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#74「期待を背負う」

「明日の打ち合わせに入ってもらえないか。」
今日、上司から来年度の大型案件のプロジェクトメンバーに声をかけていただいた。コンペ案件のため実施有無はまだ不明なものの、会社としては大きな案件であるため、初回のキックオフからアサインされたことは、そのプロジェクトの主要メンバーであるということになる。声を掛けていただいた時、驚きの気持ちと少し寂しい気持ちで心が揺れ動いた。

まだはっきりと決断してはいないものの、今年度が終わったタイミングで新たな環境にチャレンジしようと考えていて、今も検討段階である。そんなこともあって、「もしかしたらこのプロジェクトの終わりには、私はこの会社にいないのかもしれない」という可能性が現実味を帯びて感じ取れたのだ。

振り返れば、この2年間を通して、多くの経験と信頼を積むことができた。初めの頃はパソコンのタイピングすらまともにできなかったのに、今ではリズミカルにブラインドタッチができるまでになった。一人では対応できなかったメールや見積書の作成も、今は一人で全て対応できるようになった。メールに関しては後輩メンバーの添削やチェックを行うまでになったし、見積書に感じてもたたき台を持っていけば、部長に二つ返事であっさりOKをもらうことが多くなった。昔は修正や訂正をたくさん受けたのに、今では確認や壁打ちは5分もかからずに終わってしまう。

実際、今日も新規プロジェクトの見積書を2つ作成し、確認に行ったのだが、合わせて3分程度で確認が取れてしまった。これはすごく嬉しいことだけど、フィードバックをもらえないので少し寂しい気持ちにもなる。しかし、そんなやり取りを見ているからだろうか、私に壁打ちに来る後輩メンバーが人数的にも回数的にも増えたように感じる。部長に確認するのは不安らしく、一度私に方向性の確認やアドバイスを求めに来るのだ。また、最近では、部長に確認に向かった後輩が部長から「〇〇(私)に見てもらってOKなら良いよ」という指示も出ることがあり、少し嬉しさも感じる。2年という長い道のりをかけて、ようやく信頼してもらえるようになれたのだ。

ありがたいことに最近は社内外問わず色々なプロジェクトにアサインされたり、意見を求めて相談をいただく機会が多い。2年前、何もできなかった私が、この会社での経験を通して頼られる存在へと変わっていった。

もちろんまだまだ道半ばではあるものの、終わりを意識した時に、過去のいろんな出来事がフラッシュバックされてくるのだ。来年度もこの会社にいるのか、新たなチャレンジを試みるのか、いずれにしても私は恵まれた環境にいて、成長できているのだから、日々感謝の気持ちを忘れずに過ごしていきたい。

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