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援助要請と自己決定①

金曜担当のりょ〜さんです。
前回、援助要請について、不登校等と結びつけてその大切さを書いてみました。
そして、今回からは、子供の援助要請にどう応答するか?の話しをしたいと思っています。
が、その前に大人である私たち自身が誰かに相談する場合について、考えてみたいと思います。
2回に分けて書きます。次回の更新は、6月26日(日)です。

相談してはみたけれど

ある時、あなたは誰かにあることを相談しようと決意します。

なんか漠然としたモヤモヤと困り感があり、それをどうにかしたいって気持ちがあり、いろいろ悩んでいる。
そこで友達、先輩、パートナー、上司、などに相談してみよう、と思う。
ちょっとドキドキする、人を頼るってあまりやったことないし、否定されたれたらどうしよう…って思う。
でも、それでは、モヤモヤも困ったことも解決しないから、思い切って相談してみることにする。
そして相手は「そんなこと簡単だよ」と言い、快くいろいろ伝えてくれた。
「こうすればいい」「ああすればいい」
相手は親切に嬉しそうに「正解」を饒舌に伝えてくれた。
あなたは思う。極めて論理的で、確かにそれはそうだ。
しかし、、、なんかモヤモヤする。
あなたは「でも、、、」って言いたくなるのを飲み込んで、感謝を示し、その場を去る。

立ち去った後、やっぱりモヤモヤが晴れない、、、。
「正解」はわかった。
「何をすればいいか」もわかった。
でも「それをやろう」とは思えない。
なんか「決めつけられた」って気持ちが残る。
だから、やっぱりモヤモヤは続く。
決意して相談したのに、助けを求めたのに、、、否定はされなかったけど、なんか上手くいかなったなー。あの人にはもう相談しないかなー。

こんな経験はないでしょうか?

僕自身、相談する側としても、される側としても経験済みだし、今でもやってしまう汗

札幌市で行われた放課後等デイサービスのプレゼンテーションのイベントEXCITEに参加させてもらいました。それぞれの事業所の取り組みをアピール。


相談される側に何が足りなかったのか?

上記の相談(援助要請)はなぜモヤモヤが残ったのでしょうか?
相談者は正解を手に入れることができたのに??

僕なりに仮説を立ててみようと思います。

ざっくり言うと「説得」や「正しさ」よりも「納得」が大事ってことです。
相談される側は「正しい答え」を持っていたかもしれないけど「納得」を生み出すプロセスは作ろうとしなかった。
だから、相談する側は「それはわかるけど、、、(モヤモヤ)」となってしまった。
だとしたら、何があれば「納得」なのでしょうか。

相談される側は以下のことをしなかった可能性があります。
相談者のモヤモヤに寄り添ってちゃんと聴こうとしなかった
一方的に正解を伝え、「一緒に考える」ことをしなかった。
③選択肢を与えなかった。
他にもあるかもしれませんが、とりあえず、これらを一つひとつ、考えてみます。

① 相談者のモヤモヤに寄り添ってちゃんと聴こうとしなかった

相談者は相談する時点で、何にモヤモヤしているかを必ずしも言語化できていません。
この言語化が不十分なまま答えを与えてしまうと、気持ちは不完全燃焼で、納得のいかないまま意思決定と行動を迫られることになります。
上記の事例でいくと、「何かモヤモヤしているんだね、大変だったね」と寄り添った上で「そのモヤモヤについてもうちょっと考えてみたいんだけど、いろいろ聴いてもいいかな?」という感じで話をはじめると良かったのかもしれません。

② 一方的に正解を伝え、一緒に考えることをしなかった

一緒に考えるってことは大事です。
少なくとも「一緒に考えるよ」という姿勢でいることで、相手は「この人は考えてくれるんだ」って気持ちになります。信頼していいのかな?って気持ちに繋がります。
上記の事例では、相談される側は、答えを持っていたとしても、「自分なりに答えを示せるかもしれないけど、納得いくまで考えてみようか」という姿勢が必要だったのかもしれません。

③ 選択肢を与えなかった

答えを「バン!」と提示することは、相手をコントロールすることに繋がりかねません。
明快な回答を提示することは、「答えはこれなんだからやればいいじゃん」という、メッセージが含まれる可能性が高いからです。
相談者はそれを敏感に気付きます。
他者からのコントロールには「反発」もしくは「従属(あきらめ)」のどちらかが伴います。
結果「言っていることはわかるけどやりたいと思えない」となります。
相談される側は、少なくとも「自分はこう思うけど、別の選択肢もあるし、最終的な選択をするのもしないのもあなただ」と言う姿勢を崩さないほうがいいかもしれません。
いわゆる「自己決定」を相談(援助要請)の土台にすることを大事にするってことです。

僕のプレゼンのワンシーンです。自分達が何を大事にし、何を目指しているかお伝えしました。

聴いて、一緒に考えて、自己決定

ここまでを整理すると、、、
相談(援助要請)される側は「寄り添って聴く、一緒に考える、自己決定が前提」という姿勢が大事ってこと、です。

…実際にそれをやるっていうのは簡単な話ではないですが、原則としてそういう視点を持っているか持っていないか?というだけで信頼関係も大いに変わっていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


追記
僕の文章は、心理学的な知見も交ぜながらも多くは実践から得たものをあらためて言葉にしているものです。
だから、学問的に間違えているかもしれません。
あくまで、仮説に過ぎないです。
何か間違いがあれば、もしくは学問的に補強するものがあれば、ご指摘・ご指南いただけると幸いです。

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