大人になれる日は
大人って何だろう?
成人したら大人?
自立したら大人?
私は、自分のことを大人だと思っている。
けれど、私が子どもの頃にイメージ
していたような立派な大人とは、
程遠い大人だ。
年齢的にはもちろん大人だし、
会社員をしていて、上司もいれば部下もいて、
経済面でも生活面でも、自立している。
そんな私は、
外面的には間違いなく大人だと思う。
しかし、内面はどうだろう?
それなりに生きてきて、
良いことも良くないことも含め、
いろいろな経験が積み重なった分、
子どもの頃と比べれば、
じわりじわりとは成長しているのだと思う。
けれど、
以前の目覚ましい成長ぶりと比べると
もうしばらく、“それほど変わっていない”
と言えるくらいの、
わずかな成長しかしていないようにも思う。
今だって、考えても仕方のないようなことを
ウジウジと悩むこともあるし、
痛いものは痛いし、悲しいものは悲しい。
そうかと思えば、くだらないことで
ケラケラと笑い転げることもあるし、
ささいな優しさに触れるだけで
嬉しくなったり、泣きそうになるほど
安心することもある。
上手くいかないことばっかりだし、
情けない失敗だって何回もする。
そういう意味では、根っこの部分は
あんまり変わっていないのかもしれない。
けれど、やっぱり私は大人だ。
なぜなら、
自分のことは自分で決めるし、
自分のことは自分で責任を取るから。
子どもの頃に憧れたような大人ではなくても、
やっぱり大人なんだと思う。
でも、まだまだなのだとも思う。
こんなゆっくりとした成長のペースでは、
この先いつかこの世を去る時になったって、
子どもの頃に思い描いていたような
大人には、到底なれる気がしない。
けれど、これからもじわりじわりと
ほんの少しずつだって良いから
成長しながら生きていけたら、
と思っている。
なりたかった大人に、なれる日まで。