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#08 「働き方」のショーケース

こんなのもあり。あんなのもあり。

「ひとりでスーパーマンになれないのなら…」と同様、創業期に別のメンバーが言ってくれた印象的な言葉があった。「ナラティブベースは働き方のショーケースみたい」。まわりの働き方や、キャリアの積み方をみていると、「あんなのもありかな?」「こんなのもあるんだ!」とワクワクするし、勉強になると。

信頼関係でつながっている人を誘い、その人ができることを依頼するというスタイルから、ナラティブベースにはいろいろな職歴・職能をもった人たちが集まっていた。わたしはWebサイトのプランニング・ディレクションができたし、ある人はリサーチ設計や分析、ある人は編集・ライティング、ある人はプロジェクト管理が得意だった。また、本業が鍼灸師で日中は患者さんと接しているが夜はまったく別の頭を使う仕事がしたいと、前職のスキルを活かしログ分析やレポーティングの仕事をしてくれている人もいた。

勉強会のワナ

そうなってくると当然、どうにかそれぞれのスキルを学び合おうと勉強会なるものを開いたりしはじめた。「リサーチ勉強会」だったり「ライティング勉強会」だったり。出席率はすこぶるよく、みんな大満足で、教える方も自分の知識の棚卸しができたと大好評だった。

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しかし、これは落とし穴だということにすぐに気づく。汎用性高くまとめられたノウハウは実践に落としにくい。その上、すぐに使える実務シーンが全員にあるとも限らず、いざという時にすぐに出ない。引き出しに入れたことの満足感が強いと意外と奥に入って出てこない。勉強会あるあるだ。

学び合って仕事を増やすには?

やはり、「スキル」とは、現場ですぐにパフォーマンスして信頼につながるものでないと意味がない。スキルごとに分解されたノウハウは、見た目はグッドで頭に入れた満足感も高いが、見た目をグッドにしなくても、その場でパフォーマンスすればよい。そして、なんならそれは「何のスキル」か説明できなくてもよい。わたしの中ではそんなふうに考え方が変わっていった。

もちろん、それぞれの仕事に必要な基礎スキルはあるが、それはそれでインプットしつつももっと互いに学び合える方法はないか?そう考えると自然と「学び合い」は仕事の実践のなかでの「マネし合い」になる。

当初、チームで仕事を依頼しあう際に注意していたことがある。それは手段を相手に選ばせることだ。(↓当初書いた窓際に貼ったメモ)

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例えばこんなふう。

「目的、課題はこうで、こんなやり方が適してるんじゃないかと思う。でも、それはわたしのやり方なので、もしかしたら○○さんなら別のやり方を知っているかもしれない。やりやすいやり方やこの方がよさそうというやり方があったら是非そちらでやってみて、やり方を教えてほしい」

そんな依頼をあえてした。そうすることで、相手のスキルを盗み見ることができる、そしてなにより主体性を持って取り組んでもらうことができる。

このやり方のいいところは、メンバー同士の信頼関係が生まれるばかりでなく、クライアントにとっては手段も任せられる頼れるチームが育っていると感じてもらえることだった。このコツは勉強会よりずっとパフォーマンスし、今はナラティブベースの中でも当然のように行われる文化になっている。

つづく

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