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第2回リモートワーク・カルチャーの土台づくり

こんにちは。リモート×プロジェクトベースの働き方 ナラティブベースのハルです。この記事は「リモートワーク ・カルチャーのつくり方」の2回目の連載となります。

リモートワーク ・カルチャーをつくりはじめるにあたり、まずは前回の記事でお伝えした「目的の共有」「関係性の構築」「個人の自律」「チームの自律」の4要素の知恵(ナレッジ)を組織やチームから取り出すための土台づくりについてお話ししたいと思います。大きく分けると、オンラインコミュニケーションの工夫と、そこから知恵を取り出し可視化する手法の2つ。今回は1つ目、土台となるオンラインコミュニケーションの工夫についてお伝えします。

カルチャー共創のベースをつくる

カルチャーをここでは(前記事でお伝えしたとおり)「そのチーム(組織)が当たり前として意識し、意義をもって繰り返していること」と定義しました。ルールとも指示とも違うものですから、誰かに命令されて行なうものでも、人に強制して行なってもらうものでもありません。かといって自然発生的に起こるものでもないのです。

では、カルチャーはどのように起こるのか?それは、組織やチームの日常の中で、仕事を進めるためのコミュケーションや、何気ない会話で行われる「価値観のすりあわせ」によって時間をかけて出来上がります。そしてそれに必要なのは、当たり前のようですが「信頼関係の醸成」です。

いかにも時間がかかりそうで、面倒くさそうな話ですが、意識して作り上げるために、良質で効率的なコミュニケーションを重ねる工夫をすることはできます。特にオンラインのコミュニケーションはリアルと違い「価値観のすりあわせ」や「信頼関係の醸成」が難しいという印象をお持ちの方も多いでしょう。そこで、ここではナラティブベースが実践しているオンラインのコミュニケーションを質を落とさず重ねる工夫をいくつかご紹介しますので、「オンラインやリモートワーク となるとコミュニケーションがどうも・・・」という方はヒントにしていただければと思います。

会話が聞こえるオンラインの場

今は、オンラインのコミュニケーションツールも様々なものがありますので、グループ、チームごとにタイムラインやスレッドを作り、目的に合わせてやりとりをする環境を簡単に作ることができます。それぞれスレッドの参加や権限、通知の有無など、細かい設定を意図的にすることで、実はリアルのオフィスのようにコミュニケーションの距離感を調整することが可能です。例えば、その使い分けをリアルに例えるならこんな感じです。

■急ぎの仕事は近くまできて声をかけてもらう!
→自分がメンバーとして関わっている仕事や重要な連絡の入るスレッドは、ブックマーク(やスターをつける)などし、かつ通知をオンにすることで、すぐに気づき反応できる環境を整えます。
■ちょっとだけ様子をみておきたいことは遠くで聞こえる程度に…
→関連性のある仕事、興味のあるプロジェクトなどのスレッドは、様子を知っておきたいという目的をオーナーに伝えて参加者に加えてもらいます。このとき通知をあえてオンにしておくことで、通知表示を横目でみながらなんとなく動きを把握しておき、見たいときに見たり、通りがかりに話しかけたり(コメントする)こともできます。
■ときには雑談に加わる♪
→雑談用のスレッドをカテゴライズしていくつか設けておくことで、どの仕事にも関係なかったり、該当するスレッドがなく急ぎでないこと、情報交換などを促進できます。

ナラティブベースではSlackをメインのコミュニケーションツールとして使っています。スレッド(Slackではchannel)には、名前の付け方にルールがあり一目で何関連のスレッドかが分かるようになっています。そのため、通知をたくさん設定していても「すぐ反応するもの」と「横目でみるもの」をぱっと見で区別し判断がつくのです。

雑談のカテゴライズにも工夫があり、「#goodnews」「#bookreview」「#knowledge」「#zatsudan」など、ちょっとシェアしたいな、話したいなという内容によってゆるく話題を分け、あとから眺めたときにも情報が見やすく、会話に参加しやすい工夫をしています。

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その他、オンラインコミュニケーションのコツを「リモートワーク でも生産性を落とさない5つのコツ」という記事にもまとめましたので、参考になさってみてください。

顔合わせが目的のリアルの場

こういった工夫をしながらオンラインで生産性や質を落とさずコミュニケーションを重ねることはできます。ただし、「価値観のすりあわせ」に必須となる自己の価値観の開示には「信頼関係の醸成」が必要ですし、それをスタートするには、最初に人となりを確認したり、要所要所で顔を合わせておく必要があるでしょう。そういったオンラインではどうしても補えないリアルにしかできないこともしっかり抑えておく必要があります。以下はナラティブベースでオンラインに置き換えないコミュニケーションの例です。(ここでは、対面が必要なサービス業や特定の場所で行わなければならない業務の職業を省いてお話ししています)

■人となりを確認したい
→初対面や、初めて同じチームになるときなど、その人の雰囲気や話し方などを確認できると、そのあとのオンラインコミュニケーションはずっとスムーズです。
■実感・体感を得たい
→キックオフや中間レビュー、打ち上げ、発表など、区切りとなるタイミングでは実感・体感を得るためにリアルを使います。
■余白も含めた対話を大事にしたい
→キャリア面談や相談、内省を含んだ振り返りなど、沈黙の時間や相手の表情を見るなどが重要な余白を含んだ対話が必要な場合。

しかし、逆に言えば上記のようなポイントを押さえてしまえば、あとはオンラインでも事足ります。なるべく「オンラインでOK」なコミュニケーションを増やすことで、リモートワークはより快適になり、移動時間を仕事時間に割り当てられたり、パラレルでコミュニケーションできるなど、リモートワークによる効率改善のメリットを十分に享受できるでしょう。

オンラインはカルチャー共創を加速する

オンラインコミュニケーションによる業務進行は、慣れなかったり、コツが掴めないうちはコミュニケーションコストがかかるように感じますが、工夫を重ねるうちに、リアルよりもずっと(互いに時間を削り合わない)良質で効率的なコミュニケーションが取れることに気づくはずです。つまり、その分たくさんのコミュニケーションが取れるということです。自然な醸成を待っていては長い時間がかかるカルチャー共創の土台づくりも、オンラインをうまく活用することでその期間を短くすることさえできるのです。

次回は、土台のコミュニケーションが重なった中から、そこに生まれたカルチャーを取り出し可視化する方法についてご紹介します。

※ナラティブベースでは、リモートワーク・カルチャー構築のコンサルティングや環境整備などもお引き受けしております。ぜひお問い合わせご相談ください。>お問い合わせ

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