一時間だけの旅
少し寒いけれど
とても天気が良かった昨日、
用事があって出掛けたついでに、
近くにある大きな神社にふらっと立ち寄った。
四方を大きな幹線道路に
ぐるりと囲われているのに、
敷地に一歩足を踏み入れると、
そこだけ鬱蒼と茂る木々に守られて、
まるで別世界のよう。
聞こえるのは、
風が葉を揺らす音、
鳥の鳴く声、
砂利を踏み締めながら歩く、自分の足音。
鼻をくすぐるのは、
緑の香り。
目に映るのは、
辺り一面に茂る赤黄緑の木々と、
その隙間からちらりと見える
抜けるように高くて青い空。
足元には黄色いイチョウの葉。
感じるのは、
頬や耳に当たるひんやりとした風と、
手に持つ紙袋の重み。
心なしか、時の流れまで
ゆっくりと感じられる
その空間に身を置いていると、
ありきたりなんだけれど、
日々、ごちゃごちゃと考えていることなんて
全部、どうでもいいことのように思えてきた。
この場所で今、
こんな風に感じられるのなら、
もうそれだけでいいじゃない、と。
お参りを済ませ、
なんだかとてもすっきりしとした気分で
神社の敷地を出た途端、
車通りの多い幹線道路が目に入り、
あぁ現実世界に戻ってきたんだ、と思う。
けれど、
ここを訪れる前の自分と比べたら、
なんだか少しだけ、心が軽く
柔らかくなったような気がした。
今年も気づけばあと半月。
さて、今週もがんばりましょうか。