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生成AIについての本をまとめて読んでみました。

生成AIについての本をまとめて読んでみました。

写真にもあるようにこの1か月くらいでムック本1冊、単行本6冊の、生成AIあるいはChatGPTについて書かれたものを読んでみました。最初の大きなきっかけは、私も会員となっている放送批評懇懇談会のセミナーイベントが行われたからです!そのタイトルは「ChatGPTを使いこなせ‼放送現場の生成AI攻略法」というものでした。

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マイクロソフトの西脇資哲さんが今実際にどのようにChatGPTを使って番組などが作られているのか?また、ChatGPTを使ってどのように業務を行うことが出来るのか?をリアルタイムで自らのPCでのプロセスを見せていただきながら、自動的に答えが返ってくる様子などを拝見して、ほんま驚きました!いま、ここまで出来るんか!と!そして、その後、民法やNHKなどで実制作に携わっている方々からの質問に答えるというカタチでセミナーが進んで行きました。詳細を書くのはやめてください!とのことだったのでこのセミナーの紹介はここまでにいたしますが、とにかく、この10月25日のセミナーを受けて、ある種の危機感を持つとともに、これからこのツールを使わなければやっていけないのではないか?と確信しました。そしてこうしたテクノロジーに使われるより使いこなして自分のスキルアップにつなげること。さらには、利用することで生産性が上がり、空いた時間でさらに自分が面白いと思うことだけを出来る社会がやって来るのではないか?というようなことを直感しました!実はこの「note」でChatGPTを使って文章を生成してもらったものに対する自分なりの感想を書いたことがあります。2023年の2月くらいに試したことを3月に発信しました。その時の詳細は以下に https://note.com/haruharuy/n/n56c6ce681345

しかし、その後2023年の3月14日にChat GPT4がリリースされました。有料版は20ドルなのですが、その後、大きな資本出資をしているマイクロソフトのブラウザEDGEの中に格納されたBINGを使うとChat GPT4に対応できることを知りました。同時にグーグルが開発したBARDという生成AIも同時に使うようになりました。ということで、今年になってから、特に3月以降はほぼ毎日のようにChat GPTを結果的に利用しているということになって来ました。大学院の仲間は授業でこれを使ってPythonのプログラムを書いてもらうとか画像生成をしてもらい発表のスライドに使っているなど、多くの人が活用していることを知りました!そして多くの方が有料版のChatGPT+の契約もされているということを聞きました。さらにはプロンプトエンジニアという職業が登場し、実際に米国などではその職業が高い年収を提示されて引っ張りだこである、ということも聞きました。プロンプトとはChatGPTに何かを依頼する時にどのように書くと適切な答えを導き出せるか?という「文章を使って問いを立てる」のが仕事だそうです!いかに論理的に具体的に記述していくかということで生成AIから出て来る回答がとても適切なものになっていくそうです!そうして、その「プロンプト」を記述するのを職業にしたのがプロンプトエンジニアという仕事だそうです!
 こんな外部環境の変化があり、並行して米国のハリウッドでは脚本家たちがこの流れに対してのストライキを起こしました。生成AIの登場によって自分たちの権利がなくなってしまうのではないか?自分たちの仕事がなくなるのではないか?映画会社は生成AIで自分たちだけで脚本を書いてしまうのではないか?俳優たちも生成AIの登場で仕事が奪われてしまうのではないか?という事態に発展していきました。確かにジェームス・キャメロンの「アバター」の最新作「シェイプ・オブ・ウォーター」などを見ると、俳優の存在価値を根源から問われてくるというようなことを想像しないわけにはいかないと思いました。私がこれまで働いて来た映像制作の業界の仕事などが大きく変わっていくのではないか?と直感しました。それはハリウッドの脚本家たちだけでなく、日本で制作業務をしている多くのクリエイターたちが感じていることではないでしょうか?レイ・カーツワイルが唱えたAIがヒトを超えていくかもしれないというシンギュラリティが2045年頃にやってくるというお話がありました。当初は創造的でクリエイティブな仕事はそれには取って変わられないという論調が主流でした。しかし、しかし、このOPEN AIの開発したChat GPTなどに触れていくと、クリエイティブな仕事の半分以上はこうしたテクノロジーに奪われていくだろうと確信しました。

 では、私たちは創造的な仕事をどうやって維持することが出来るだろう?と考えたのです!その結果が生成AIのテクノロジーを使いこなして、さらなる創造性の高い領域に行けるような準備をしようということです!AIの進化で分かりやすいのがチェスや囲碁将棋などのルールが決まった知的ゲームです!AIが進化することによってチェス→将棋→囲碁の順にAIはヒトの能力を超えていきました。しかしながら人間は人間同士が競い合うものを見るのがやっぱり好き、ということは現状を見ると証明されています。今年、八冠を達成された藤井聡太さんは、そのAIを対局のための講師として道具として使いこなしておられます。AIを使いこなすことによって自らの能力をさらに高いレベルへ上げていこうとする人がこうしておられるのですから、私たちもこうした若者に学んで使いこなす技術を学んでいきたいと思ったのでした。

 そうして11月の約1か月をかけてこうしたムックや単行本を読ませていただきました。大学院に通って大きな収穫を得たと実感したのは、こうした書籍を読むのがとても速くなったことです!もしかしたらこうした書籍の電子版などを購入すれば生成AIで要旨をまとめてくれるのかも知れません。それでいい人はいいのかも知れません。私は、これを自ら読み終えることで自分の中に無意識に積み重ねられたものがある閾値を超えることで「おおおおお!わかったあああ」というようなレベルになるまで肚落ちしたいというのがあり実直な方法で読破させていただきました。写真の左から右へとかけて読んでいきました。

 まずはムック本「ChatGPT&生成AI 最強の仕事術」(@日経BPムック)というもの。ムック本だけに図解がされていてわかりやすく仕組みを可視化されています。そして現在使える生成AIの種類やそれにともなうアプリなどの紹介が網羅されておりとても分かりやすく、しかもビジネスマンに向けて書かれているので仕事をされている方にはとてもいい入門書だと思います。

 続いて、堀江貴文さんを中心に書かれた「ChatGPT vs 未来のない仕事をする人たち」(@サンマーク出版)を読みました。ここでは超合理的な考え方をする堀江さんが語ったこと、そして4名の方、深津貴之、緒方憲太郎、佐藤航陽、茂木健一郎さんたちと対談した内容がまとめられています。堀江さんの大胆な推測などもありかなり過激な内容になっているのかも知れませんが、ここで言われていることは方向的には確実に起きるであろうことが書かれています。そして堀江さんのおっしゃっていることでいつも共感するのは「遊び」が「仕事」になるんだよ!ということです!「仕事」は辛いものではなく大変かもしれないけど面白い真剣な「遊び」である。そしてChat GPTなどの登場でその考えが加速するというお話はまさに当意を得たり!という感じでした。本書ではイラストで「ChatGPTとAIで変わる未来地図」というのが書いてあります。私の仕事に通じるものですと「AIがストーリーを作る」「無人で番組制作」「マンガや映画を1人で大成功」などと書かれてあり、とても刺激的でした。

 続いて「生成AI 社会を激変させるAIの創造力(@SBクリエイティブ)というものIT業界に詳しい自称「新サービス探検家」の白辺陽さんが著書です。落合陽一推薦という文字がタイトルと同じくらいの大きさで帯に書かれています。しかも金赤で!本書は「生成AI」の現状とこれからを読み解くのにとてもいい入門書だと感じました。しかも印刷がカラー印刷なので生成した画像などが詳細なカラーで印刷されておりすぐに感じることが出来る仕立てになっています。中でもクリエイターの仕事の工程を示され、前工程(企画や方向性を決める)→中工程(実制作での試行錯誤)→後工程(何を選びどうブラッシュアップするか?)とあるがクリエイターが関与するのはこれから「前工程と後工程」だけになるだろう!と書かれていました。納得至極ですが、ということは企画や方向性を決めて何を選ぶのか?という今でいうところのクリエイティブディレクター的な仕事に多くが置き換わっていくのかも知れないと思いました。そしてその能力を身に着けるのは高めるにはどうすればいいのか?を考えなければいけないな!ということも教えていただきました。さらには顧客様などの人とのコミュニケーションを取るのは人間しか出来ないということも強調されており、そこから何を感じ取ってどの方向に持って行くのか?ということがとても大切なことになるということでした。ガチコミュニケーションせなあかんで、ということなんやないでしょうか?
 
 本書を読み終えるタイミングで福岡空港に居ました。空港にわりと素敵な書店のTSUTAYAがあり(奥がカフェスペースになっており、下北沢に出来たTSUTAYAと似た構造)何か生成AIに関する新刊はないかな?と探していて置いてあったのが、次に紹介する「ChatGPTは神か悪魔か」(@宝島社新書)という激しいタイトルの新書でした。本書の発行は2023年10月です。落合陽一、山口周、野口悠紀雄、井上智洋、深津貴之、和田秀樹、池田清彦という錚々たるメンバーが執筆したものをまとめたものです。1940年生まれで今年御年83歳になられた野口さんから1987年生まれの30代半ばの落合さんまで幅広い人選です!特に野口さんがこの御年でChatGPTに向き合っておられるなどを知ると、やはり新たなことに挑戦しようとするのは年齢とか若さだけではなくて個人なんやなということを実感させられます。本書の中では個人的に山口周さんが書かれていることに大いに共感しました。「生成AIはモーツアルトに勝てない」という見出しでやはり圧倒的な天才や芸術家の域には生成AIは決して達成できないのだということ、そして、「AIによって芸術は二分化」という見出しが続き、その中で「芸術やエンターテイメントに関していうと、今後AIによって淘汰されるのはBランクの作品を作る仕事でしょう」と言われています。現在もTVCMを生成AIを使用して作った事例がいくつか登場して来ました。

キンチョーのCM https://www.youtube.com/watch?v=gkANssb1tKk

伊藤園のCM https://www.youtube.com/watch?v=DEoG1NCdmdY

サントリーCCレモンのCM 

PARCOのCMなどです!

これらを見ても「「前工程と後工程」が大切なんやな!ということが良くわかりますよね。
なのでこれからこうしたクリエイターを目指す人たちはやはりAランクの創造性をということが問われて来るんだと思います。同時に消費される創造物は生成AIにやってもらうのでええんとちゃう!?ということも山口さんはおっしゃっています。

 続いて、かなりの大作でもあり内容が濃かったのが「生成AI「ChatGPT」を支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか?」(@ダイヤモンド社)というものです。著者は東大理学部物理学科出身の小林雅一さんという方です。アカデミックな知見なども書かれており、生成AIの神髄とは何か?ということを考えさせてくれるものでした。そして、こうしたものを読んでいると生成AIの仕組みは人間の脳のニューロンのつながりを模している構造なので、その量が人間のレベルに近づいていけばある種の大きな進化が起きるのではないか?とも思うのです!人間が言葉を持ち、それによって知が受け継がれ蓄積されるようになっていきました。その知の集積がある閾値を超えると大きな進化が生まれるという仮説は決して絵空事ではないと思うようになりました。その時にどのように私たちは生成AIと向き合うのか?という倫理観が大きく問われる時代になっているんだと思います。本書では特に第7章の「生成AIが突きつける「創造性」の本質-AIの作品を私たちは本当に愛せるのか?」というところで書かれていることは哲学的に芸実や創造性について突き詰めて書かれているのでとても興味深く読みました。中でも文中である編集者(※編集者はプロデューサーととても似た仕事だと思います:個人の感想ですが)が生成AIの作成した作品は「超平凡(Super pedestrian)であるというくだりは現状の生成AIの実力なのかも知れません。そして、この能力が進化するのか?この状態で横ばいなのか?ということによっても未来は大きく変化するのではないでしょうか?

 本書を読み終わって、その勢いで一気に「ジェネレーティブAIの衝撃 80%の仕事が影響を受ける 未来を塗り替えるテクノロジーの波に乗れ」馬淵邦美:著(@日経BP)を読みました。いろんな生成AIを分類しメリットやデメリットなどが図表になってまとめられています。ここではいち早く生成AIを取り入れたパナソニックコネクトの事例などが紹介されています。と同時に具体的な職種が今後、どうなっていくのか?どこが生成AIに置き換わりどこが置き換わらないか?などが説明されています。こうして生成AIに関する本を何冊も読んでいくと共通して書かれていることも多く、そこはひとつの真実なんやな!ということがわかります。と、同時に、本書でしか書かれていないことなどもあり、その幅や深さが付加されていくことも感じました。人間と直接接してコミュニケーションできるのは人間だけ、そこは絶対AIに出来ないというのは共通した知見です!AIの話をすると必ず人間の「身体」あるいは「身体性」という言葉が登場します。人間は身体を持って脳と身体が連携して統合的に考えたり行動したりするものだ!ということです!この前提から何が見えてくるのかわかりませんが、とにかく手を動かしてみるみたいなことから新たな発見などが生まれることはみなさんも経験があるのではないでしょうか?そこの部分に人の強みがあるのか?では、その強みをどう伸ばすのか?そのために生成AIをツールとして活用できる方法があるのか?などと言うことをこれからさらに深堀して考えてみたいと思いました。

 最後に読んだのは「ゼロからはじめる、なるほど、Chat GPT 活用術」マイカ:著(技術評論社)。本書はまさに生成AIを使っていろんな事例を想定しその場合にはどのような呪文を唱えるのか?(※プロンプトを書くことを呪文と言うのを初めて知りました)
言い換えるとどのように日本語でお願いする文章を書くのか?ということに対して具体的事例が書かれているといういわば「マニュアル書」のようなものです。さすが技術評論社らしいものでした。これは何かあった時に検索して使用するという役立ち本としては重宝するのかも知れないと思いました。
 
 このように7冊のムック・書籍を読んでみて、これから確実に生成AIを利用した変化が加速していくだろう実感を持ちました、11月末にOPEN AIのアルトマン氏が解任されマイクロソフトへ!という報道の数日後、多くのOPEN AIの従業員の希望によってアルトマンが復帰したというニュースが流れました。マイクロソフトから1兆円を超える資金援助を得たOPEN AIは今後Chat GPT5と進化させたサービスを行っていくのでしょう。その時に大事なのはやはり大きな意味での倫理観であるということも良くわかりました。フェイク画像や動画、そして著作権侵害などの課題があります。それらのリスクを念頭に入れながらどのようにバランスを取っていくのか?人間の好奇心は、人間の欲望の一つでもあります。それは誰にも止められない。そのグリードとも言える強欲さが強くなってしまうと破綻するというリーマンショックの事例の歴史なども踏まえて、私たちは疑いながらも受け容れそれを活用し、社会が地球がこの宇宙がより善くなることを行わなければ、あかんのやろう!と感じたのです。さらなる生成AIに関してのことはまた、ここに記述していきたいと思います。

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