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テレキャスターの飾られた店でハンバーガーを食べていた。
これが連休最後の晩餐になりそうだ。
外に出たいとあれだけ強く決意したものの、朝起きてから数時間は外に出る目的をずっと考えていた。
見つからない。
そうして午前中が終わっていく。
このまま午後もずるずる終わっていくのかと、既に連休に別れを告げようと思っていた。
なんかしない?
突然友人からLINEが送られてきた。
神かと思ったが、おそらく類は友を呼んだだけである。
お互い目的はなかった。でも外に出る口実は見つかった。
二人が好きな街で合流した。
適当なカフェに入って適当な時間を過ごした。
その後適当に散歩して適当に春の風を感じていた。
こんな休日の過ごし方も悪くないと最近は思っている。
街の匂いや風景をいつもより細かく見るだけで、何度も見たはずの場所が新鮮に感じられたりする。
ガンダムがいた。
詳しくはよく知らない。
でも父親が好きだったことは知っている。
この写真を送ればちょっとは元気になってくれるのだろうか。
どうせならこの機体に乗って地元まで連れてってほしいと思った。
夕日が沈み始めた。
もうすぐ今日が終わる、やり残したことはないかい
友人が黄昏ながら口ずさんだ。
やり残したことなんてたくさんある。
でも何をやり残したのかは思い浮かばない。
休日の最後によくあることだ。
死ぬわけでもないのに、明日からは何もできなってしまう気がして焦ってしまう。
それくらい自由の利かない平日は、向暑はるにとって恐ろしいものだと無意識に感じている。
夕日が完全に沈んだ頃、小さなレストランに入った。
休日という寿命が消えかかっている中、これが最後の晩餐になることを知った。
なぜか分からないけど、これまで食べたハンバーガーの中で一番美味しい気がした。
キリストが食べた最後の晩餐も生涯一番美味しいと感じたのだろうか。
明日からまた社会に処刑される日々が始まる。
雷でも降ってきて処刑を逃れられないだろうか。
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