【読書感想文】「人的ネットワーク」づくりの教科書①
こんにちは、嘉瀬遥です。
今回は読書感想文です。
『「人的ネットワーク」づくりの教科書』
グロービス経営大学院/東洋経済新報社
さっそく、感想を書いていきたいと思います。
ネタバレにご注意を!
この本は、「人的ネットワーク」を「1対1の人のつながり」と定義し、その意義や活用法について書かれています。
社会環境や変化に伴い、人的ネットワークの重要性は増していると皆さんも感じられていると思います。
「個人の中の多様性」が求められ、業界や業種、企業や組織にとらわれない多様な経験を積んだ人が必要とされるようになりました。
そこで重要になるのが、社会学者グラノヴェターが示した「ウィーク・タイ(弱いつながり)」という理論です。
似たような価値観を持っている人とは強いつながりを育むことができる一方で、新しい何かは生み出しづらいと言われています。
自分が知り得ない多様性に富んだ有益な情報をもたらしてくれる可能性があるのは、異なる価値観や生活スタイルをもつ人です。
そうした人たちとの関係は「弱いつながり」であることが多いです。
この本の基となった研究で行ったインタビューでは、人的ネットワークの恩恵はビジネスにとどまらず、生きがいや人間的成長など、さまざまな面に影響を与えることが分かっています。
その構築に深く関係しているのは、「志」と「自身の能力開発」です。
「志」とは自らが進みたいと思う方向性、
「能力開発」とはそれぞれが持つ能力を発見し高めることです。
「人的ネットワーク」「志」「能力開発」の3つは密接に絡み合い、相互に相乗効果を発揮するサイクルを形成しています。
このサイクルを自己実現サイクルと呼び、人的ネットワークの構築のみを目的にするのではなく、3要素を意図的にそれぞれ成長させることが重要と書かれています。
続いて、インタビューの結果わかった人的ネットワークから得られる効用について書いていきます。
「5つの恩恵」
①内省
他者との対話を通じて、自分の気持ちや考え、価値観などの理解が進みます。
自分では気づかなかった事実や思考の癖、感情、価値観に気づき、これまでとは行動が変わることがあります。
他者と自分の考えの違いを認識することは、視野や価値観を広げるきっかけにもなります。
②安心・うれしさ
人とのつながりを通じて、ほっとしたり、落ち着くような心地よさや安心を感じることがあります。
それによって満たされた気持ちになったり、苦しいことを乗り越えることができたりもします。
コロナ禍でコミュニケーションの機会が少なくなっているからこそ、重要性の増している恩恵と言えます。
③享受
人的ネットワークは、自分では得られない情報やチャンスを運んできてくれます。
時には、影響力のある人に話を通しておくと、自分にはない力で組織や人を動かしてもらえることがあります。
④協奏
共に創るという「共創」にとどまらず、モノ以外にも何かが生まれて世の中に新しい流れを奏でるという意味で、ここでは「協奏」という言葉を使っています。
他者とのつながりで新しいアイデアやイノベーションが生まれ、自分一人で成し得なかったことが、より質の高いアウトプットとして実現できることがあります。
⑤循環
人的ネットワークを大切にしている人ほど、目の前の相手から直接恩恵を受けることにこだわらず、相手に貢献すればそれがいずれ自分に返ってくると考えています。
目の前の相手に貢献し続けていると、つながりが巡り巡って内省、享受、協奏を起こすと言えます。
人とのつながりから得られる恩恵は、人生をより豊かにしてくれるでしょう。
今回の感想文というか備忘録は長くなりそうなの、今回はここまでとし次回に続きます。
いつもありがとうございます♪