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決して混ざることないその色たち

「青がいい!」
初めての自転車。女の子だしピンクが…と言う両親に、私はそう言った。

私の名前にも、「青」が入っている。正確には、「晴」。
名前の読みから春生まれと間違えられるけれど、1月、冬生まれ。
年が明けてまもなくのある日、午前11時。病室の窓から差し込む日差しがとてもあたたかい日だった、と母はいう。

それから早20数年。
汗をかきながら、島を自転車で巡り、青空と潮の香りと、砂浜と…そこにある景色を全身で堪能するのが好き、そんなおとなに育った。海のない土地で生まれ育ったことが、よりそれらへの憧憬を強くさせたのだろう。

海の「青」と空の「青」。
決して混ざることはないその色たち。
日差しを背負い、ペダルを漕ぐ私にそっと手招きするように、誘い込む。
「青」が創り出す世界観は、決まって私を高揚させる。

何度でも出会いたくなる、そんな景色なんだ。


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