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#65「熱戦を終えて」

静岡市では最高気温が40度ちょうどに達したそうだ。そんな今年一番の酷暑のなか、首位チームとの今年一番熱い試合に臨んだ。

今日の試合のレフリーは、小学生時代のコーチが担当だった。私がサッカーを始めるにあたり、一番初めに所属した小さな地域クラブのコーチの一人。私にサッカーをお支えてくれた存在の一人であった。サッカーを続けてきたことでもう一度ピッチで再会することができたことへの嬉しさや感動を感じた。試合前の握手の時の力強さは昔から何一つ変わっていなかった。昔は見上げていた顔も、いつからか見下ろすような格好になってしまったけれど、あの頃と何一つ変わらない笑顔。こっそりと耳元で伝えてくれた頑張れという言葉。全てが嬉しく、特別な時間だった。

試合はというと、前半早い時間で味方のゴールをで先制することができたものの、そこからフリーキック、PKを与え、前半のうちに逆転されてしまう。1-2で折り返したハーフタイム、足取りは重いものの、監督の鼓舞する声に気合を入れ直す。久しぶりの試合だからか、暑さによるものなのか、それとも今週のトレーニングでの疲労なのか、色々あったけれど身体は重く感じた。

後半も粘りつつチャンスを作っていくが、あと一点が遠かった。試合終了10分前には味方がこの日2枚目のイエローカードで退場し、数的不利になってしまった。結局最後までゴールは出来ず、悔しい敗戦となった。

前半の味方のゴールが決まった時は、心からの叫びが出てメンバーと喜び合った。負けてはしまったものの、フットボールをしていることで得られる喜びを感じることができた瞬間だった。この瞬間はいつきても最高である。しかし結果は結果だ。切り替えて次の試合に臨むしかない。

人生そう簡単にうまくはいかない。もっとこうしておけばよかったとか、常に後悔は尽きない。それを受け入れていくこと。

鏡の前に立ち、日焼けした顔を眺める。暑い中、確かに頑張った。でもまだやれる。最後は個の力、そして情熱が結果を左右させる。それがきっと、相手の方が上回っていたのだろう。悔しいけれど受け入れるしかない。受け入れて前に進まないといけない。

「お前たちは良くやっている。でもまだまだやれるだろ。出たくても出れない奴の分までピッチに立つお前らが責任を持ってプレーで見せてくれ。もっとここで上回れ。」

ハーフタイムに監督からもらった檄を思い出す。まだまだ上手く、そして強くなろう。

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