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2022年10月の記事一覧

鈴木大介『されど愛しきお妻様』

鈴木大介『されど愛しきお妻様』

『打ちのめされるようなすごい本』というタイトルを聞いたことがある。そういう本があるとしたら、私にとってはこの本だ。
鈴木大介『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』(講談社)。「書ける」ことって凄いことだと、打ちのめされるノンフィクションだった。

著者は主に若者の貧困について取材を続けてきたルポライター。発達障害を持つ「お妻様」との出会いから同棲、結婚、そして自

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サンドラ・ヘフェリン『ほんとうの多様性についての話をしよう』

サンドラ・ヘフェリン『ほんとうの多様性についての話をしよう』

『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』など、「ハーフ」について執筆しているサンドラ・ヘフェリン氏による最新刊。「多様性が~」と言われるなか、今の日本ではどうなってるの?と「ハーフ」や移民をめぐる日本の状況について書かれている。中学生くらいからでも読みやすいと思う。

ことばへの違和感 「ことば」や反応に対する違和感について丁寧に書かれている。例えば、「白人」の見た目だと英語で対応されてしまうこと、

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