーレ。2024年J1に残留することが大切な理由

苦難のシーズン。コンサドーレは非常に苦しい時間を送っている。

幼少期から身近にあったこのクラブはいかなる時でも私にとっては特別だ。そう言った意味では、J2であろうがJ1であろうが個人としてのクラブへの思いに変化は起こらないと思う。

しかし、このタイミングでJ2に落ちると、クラブの未来に対しては憂いを抱かざるを得ない。かつてのコンサドーレは‥などの詳細な説明は割愛するが、紆余曲折がありながら、日本のトップカテゴリー J1でコンサドーレは戦い続けている。

今季は2016年にJ1昇格を達成後、8季目のシーズンだ。

2017 11位
2018 4位
2019 10位
2020 12位
2021 10位
2022 10位
2023 12位

直近、7シーズンを平均すると、9.8位。多くのシーズンが18チーム制で行われている事を考えると、J1中位クラブ。歯車が噛み合えば、上位を窺える一方、調子を崩せばJ1残留争いに巻き込まれる。それが北海道コンサドーレ札幌の今の立ち位置だろう。

そして、今季はいつか来るであろうと思っていた、本当の踏ん張り所の局面がやってきた。そう捉えている。

コンサドーレは当初、2020、2021年を大きな勝負のポイントと位置付けていた。

ミハイロ・ペトロヴィッチという名伯楽を招聘し、1年目の18年はクラブ史で最高のリーグ4位。翌年もルヴァンカップでタイトル目前に迫るなど、投資と成績が好循環で回るサイクルに。

その期間で育てた主力選手を全員残留させると共に、大学サッカー界でも指折りの選手たちを加えた陣容で勝負を掛け、もう一つ上の立ち位置のクラブへ。

そんな展望を描きながら臨んだ勝負のシーズンだったが、2020年に襲った未曾有の事態が構想を大きく狂わす。他クラブに漏れず経営的にも大きなダメージを受けたコンサドーレ。その後の観客動員の推移などを見ると、他クラブ以上に回復からの時間を要しているのが現状だ。

そんな中でもクラブはトップチームの人件費だけはコロナ前の2019年に劣らない一定額を担保し続けた。だが、フットボールのマーケットは、世界だけでなくJリーグというフィールドにおいても規模が拡大し続けている。

当然、J1の舞台に居続けることで札幌の選手達の市場価値も上がっており、前年と同額では同じ陣容を維持し切るのも難しい。また、コロナを経て戻り切らない観客動員数やある財務的な負担がのし掛かった事も相まり、ここ数シーズンはクラブの成長速度と選手の成長速度にギャップが生まれ出している。野々村前社長の言葉を借りるなら、クラブの成長速度が一部選手の成長速度に追いつかなくなって来ているのも実情だろう。

そういった情勢化において、金子拓郎・田中駿汰・小柏剛らの主力選手が他クラブへ挑戦のフィールドを移し、新卒選手の獲得戦線においても、彼らを獲得できた時程の、優位性は見出し辛い状況になっている。

だが、そんな中でも、クラブは最上位リーグに生き残り続けねばならない。今や、J2の約半数のクラブがJ1経験を持っており、直近のJ1からJ2に降格したクラブが1年で再昇格した事例は、僅か3例。(19柏、22横浜FC、23磐田)

札幌自身もこれまでJ1昇格に平均3.5年擁しており、降格した際の再昇格は茨の道になる事が容易に想像できる。

経営的にもコンサドーレは難しい舵取りの局面を迎えている。右肩上がりの成長を目指し、規模拡大の為に走り続けたここ数年だったが、赤字経営が続き、広げた風呂敷を一度、整え直す必要なタイミングになっている。このまま無理に走れば、債務超過に陥り、クラブライセンス制度に引っかかり得る状況だからだ。

だが、クラブはもう一度勝負出来る体制も整えようとも算段している。クラブ創設30周年に当たる、26-27シーズンを勝負のシーズンにしたいと三上GMは語る。

一方、今季からコロナの特例猶予も解かれ「債務超過」と「3期連続赤字」の回避をする事はクラブライセンスを維持する為、直下に迫るクラブ経営の絶対条件だ。

26-27シーズンはシーズン移行の初年度でもあり、不確定要素も多い。追加で必要な予算もきっと出るだろう。そう言った意味でも24シーズンor25シーズンのどちらかで必ずや黒字化を達成し、26-27シーズンで積極的な投資に回せる状況を作る必要がある。

今シーズンは降格圏に低迷する手前、夏のウィンドでの積極的な補強も明言しており、単年黒字に持っていくことが難しくなる事も予想される。

まだまだ決定段階にはないだろうが、移行初年度に当たる26-27シーズンの開幕に向けた、移行期の25年は降格制度がなくなる可能性も一部報道によるとありそうだ。つまり、今シーズン、踏ん張れば、26-27シーズンに向けた再建の猶予も出てきそうな情勢だ。

だからこそ、今年、なんとか、凌ぐことが一層、大切になってくる。

クラブは生き物だ。例え、ラッキーゴールでの勝利であれ、勝利を積み重ねるうちにクラブ全体の雰囲気が変わる事もあれば、負けが続くと信じられるものが無くなり、根幹が揺るぎ出す。そして、一気に崩れる。悪循環のフェイズに入ると、力のあるチームでも抜け出せなくなる事例が往々にしてある。

これでいいのか?このままでいいのか?あーまた失点した。降格するチームは例に漏れずこのような状況になってしまうのだ。

賛否はあれど、クラブは今の指揮官の下、現在の戦いのベースは変えない選択をした。ここ数年、難しい時期もあったが、ミシャ監督の下、戦って来た、6シーズン札幌は、投下予算以上の順位に位置し、一度も降格しなかったという事も紛れもない事実だ。

きっと、細かな修正はあるだろうが、基本的なコンセプトに変更はないはず。ミシャの三原則(走る・戦う・規律を守る)の徹底という、立ち返り方をして、戦うことになるのだと思う。

選手には選手のやれる事をやってもらう他ない。

では、苦しむチームの為に、今、私たちがコンサドーレの為に出来る事はなんだろうか?

・スポンサーさんへ感謝の意をリアルの場、SNSを使って積極的に発信する

・理念強化配分金獲得に貢献すべくDAZNで札幌の試合を積極的に視聴する

・札幌のグッズを購入し、物販収入に貢献する

・練習場で選手を鼓舞し、思いを託す

・仲間を誘い、一人でも多くのファンでスタジアムを熱い空間にする

色々なクラブへの貢献の方法や形はあると思う。

そして、何より、直下に迫るのは、三上GMが声明を出した後の最初の試合。リーグ17節、東京ヴェルディ戦。
そして、ルヴァンカップ2戦(VSカターレ富山)と天皇杯(VS栃木シティFC)を挟んで、18節京都サンガ戦が迫る。

ここの5戦は本当に大きな山場だと考える。残留を争うであろうライバルとの直接対決となるリーグ戦は勿論、カップ戦の勝ち上がりも非常に大切になるはずだ。
昨年の夏のウィンドウでは、札幌から5選手が別クラブへの移籍を選択した。それまでの好調だった期間、選手から聞かれてきた「今年はサブ組が強いから、練習の質が高い!」

残念ながら、夏過ぎの練習では、紅白戦を行える練習人数も揃えられず、地元学生の力を借りながら、練習を成立させる期間もあった。彼らの協力に感謝はあれど、そのような状態はプロクラブとして健全な状態ではないだろう。
昨夏の反省を活かす為にも、現状、出場機会の少ない選手たちがどれだけ高いテンションを保てるか?非常に大切なファクターになってくるはず。そこから、リーグに絡んで来る選手が出てくるのが理想的な流れと言える。そう言った意味でもこの5連戦は非常に大切。

ここで本気で5連勝を狙うようでないと、今の流れは変えられない。

ある人はこう語っている。

「もう絶対に札幌を降格させない。」

いくらサポーターが熱い応援をしようが、圧倒的な雰囲気を作ろうが、それが勝敗に関与するであろう事は、せいぜい年に一度か二度だ。

だが、今シーズンはその一度か二度をいかに持って来れるか?それが、クラブの運命を左右する状況だ。〝あの1ゴールがあったから!〟〝あの試合があったから!〟その1シーンがクラブの未来を分ける。

今シーズンを踏ん張れるか否かは、クラブの歴史を紡ぐ上で、きっとターニングポイントの1年となると思う。

繰り返すが、今我々に出来る事はなんだろうか?

色々な貢献の仕方はあれど全ての根本にあるのは、スタジアムの熱だと思っている。

どこの座席でも構わない。どんな方法でも構わない。
選手たちに、彼らの持つ最大限の力を発揮して貰う為に出来る事は何なのか。

各人、思う事や言いたい事もあるだろうが、それでも明日の試合が重要な事は誰もが感じているはずだ。

選手たちよ。我々を熱狂させておくれ。

そして、私たちはその為に何が出来るのだろうか。

いつもより一つだけでも。一回だけでもいい。各人が何か行動に繋げた暁に、今日はスタジアムの空気が勝たせたね。と胸を張れる試合と出会えるかもしれない。

明日。ここがシーズンの転機だったと誇れる一日にしましょう。


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