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それでも奇跡みたいなこと。妊活~妊娠~出産

現在、妊娠9か月。
いよいよ、出産が間近にせまってきたこのタイミングで、これまでの状況や感情などを振り返っておこうかなと思う。

こどもをもつ未来が想像できなかった

もちろん望んで妊娠したのだが、私は長らく子供を持ちたいという願望がとても薄かった。
結婚する前もそうだったし、結婚後もあまりリアルには想像できずにいた。
周りの友人から、育児がいかに大変かをさんざん聞いていたからかもしれないし、子供もそもそもそこまで好きじゃないし、仕事したり、旅行にいったり、自由に過ごせる生活が心地よかったので、そこまで子供をもちたい気持ちになれなかったのが実際のところかなと思う。

ただ、女性というのは、本当に生理が始まったころから、いつかは子供を産むもんだ、という刷り込みをえらく長い間受けてきているとおもう。腰を冷やしちゃいけないよ、とかもね。
小さい頃は、いつかは自分も子供を産むんだろうと漠然と考えてきた。
だが、実際に適齢期になっても、それはいつかのまま、なんとなく自分と距離があるものに感じていた。

こんな状態で、なんで子供を望むようになったかというと、本当に身も蓋もないが、好奇心の一言である。

ものすごく痛いといわれている出産とはどんなものなのか、生まれてきたときにどんな気持ちになるんだろう?

そもそも妊娠中って生理がなくてラクそう(これは大きな勘違いだとのちに知る)

一度しかない人生、「妊娠」「出産」という大きなライフイベントをこの身体で経験してみたい、というのがかなり正直なモチベーションだった。

そんなわけで、夫とも相談し妊活をスタートすることになる。

こどもはそう簡単にできない現実

妊活妊活、と巷ではよく聞くけど、むしろ自分のなかには、「きちんと避妊しないとすぐ赤ちゃんができる」という恐怖心のほうが根強く染みついていたと思う。なので、これまでそこそこ健康に生きてきたし、避妊さえしなければ、まあできるでしょうとタカをくくっていた。
しかし、まあ~~~できない。
よくよく調べてみると、ひと月のうちに妊娠する可能性があるのはたった2,3日のみ。しかもその日をずばり予測することはとても難しい(病院で調べてもらえば、かなり確実にわかります)。
たとえ、その日を狙っていたとしても、卵子のなかでも受精能力のある卵かどうか、精子が卵子にたどりつくほど元気かどうか、受精できるか、着床できるのかどうかなど、本当に様々なハードルを乗り越えてやっと妊娠することになる。
つまり、単純に奇跡だということだ。
妊活のつらいところは、頑張っても頑張っても努力が結果に結びつかないこと、先行きの不透明さだった。
仕事をどうするべきか、とか子供ができたらどんな生活か、なども妊娠しないことには計画のたてようもなく、何を優先順位におくのかが、曖昧な状態が、私にとってはとてもストレスだった。
今、改めて妊活のことを発信しているSNSなどをみても、金銭的な負担や精神的な負担がとても大きいことがひしひし伝わってくる。
私も何度も自問自答した。
「こんなに時間をかけて、本当に自分の子供がほしいのか?」
「養子とかじゃだめなのか?」
「2人と一匹で生きていく選択肢に後悔はないのか?」

友達にも相談したら、不妊治療は早いほうがいいことや、ストレスなく取り組むほうがいいとか、色々アドバイスをもらった。

結果的に不妊治療に進むまえに自然妊娠で授かったのだが、不思議と色々なことを吹っ切れたタイミングで妊娠したように思う。

なので、確かにストレスは大敵なのかなと思うが、現在の不妊治療はとても質が高いので、一刻も早く子供が欲しい人は早めに検討したほうがやはりいいんだろうと思う。

陽性反応からの妊娠生活

はじめて妊娠検査薬で陽性反応をみたときに、なぜかとても落ち着いている自分がいた。多分、これはうまくいく気がする。
というのもその前に化学流産、という受精したけど着床できなかった、というものを経験していたからだ。
そのときも同じく妊娠検査薬で初めて陽性をみて、びっくりしたけど、すごくうれしかった。けどどんどん線が薄くなっていって、そのまま何事もなかったかのように生理がきた。
その時の落胆と線の薄さを覚えていたからかもしれない。今回も喜びすぎて今回もぬか喜びなら辛すぎる、と自分を無意識に抑えていたのかもしれない。
そこから、はじめて産科にいくまでの期間はものすごく長く感じた。早く行き過ぎても心拍が確認できないから、あと診察代をすこしでも減らしたいという倹約精神もあいまった結果だった。
結果は、一回目で無事に心拍確認。
病院をでて駅まで向かう道すがら、自然と笑っていたのに自分で気づいて気まずいやら嬉しいやら。

なってみないとわからなかった妊婦の苦労

つわりの開始

喜びもつかの間、それからしばらくすると、恐れていたつわりがスタート。
なんか、匂いが…?と思いはじめたら、一気においしそうな匂いがことごとくだめになった。いわゆる匂いづわりというやつで、炊き立てのごはんやコーヒー、にんにく、出汁の匂いなど、普段は大好きでおいしそう~と思う匂いがほとんどだめになった。挙句の果てに夫の匂いもだめになった。

自然と匂いのしないものしか食べられなくなり、真冬なのに、冷たいうどんに梅干し、焼かない食パンやサンドイッチ、リンゴなど冷たいものしか食べられず、ものすごく辛かった。
しかもたべづわりといって、少しでも空腹感を感じると気持ち悪くなるつわりだったので、15分~30分に1回は何かを口にいれていないと気持ち悪くて、ずーーっとリンゴとかゼリーとか、スポドリを口に入れていた(ふるさと納税でリンゴ頼んでおいて本当によかった!!!)

家からほぼ出られず、パソコンや本などを見ると船酔いしているみたいに気持ち悪くなるので、横になってずーっとテレビでドラマをみていた。

幸い?年末年始という長期休暇の期間だったので、仕事をセーブして休めていたのがよかった。
大体1か月半から2か月くらいはかかったかな?
少しずつ食べられるものが増えてきて、気が付いたら、なんでもモリモリ食べられるようになっていた。そして、つわり期間中にあんなに辛かったのに、終わってみると、本当に思い出すのも難しいくらいその辛さを忘れている自分にもびっくりした。出産も全体痛いはずなのに、何人も生むお母さんたちをみて、「痛いの覚えてないのかな?」と思ってたんだけど、こういうことなのかな?と思う。

妊娠糖尿病?!

やっとつわりも終わって、身体も楽になったぞーーー!という矢先に、妊娠糖尿病と診断される。え?なにそれ?
とりあえず糖尿病内科いってくださいーといって、全然詳しい説明もフォローもないまま放り出されて途方に暮れる。
モンモンとしながらも、色々調べてみると、妊婦の10人に一人はかかるといわれている、妊娠中の糖代謝異常のことで、妊娠中は胎盤の働きによってインスリンとよばれる物質がでにくくなるらしい。結構体質によるらしく、私は身内に糖尿病患者もいなかったので、謎だったけど、とにかくまずは血糖値が急激に上がらないような食事にして、食事でコントロールしていきましょう、ということになった。
血糖値を図るために針を刺して血を取る作業を一日に9回(!)やらなければならず、ご飯の量やたべるもの、食べるタイミングを一日5食にするなど、なかなかに煩雑な作業だった。私は割と初期に診断が下ったので、この生活を半年くらい継続してきたのは、本当にえらいと我ながら思う。
割と中期から後期にかけて妊娠糖尿病と診断される妊婦さんが多いらしいけど、私はわりと初期からだったので、かえって生活のルーティンも自分なりにつかんでいたことは、ストレス回避という意味でもよかったかなと思う。
それに、食事も、基本は炭水化物や糖が多く含まれているものに気を付けないといけないのだけど、野菜から先に食べることや、ゆっくり時間をかけて食べることなど、割と健康面でも大事なことを実践することになったので、できれば、出産後もこころがけてはいきたい。(でも産んだらラーメンはたべたい)
幸い、インスリンをうつことなく、食事だけでここまでコントロールできてきているので、最後までこの調子でいきたいとおもう。

妊娠後期の様々なマイナートラブル

特に妊娠後期になってくると、お腹の重みでまず、全然長いこと立っていられなくなる。電車にのるのがこわくなってきて、できるだけ、座れる時間帯に乗ったり、長時間乗らないようにしていた。妊婦に優先席といわず席を譲るのは本当に大事!自分が妊婦になってみて、はじめて身体の辛さがわかった。しかし、全然譲ってくれないけどね…。
大きくなった子宮に圧迫されてほかの臓器がいろいろ悲鳴をあげはじめる。息がしずらくてすぐ息切れしたり、頻尿になったり、腰が痛くなったり、足がすぐつったり、ほてりがでたり。病気というほどじゃないけど、どこかが常に傷んでいる…。そりゃそうだ、通常時の倍以上のホルモンをだしつつ、体重も10kgくらい急激にふえるので、身体全体への負担が半端ない。
嬉しい胎動も、初めのうちはポコポコとかわいらしい限りだけど、後期ともなってくると、妙に重たいパンチやキックを脇腹やあらゆるところに頻繁に繰り出してくるので、思わず「おぅ…」と声が出てしまうくらいの衝撃。
一体お腹の中で、どんな祭りをしているやら…

不思議と発見だらけの短い妊娠生活

妊娠生活の感想は、ひとことでいうと「なってみないとわからないことがたくさんある」だ。

幸せそうで、にこにこ穏やかなのが妊婦だとイメージしていたが、想像以上に身体への負担も大きく、急激に自分が外見、内面ともに変化していくことに戸惑いと驚きと発見の連続だった。
正直、この9か月で母性があらわれてきたかというと、全然実感はなく、まだまだ子育てにリアリティがもてないままだけど、マイペースで進んでみようと思う。
いきなり母になんかなれないし、自分はある意味一生自分のままなんだと思うけど、それでも一人では経験しえなかったこの日々を過ごせたことには、赤ちゃん、そして家族にとても感謝している。
今年の目標は「母子ともに無事に出産を終えること」これだけ!
出産という最後の大仕事がまだ待ち構えているけど、最後まで気を付けつつ、マタニティライフを過ごしていきます。


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