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【不登校】どうして学校に行かないといけないの? ♯02 不登校の実態

【不登校】どうして学校に行かないといけないの? ♯2 不登校の実態

こんにちは、ハルジマです。
元不登校・元小学校教員という肩書を活かして、皆さんに情報をお伝えしています。
よろしければ、紙とペンもしくはメモ帳を用意して、一緒に考えていきませんか。

令和3年度の小・中学生の人数は、約950万人。
では、みなさんは、その中で<不登校>の子が全国でどれぐらいいると思いますか?







令和3年度では、義務教育における長期欠席者の数は、
413,750人!
義務教育の子ども全体として、なんと2.6%にも及びます。

(文部科学省『令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_1.pdf)

ちなみに、令和2年度は、287,747人。

(文部科学省『令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』https://www.mext.go.jp/content/20211007-mxt_jidou01-100002753_1.pdf)


1年間で、とても増えているように思いますが……
実は、令和2年度というとコロナ禍が始まった年。
コロナ禍の最中は、ほとんどの学校が、特別処置として、(本人または家族に)風邪症状のある児童・生徒は、出席停止として処理をし、欠席扱いにならないということがありました。
コロナ罹患が不安な場合は、家庭の判断で休んでも良いということになっていたため、この調査上には含まれていない【隠れ不登校】も、多くいるのではないかと思います。

尚、不登校の定義として、文部科学省は
「不登校児童生徒」とは 「何らかの 心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、 登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を 除いたもの」
としています。
実際、学校では、毎月【不登校調査】が行われ、担当者を通して、各市町村の教育委員会に報告されています。
令和3年度になって、徐々に欠席関係の定義が緩和され、不登校と認識される児童生徒が増えたのかもしれません。(それでも、自称「体調不良」で、調査に計上されていない子どもも相当数いると思われます)

では、次に……
【不登校】になる原因は、何が多いと思いますか?






わたしは、いじめや、人間関係かな? と思いました。
しかし、この調査によると……

<無気力・不安>が、全体の49.7%と、大多数を占めています。
※ちなみに、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」とありますが、「いじめ」の場合は、「緊急避難としての欠席」が学校から認められるため、不登校と認知されないようです。

先述した通り、令和2,3年度はコロナ禍真っ只中。
当時、わたしは現役で小学校の教員をしていましたが、令和2年3月にあった国からの休校宣言を、テレビで知りました。
言うまでもなく、次の日から子どもを休ませなくてはいけない現場は非常にバタバタしていて、子どもたちも、とても不安がっていました。(同期の勤務校では、土日に出勤して準備をしていたそうです)
「学校に来たいよ」「お休みなんていやだよ」と、大泣きをしていた子どもたちの顔を思い出して、今でも胸が痛くなります。
大人でさえ、これからどうなるのか、先が見えずに不安だったコロナ禍。
子どもたちの中の不安は、計り知れないほどだったでしょう。
突然の長い休校期間で、生活リズムが崩れ、学校に行けなくなってしまったという子も、少なくなかったかもしれません。
令和2,3年は、わりと特殊な年なのですが、それでも、この結果は、大人として、非常に心苦しいものだと思っています。

かく言うわたしも、子どもの頃の不登校の原因は、<無気力・不安>に、あてはまるタイプだと今なら思います。
もちろんそれは、単純に1つだけではなく、いろいろな理由が複合しているのですが、「学校に行きたくない」「めんどくさい」という気持ちが強かったのは、間違いないです。

「どうして学校に行かないといけないの?」

<無気力・不安>を抱えた子どもたちは、もしかしたら、こういう疑問を、ずっと抱え込んでいたのかもしれない。
そして、それに、納得する答えをもらったことがないのかもしれない。

余談ですが、大学の教職課程(教員免許を取る過程)で、現役の先生も交えて「不登校」という題材でディベートする場がありました。
実際の体験も話してほしいということだったので、「学校に行く意味がわからなかった」と正直に話したら、「意味がわからなくても、行かないといけないものでしょう」と当時ベテランと思しき方に苦笑され、あきれた視線を向けられたことを、今でも覚えています。

第1回でも書きましたが、このNoteは、当時のわたしに掛けてあげたい言葉を、大人になったわたしが、書き綴っているものです。
それと同時に、同じように悩んでいる子や、悩んでいる子の周囲の大人(保護者や先生)に、こういった視点もあるんだな、と、考え方の少しのヒントになればいいなと思っております。
不登校になる理由は、人それぞれ。
もちろん、人間関係やいじめが原因で、つらい思いをしている人も多いと思います。
でも、自分ではどうしようもない、【これ】といった理由がなく学校に行けていない人もいるということを、知ってほしいな、というお話でした。
そして、自分でもよくわからないけど学校に行きたくないんだ!という子に、「わかるよ~~~~」と言ってあげたいな、というお話でした。
それ以外の理由があって、それがめちゃくちゃしんどいんだ……、という子がいるのも、もちろんわかってますよ!
なんかね、カテゴリに分けてほしくないんですよね。ひとりひとり違う思いや理由があって、それぞれがそれぞれでしんどい。そういう思いも、大事にしていきたいです。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
お気軽にコメント等いただければうれしいです。

参考
文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm

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