📚おすすめ本📚『プレゼント』から考えたこと

今回皆さんにご紹介する本は、スペンサー・ジョンソン『プレゼント』扶桑社，2003。

プレゼント

はじめに

この物語は、人生における成功を求める若者が１人の賢明な老人から「プレゼント」にまつまるアドバイスを聞いたり、自分で気づきながら、「プレゼント」に対する見方・考え方を変えていく物語。

さっきから何度も登場する「プレゼント」とは何か？
（ぜひ本を手に取って味わってほしいのですが…）

present【名詞】
1.現在、いま
2.贈り物

仕事や私生活で上手く行かず、過去のことでクヨクヨするか、未来のモヤモヤに思い悩んでいる若者に対し、老人は

「いまやっていることに没頭すれば、ほかのことを考えることもなく、幸せでいられる」「その瞬間に起きていることに没頭するんだ」p.32

そんな子どもの頃は自然と、自分の興味関心あることに夢中になっていたのに、いつの間にか忘れてしまった、あのジワっと自分の心を温めてくれるエッセンス。

とはいえ、さまざまな疑問がまだ解決されていません。

Question１　いまの状況が楽しいものではない場合はどうするのか？

Question２　過去に重要な点があるとすれば、それは何か？

Question３　未来に重要な点があるとすれば、それは何か？

Question４　Presentに対する過去・現在・未来の関係とは？

Question５　どうして老人は若者にプレゼントを教えていたのか？

そんなさらなる問いを若者は老人と語りながら、気づきをどんどん得ていく。

上の質問別に、私が参考になった箇所を抜き出してみると

Question１　いまの状況が楽しいものではない場合はどうするのか？

悪い面に目を向ければ、それだけ活力も自信もなくなる。だからこそ、“悪い”状況にあると気づいたら、努めてよい面に目を向けるようにすることが大事なんだ。よい面を見つけるのが難しい場合でもね。それから、その良い面に感謝し、そこを足場にするんだ。良い面に感謝すれば、それだけ幸せな気持ちになれる。もっと気が楽になるし、今現在を生きるのがいっそうたやすくなる。p.40

つまり

その瞬間に起きていることに専念しよう。
状況の良い面に感謝し、それを足場にしよう。
今重要なことに注意を払う。

Question２　過去に重要な点があるとすれば、それは何か？

君は、過去のことを見直して、そこから何かを学びとると言うより、目を逸しているように思える。多くの人は過去を見直そうとしない。悩みたくないからだ。人は過去の経験があるからこそ、今の自分があるのだと言うようなことを言う。しかし、過去の経験を見直し、うまくいかなかったことから何かを学びとっていたら、どう変わっていただろうかと自問する事は無い。その結果、何も学ばない。p.53

過去に何が起きたか
そこから何を学びとることができるか
今は違うことができるか

でも、あまり自分を責めてはいけない。その時点では最善を尽くしたのだと言うことを忘れてはいけない。今はもっとよくわかっているのだから、もっとうまくやることができるはずだp.54

未来を現在よりより良いものにする方法は、幸運を除けば、ただ1つ、計画を立てることなんだ。p.63

Question３　未来に重要な点があるとすれば、それは何か？

未来への準備ができれば、あまり心配しないで今現在を楽しむことができる。計画を立てれば、日々の作業を明確に決められるようになる。ロードマップがあるわけだから。おかげで、今現在しなければならないことに専念し、望み通りの未来にすることができる。p.64

素晴らしい未来とは、どういうものか
それを実現するには、どんな計画を立てればいいか
そのために、自分は今何をしているか

計画ができた後は、さらに情報を集め、経験を積みながら、絶えず修正を加えていく必要がある。それでいっそう現実に沿ったものになる。重要な事は、そういう素晴らしい未来にするために、毎日、何かしら行うことだ。わずかな事だっていい。p.65

Question４　Presentに対する過去・現在・未来の関係

現在と言うものの3つの要素を、カメラを支える三脚と考えると良い。うまくバランスを取るための3本の足と。つまり、今現在に生きることと、過去から教訓を学びとることと、未来への計画を立てることの3つだ。足を1本でもとると、三脚は倒れる。だが、3本で支えていれば大丈夫だ。君の人生も同じだよ。もし今現在に生きていなければ、何が起きているか気づかないだろう。過去から教訓を学びとらなければ、未来への計画を立てる体制はできないだろう。そして、未来への計画がなければ、右往左往するだけだろう。現在と過去と未来の三脚によって、仕事や私生活のバランスが取れていれば、状況をしっかり把握することができるだろう。そして、問題にもうまく対処できるだろう。p.68

Question５　どうして老人は若者にプレゼントを教えていたのか？

目的を持っていき、現在と過去と未来についての重要なことに成果を出してこそ、それらが意味を持つのだ。p.76

目的を持って生きると言う事は、何をするかだけでなく、なぜそうするかを自覚していると言うことだと思った。その日その日、起床し、自分と他の人々にとって、自分の行動がどういう意味を持つかを知ると言うことである。p.76

どんな行動をとるかは目的次第である。
幸せになり、もっと成功したいと思ったら、その時こそ、今現在に生きるべきである。現在を過去より良いものにしたいと思ったら、その時こそ、過去から何かを学びとるべきである。未来を現在より良いものにしたいと思ったら、その時こそ、未来への計画を立てるべきである。目的を持っていき、目的を持って働けば、そして今重要なことに成果を出せば、友達や愛する人を導き、世話し支えることができる。p.77・78

さいごに

この本を私が読んだのは３年前くらい。仕事で上手くいかないと悲観していた自分を救うために読んで、とても肩の荷が下りた記憶がある。

２年前にも、自分が担任する生徒が長期間入院することになって、この本を贈った。退院して、めっちゃ良かったです、って言ってくれて嬉しかった。

そして今、４月が始まろうとするタイミングで読んでみた。

とても怖くなったからだ。

新しいチームとうまくやっていける自信が揺らいでいて「心ここに在らず」状態だったのだ。

でもそれは、勝手に悲観していただけなのだ。

現在の喜びを奪うことができるものは2つしかない。過去に対する悲観的な考えか、未来に対する悲観的な考えだ。p.56

ぜひ新生活を目の前にして、ソワソワしている人に読んでもらいたいです。