見出し画像

食の覆面調査員

こんばんは。

日常ミステリーというジャンルの『菜の花食堂のささやかな事件簿』シリーズを先日ご紹介しました。
最新刊はこれまでと少しテイストが異なり、お料理教室でのシーンがなく登場人物のプライベートや食との向き合い方にフォーカスした話が中心の短編もあり、従来のシリーズ作とは一味違った切り口も楽しむことができました。


昨年以来、書店に立ち寄る機会が激減したため、数年前に前作を読んでいて、続編が出ている小説を見落としていることも。
今週の仕事帰りに見つけた続編がこちら。

『星をつける女』の2冊目です。
いわゆるミシュランの格付け時のリサーチ業務を受託する企業のオーナー社長が主人公。
食の覆面調査員や飲食店の抜き打ちチェックに興味のある方におすすめしたいお話です。

累計12万部突破『握る男』、大人気シリーズ『ヤッさん』著者が描く食小説世界的な「食のガイドブック」の元「格付け人」、牧村紗英。
会社を辞め、飲食店の格付け事務所を立ち上げた彼女は、日仏ハーフの娘を持つシングルマザーでもある。
主な仕事内容は、人気店の覆面調査。
元麻布の高級フレンチ、池袋の行列ができるラーメン店、白浜の料理旅館。
けれど絶品料理が自慢のどの店にも「裏の顔」が……。
絶対的な味覚と調査能力で、彼女がつける「星」の数は?
食小説の手練れによる新ヒロイン登場!

一冊目の後半でメンバーが増えたので、きっといつか続編が出るのだろうと思いつつ、忘れた頃に見つけました。
3月の新刊なので、しっかりと並べて下さっていた書店員さんに感謝!

前作の調査過程で出会ったメンバーも主人公の会社に加わり、さらに賑やかになった「牧村紗英イート&リサーチ」。
効率が悪いと言われようとも、納得のいくまで徹底的に調査する姿勢は、まさにプロの仕事人。
高いから、人気があるから美味しいとは限りませんが、飲食業界の経営が厳しいご時勢に読むと考えるものがあります。

累計12万部『握る男』、人気作『ヤッさん』著者が描く新ヒロイン第2弾!
世界的な「食の格付け本」の「格付け人」、牧村紗英。
退職して独立し、シングルマザーとして働く彼女が、絶対的な味覚と知識を駆使し、グルメ業界の闇を暴く!本日の調査対象は人気厨房に酒蔵、そして鮨!

みなし自醸、合法的な密漁。
今回も業界の闇と金に迫る。

決して妥協しない、忖度しない主人公の姿勢は、社会に出るとなかなか正論を通すことが難しい現実と比べるとフィクションだからこそという方もいるかもしれませんが、スッキリとした読了感に満足な一冊。

最近、振り返ってみるとシリーズを通して読んでいるのは、仕事や食に関する小説が多いことに気づきました。
リアルさはありつつも、創作であるが故の現実ではなかなか難しいキレイな問題解決。
ままならぬ現実を知ったからこそ、フィクションの世界にはハッピーエンドを期待したくなる。
そんな方にもおすすめの小説です。

この記事が参加している募集

サポートして頂けると嬉しいです。あなたの応援が励みになります♪