めぐり逢えたら
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
1993年のアメリカ映画。メグ・ライアンとトム・ハンクス主演。“運命の出逢い” への直感に突き動かされる婚約中の女性と、妻を亡くした悲しみが癒えない子持ちの中年男性。二人が何度もすれ違いながらようやく出逢うまでを描いた、ロマンチック・ラブコメディ作品です。原題 "Sleepless in Seattle"。
メグ・ライアンのこと。
メグ・ライアンは “ロマコメの女王”、“ラブコメの女王” と称され、1980年代~2000年代にかけて、女性が憧れる可愛い女性として数多くの恋愛映画に出演していましたよね♩ わたしも大好きな女優さんです。
わたしがはじめてメグ・ライアンの存在を知ったのは、トム・クルーズの出世作でもある『トップガン』(1986年)。トム・クルーズが演じるパイロット「マーヴェリック」の相棒、「グース」の奥さん役を演じていました。
中でも印象に残っているのは、グースがピアノを弾きながらジェリー・リー・ルイスの "Great Balls of Fire"(邦題:火の玉ロック)を歌う、こちらのシーン!
夫に声援を送るメグ・ライアンが最っっっ高に可愛いです!♡
いかにも “アメリカにいる、陽気でくだけたムードの人”~! という感じ。
特に、夫とのやりとり――
"Hey, Goose, you big stud!"
(グース、イカすわよ!)
"That's me, honey."
(俺のことかい? ハニー)
"Take me to bed or lose me forever!"
(私をベッドに連れてって!)
"Show me the way home, honey."
(いいとも)
グース夫妻のアツアツぶりが伝わってきて、楽しい♩ こんな仲良し夫婦、いいなぁ……♡ 大好きなシーンです。
ちなみに、この時の「グース」が、のちの『ER救急救命室』の「Dr. グリーン」と同一人物(アンソニー・エドワーズ)と知った時は驚きました。
ちょっとタレ目の甘くてキュートな顔立ち。ブロンドのふわふわショートヘアがよく似合う。いたずらっぽい雰囲気がたまらなく魅力的!
当時のわたしは
/
なんて可愛い人なんだろう!!♡
\
と、衝撃を受けました。
ロマンチック・コメディの女王
メグ・ライアンの出演作はたくさんありますが、彼女の魅力が一番輝いている映画といえば、“ロマコメの女王” という異名の通り、やっぱりロマンチック・コメディ! 代表作を挙げるとしたら、このあたりでしょうか。
〇 恋人たちの予感(1989年)
〇 めぐり逢えたら(1993年)
〇 ユー・ガット・メール(1998年)
〇 ニューヨークの恋人(2001年)
ビリー・クリスタルと共演した『恋人たちの予感』、ヒュー・ジャックマンと共演した『ニューヨークの恋人』は、まだ未見なので観てみたいなぁ。
上記4作品のうち、『恋人たちの予感』、『めぐり逢えたら』、『ユー・ガット・メール』の3作は、ロマンチック・コメディの名手、ノーラ・エフロン(脚本/監督)とタッグを組んでいます。
これは “女子あるある” だと思うのですが、魅力的なヒロインが登場するラブコメを観ると、なんとなく気分がアガりますよね♩
きっかけは、一本のラジオ番組だった。
主な登場人物
〇 サム(トム・ハンクス)
シアトル在住の建築家。妻を癌で亡くし、一人息子のジョナと共にシカゴから引っ越してきた。愛妻を失った悲しみから抜け出せていない。
息子がこっそり電話をかけたラジオ番組で、ひょんなことから亡き妻への想いを語ったところ、彼の誠実な人柄に感動した女性リスナーが続出し、交際希望の手紙が殺到。
〇 ジョナ(ロス・マリンジャー)
サムの一人息子。沈み込んでいる父サムの姿に心を痛めており、「パパに新しい奥さんを見つけてあげたい」と、あるラジオの相談番組に電話をかける。
・・・
〇 アニー(メグ・ライアン)
ボルチモア在住の新聞記者。恋人のウォルターと婚約中。実家のクリスマス・パーティーで皆に婚約を祝福され幸せな時間を過ごすが、母から聞かされた両親の “運命の出逢い” の話が妙に心に残っていた。
車を運転中、たまたま流れていたラジオ番組でサムの話を聴き、思わず涙をこぼすアニー。以来、「シアトルの眠れぬ男」(Sleepless in Seattle)ことサムのことがどうしても気になり、心惹かれている自分に気づくが――。
・・・
ここまで主なあらすじを書いていて今あらためて思うのは、序盤の時点ですでに「小説みたいなプロット」だなぁ、ということ。数々のヒット作を生み出した脚本家(1992年以降は監督も)ノーラ・エフロンの手腕がうかがえますね。
往年の映画『めぐり逢い』がモチーフ
本作では、往年の映画『めぐり逢い』(1957年)がモチーフとして使われていて、作中のセリフにも何度か登場します。
〇 原題: An Affair to Remember
〇 主演: ケーリー・グラント、デボラ・カー
〇 監督: レオ・マッケリー
ニューヨークのマンハッタンにある「エンパイア・ステート・ビル」が物語において重要な役割を果たす―― というのも、この『めぐり逢い』へのオマージュ。
いくつかのシーンをちょっと観ただけでも、とってもロマンチックな雰囲気! 気になるなぁ。観てみたい〜♩
主人公アニーは「イタい」ひと?
ここで、メグ・ライアン演じる本作の主人公、アニーについて少し。
感想ツイートにも書いていましたが、
メグ・ライアンの行動がストーカーちっくで怖い。
フィアンセ、可哀想…。
うん、そういう部分も確かにあるのです。冷静に考えると。
・・・
まず、アメリカ東部のボルチモアから西海岸のシアトルまで、“取材” と称してサム(トム・ハンクス)を探しに行ってしまうアニー(メグ・ライアン)の行動力に驚きです!
ボルチモアとシアトルの距離感が、我々日本人にはちょっとピンと来ないかもしれませんね。
――というわけで、調べてみました♩笑
えーっと…… 車で約40時間かかるそうです! 飛行機では 6時間弱。日本発に置き換えると、羽田~バンコク間くらいの所要時間。これは日帰りでは無理そうですね。笑
・・・
わたし、5年前の鑑賞当時は、素敵な婚約者がいるのに「えっ! そこまでしちゃうの?」と、若干の驚きを覚えました。フィアンセの彼も「なんだか可哀想だなぁ」と思いましたし。
ロジカルに物事を捉えるような左脳的思考でアニーの行動を見ると、ちょっと理解不能な “イタいひと” に思えなくもない――。
直感に従うこと。心の声を聴くこと。
でもね。この記事を書いている現在のわたしはというと、アニーの数々の行動に対しても、「ああ、なるほどな……」と、肯定的な共感の気持ちの方が大きかったりします。
本人は気づいていないけれど、そもそも、アニーの心の奥深く(“魂” と言い換えても良いかもしれません)には、
「“運命の出逢い” と呼べるような相手と結婚したい!」
(=絆や縁を深く確信できる関係性に「幸せ」を感じる)
という “本当の望み” が、元からあったのではないでしょうか。
・・・
実家の母から聞いた両親の馴れ初め、
「指先が触れただけで、魔法のように運命を感じた」
というエピソードに、つい、反応してしまったのも、(アニー自身も気づいていない)“本当の望み” に関連していたから。
・・・
ラジオの相談番組で語られるサムの心境(亡き妻への深い愛情)も、アニーの “本当の望み” にリンクするものだからこそ、思わず涙がこぼれたし、ずっと心に留まって離れなかった――。
・・・
エンパイア・ステート・ビルに灯されるハート(♡)を目にした時の彼女の反応も、ちょっと意地悪な見方をすれば “ただの思い込み” かもしれません。
けれど、人がそれぞれに持つ “本当の望み” って、その人の本質的な幸せに直結していて、無視しようとしても消えて無くなったりしないし、それとリンクするような物事に触れる度、
「おーい! あなたの “幸せの鍵” は、ココだよー!」
「ほら、思い出してー♩」
と、つんつん、心をつついてくるんじゃないかなぁ――そんなふうに、わたしは思っています。
そう考えると、アニーは、直感に従い、心の声を聴き、自分の “本当の望み” に気づいて、行動することが出来たんだなぁ、と思うのです。
・・・
大人になるにつれ、わたしたちは「常識」や「理性」という名の知恵を身につけますが、幼い頃は素直に従っていた(幸せを感じるための「羅針盤」とも言える)“本当の望み” に、自分自身ですら気づかないほど巧妙に、フタをしてしまっている気がします。
あなたが感動して、つい涙してしまうこと。
その中に “本当の望み” が隠れているのかもしれません♡
年内の note 更新は、こちらの記事で書き納めになるかと思います。2020年も、映画の話にお付き合いいただき、ありがとうございました!
みなさま、どうぞ良い年末年始を♩
もり はるひ
▼ ロマンチック・コメディの関連作品
▼ 全作品インデックスはこちら
いただいたサポートは、大切にわたしの「しあわせ時間」に役立てます。いつもより多く映画館へ行けるかも♩