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#75「強さとブランド化」

「目指すものがあるから、強くなれる」
帰りの電車の中に掲載されていたサントリーの広告のキャッチコピーである。サントリー生ビールと映画キングダムのコラボ広告として釣り出されていて、妙に目に留まった。強さとはなんだろうか。

強さの反対は弱さである。判断基準はものによって違うので、何が強くて何が弱いのかをここで正確に断言することはできない。ただ、個人的には「強い」ではなく、「強さ」という言葉の方がしっくりとくる。「強い」は個人が勝手に決めつけている感じがして、諦めているようなイメージがするけれど、「強さ」と表現すれば今の正確な位置を自覚したうえで、覚悟な決意のような強い感情表現が読み取れる。

だから私は「強さ」という言葉は期待も込めて使いたいが、「強い」と断定する表現は避けたい。意地なのかもしれないが、サッカーの試合で明らかにこちらより強いであろう相手と戦う時であっても、相手が強いと思えばそこで飲み込まれるし、自分たちの方が強いと思うのもまた傲慢さがあるように感じるからだ。

話がだいぶ逸れたが、冒頭の言葉がもしその通りだと仮定した時、今の私にとっての"目指すもの"とはなんだろうか。パッとでてこないことが、今の私の立ち位置を示しているように感じる。

高い年収や高層ビルでの生活、世界中を旅する自由な暮らし。これらは理想なのかもしれないけれど、私は本気で目指しているのか。もっと心から湧き出るような、喉から手が出るような目指す姿はなんなのか。就活の時、こんなことを言っていた。

「.私自身のブランド化」
あなたと一緒に仕事がしたい。一緒にいたいと思ってもらえるような存在になる。

この軸は今もぶれていない。ただこれは企業理念やビジョンにも近くて、抽象度が高い。具体的にどんなことをするのか、どんな経験が必要なのかは仕事内容によって変わるけれど、一方で人間的に普遍な要素もある。ブランド化に向けて、自分自身を日々磨いていかないといけない。そこに終わりはなく、常に道半ばである。

私をブランドにしたいのではなく、ブランド化は結果論であり、それよりも誰かに必要とされることを私は求めている。その場面が訪れた時に必要なスキルや能力は身につけていたい。また、そのために必要な人間性も備えていたい。そうして私に関わってくれた人たちが幸せを感じてくれることで、私も嬉しい気持ちになる。良い循環を生み出せるようにしたいし、そんな景色を見るために強さを求めて生きていきたい。


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