卒園文集に嘘を書かされた思い出

先日、娘の通う保育園の卒園式に参加した。
保護者をはじめ、先生のほとんどが美しい涙を流す。

そんな光景を見て、
私も感動を覚えた。

卒園式を終え、
娘が書いた卒園文集を読む。

娘の夢は、
「大工さん」と書いてあった。

娘は作ることが大好きで、
どうやら家を作ってみたいそうだ。

素敵な夢だと思う。

娘の素直な夢が書いてある卒園文集を読み、
私の卒園文集を思い出した。

私の夢は、
真実を書かせてもらえなかった。

なぜかというと、
私の夢が肉屋だったからだ。

唐揚げが大好きで、
将来は肉屋になりたいと鼻息荒く話していたことは、
大人になっても記憶している。

保育園の近くの肉屋のおじさんに、
「おじさんと結婚して、毎日唐揚げを食べたい」と迫ったぐらい。

それだけ、
私の唐揚げ愛は大きかった。

卒園間近の保育園生活。

卒園文集の夢の欄に「肉屋」という文字を書いた。

すると、
「女の子なんだから、お肉屋さんはやめよう」と先生に言われたのだ。

私は納得いくはずがない。

その話は母親にまで伝わり、
私は卒園文集に「肉屋」の文字を書けなかった。

先生は、
「肉屋じゃなく花屋にしろ」と言う。

なぜ女の子は、
肉屋になりたいと願ってはいけないのか?

6歳の私はひどく落ち込んだ。

大人の固定観念や先入観で、
子どもの夢を否定してはならない。

結局私は肉屋にはならず、
もちろん花屋にもならなかったが。

自分の希望する夢を否定された記憶は、
今でもなお鮮明に残っている。

今でこそ、
女はこうであれ!男はこうであれ!と言われなくなってきたものの。

まだうっすらと、
その風潮は残っているように感じる。

人の夢は自由であり、
人に強制されるものではない。

「仮面ライダーになりたい」
「セーラームーンになりたい」と言っている子どもに、
「あれは漫画の世界だから無理」だと言う大人にはなりたくはない。

男性が多い職業に就きたいと願う女の子、
女性が多い職業に就きたいと願う男の子、
どちらの夢も尊重されていいのだ。

日々の会話でも、
固定観念や先入観で人を否定しないように気をつけたいと、
幼少期の記憶を頼りに心に誓った今日。

みんな自由でいい!

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