月 壊れた心 青空 信念 愛 この世界は全てが残酷なほど美しい。演劇を観ることは…【生きること 死ぬこと】
プロローグ
こんばんは、お久しぶりです。お元気でしたか?
最近は寒暖差も激しい中各地で桜が咲き始めて外を歩くだけで華やかな気持ちになれます。
今回は1ヶ月ぶりの執筆で、今日までの間演劇作品を劇場で観劇や配信視聴と3月は2作品見ました。
・FROG新選組寄留記
令和の女子高生ツカサが幕末京へタイムスリップして新選組の歴史に関わっていく物語
・メメントマリ
吸血鬼となってしまった兄ウラトを止めるため妹マリが刑事・探偵の人間、妖精や喋る黒猫など【ファンタジー】の存在と一緒に兄を探す物語
どちらも不思議の世界へと迷っていくアリスのような気持ちを序盤に感じつつそれぞれのキャラクターへの感情移入もできて照明や音楽、小道具1つでも舞台の上・画面越しには確かにその世界が存在していて登場人物も生きていると魂を感じました。
演劇が最も魅力的だと感じるのはこの世界に観客ではあっても入れることだと思います。
アーティストのライブの「一体感」とはまた違った魅力が大好きです。
今回は出会えて好きになれた演劇と、そこから生まれた新たな死生観についてテーマにしようと思います。
いろいろなきっかけで広がる演劇の世界
2023年8月にテーマとして取り上げた舞台俳優の佐藤弘樹さんをきっかけに、『佐藤さんが出演されるんだ。気になる。』とあくまで佐藤さんがきっかけに身体が動いた推し活として舞台を観劇したり視聴するスタイルでした。
けれど好きだと思う物語や演技をされる役者さんはふと出会ってしまいますね。
佐藤さんと共演する機会も多く違う表現で観客を魅了する舞台俳優 鵜飼主水さんを知ってからは【ダストレター】【gagap】と配信で、佐藤さんが出演されていないと分かりながら鵜飼さんをきっかけに視聴しました。
過去佐藤さんの出演される作品で観劇・視聴した作品は全員男性キャストのものが多く舞台女優さんがいることで生まれるラブストーリーを
ダストレターでは愛されることを欲する歪んで病んだ愛を
gagap ギャギャップ では愛する人のためなら悪人にでもあるという一途な愛を
どんな表現でも愛について描かれるのはいいなと気づけました。
特にギャギャップは怪人vs人間とアクションもカッコよくて配信アーカイブを視聴して生で見たかったと後悔するほど虜になりました。
さらに新しく、梅田悠さん・松木わかはさん・高田淳さんと素敵な役者さんを知れてファンになりました。
今まで鈴木一真さん、小林賢太郎さん、佐藤弘樹さんをきっかけに演劇を見ていた自分にとってほぼ全員が始めて出会う人にキャラクターとしてもっと見たいと、心惹かれた瞬間は心拍数が上がりドキドキした感覚や気持ちは鮮明に覚えています。
3月の違う週に公演される2作品のうちメメントマリは佐藤さん主演でしたが悩んだ末、FROG新選組寄留記を観劇と配信視聴。メメントマリは幸い配信があったので配信視聴しました。
月 壊れた心 愛【メメントマリ】
母は人間、父はあのドラキュラ伯爵、妹は人間には本来見えない妖精や死神が生まれつき見える
父が起こした事件によりイジメを普段から受けていた佐藤さん演じる主人公森ウラトはお母さんや妹マリ、恋人ユリという味方もいたけれど…
俺は人間だった頃から壊れていたんだ
見えないものが見えるお前は 本当の俺は見えなかったのか?
そうマリに語り
やっとやりたかったことが分かった 俺は死にたかったんだ
穏やかに眠るように命尽きる姿は2時間ほどある本編でたくさん神秘な存在が出てくる中一気に心を抉るような痛みを感じるウラトに、このファンタジーに溢れた世界は彼には苦痛でしかないとメメントマリに、現実の自分と重ねる瞬間でした。
佐藤さんの紳士的な振る舞いや王ステシリーズと呼ばれるシリーズものの作品でマントが衣装に必ずあるだけあって、マント・ロングコートを着た時の人外感を生み出す独特の雰囲気。
そして【壊れていく心 心の壊れた人】として生きる重さ。【死】という言葉の重さを表現するなら私は佐藤さん以上に素晴らしい役者さんはいないと今作で改めて思えました。
メメントマリは推し活としての配信視聴がきっかけとして大きかったですが去年から気になっていたえのもとぐりむさんの作品に触れられて良かったです。
青空 信念 愛【FROG新選組寄留記】
本来は【井の中の蛙大海を知らずされど空の青さを知る】
狭い世界の中で一つのことを極めることで知れることもあるということわざですが今作では小説家になりたいと願いながら諦めていた女子高生ツカサと武士になりたくて新選組に入るも悩み続ける山崎烝、京の治安を守るため戦い続けた新選組への愛のメッセージがこの言葉に変わったと観劇後そう感じています。
メメントマリと大きな違いは主人公の時田ツカサと天使のクレハ、密偵のみとせ以外は実在した人物なので天使クレハの手によってツカサと一緒に幕末の京へタイムスリップし新選組と共に長州藩や御陵衛士との戦いを見守る。そして山南敬助・明里の命を懸けた恋物語も美しかったです。
信念のために死を選ぶ人
未来のために生きようとする人
この時代の武士だからこそ選ぶ選択は私の死生観にも、変化をもたらしてくれました。
こんなモブの私にも光をくれた存在
去年ギャギャップに出会ってから私が本当に好きなのは演劇そのものになったと思うほど、演劇を見ることが自分らしくいられる時間だと思うほど演劇は見れば見るほど強く実感できました。
今この記事を読んでくれているあなたは…
死にたいと思ったことはありますか?
今、死にたいですか?
もし聞かれたらわたしは両方に「はい。」と答えます。
けれど作品を通して見えた世界の月、壊れた心、青空、夢や信念、愛。
全てが眩しいけれど綺麗な光を受け取りました。
死にたい
毎日願い続けても自分から命を絶つことはできなくて、偶然をきっかけにもできなくて。
毎日ニュースを見るたび「なんで私じゃなくてこの人が?私が代わって死ぬからこの人から生きることを奪わないで」そう思いスマホを握りながら涙が溢れる日々を過ごしています。
なのに…「もっと生きたい」そう思わせてくれるんです。
演劇って。
私の命よりもずっと短く千秋楽が終われば心深く思い出と愛だけを残して消えていく。
いつ沈むかわからない船に乗り進む人生より、溺れていくように・もう上がってこれないように終わらせたいのに演劇作品がくれた思い出と作品への愛が船から飛び降りるのを引き止めるんです。
演劇って…ズルいです。
エピローグ
心の光と闇、どんな些細な感情も全て飲み込んで自分を変えるんじゃなくて受け入れる。
それに気づかせてくれた存在に出会えたことは、私にとって人生で1番の幸運だと思っています。
このエッセイも、あなたに向けて書き続けても意味がないのならいっそ辞めてしまおうかとも前回の記事を投稿して以降ずっと悩んできました。
死にたいと言いつづける私に価値なんて無いと今も、誰にとってもモブキャラでしかないと思ってます。
今読んでいるあなたは、私にとってモブではないですよ。
あなたの人生の大切な時間を数分私の記事を読むために使ってくれているんだから。
大切なひとです。
演劇作品の感想も交えながら今回久しぶりに執筆して、頭の中閲覧数やスキ数を気にせずひたすらキーボードを打って。
とても楽しかったです。
私もいつか誰かの光になれるように…もう少しだけ、生きてみますね。
さいごまで読んでくれてありがとうございました。
花菜(はな)より
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