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予備校講師。授業研究の傍ら、文学作品や哲学思想書の解説もしています。コツコツ書き溜めて…

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予備校講師。授業研究の傍ら、文学作品や哲学思想書の解説もしています。コツコツ書き溜めていくための文字通りノートとして活用したいと思っています。ご感想をお寄せいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

最近の記事

名作/芥川龍之介『羅生門』勝手読み3

前回の森鷗外『舞姫』同様今回の芥川龍之介の『羅生門』も、高校国語の教科書に多く採用され、高校一年生時に習うことが多い作品です。この定番と言っていい作品の定説を知っておくと、テスト対策になると考え、採用しました。 しかしテストになりやすい点は、逆に形式的で二元的な理解を生みやすく、その先入観も一方で解体しておきたいとも考えています。そこで今回も『勝手読み』させていただきます。 ご一読いただけると幸いです。 目次 1 あらすじ 2 定説1、2 3 勝手読み 1 あらすじ「ある

    • 名作\森鷗外『舞姫』勝手読み2

      今回は、高校3年生になると必ず習う森鴎外『舞姫』を「勝手読み」します。例年質問が多く、高校生には文体や内容が難解に見える作品ですね。実は文学史的にも重要な作品です。「没理想論争」や「舞姫論争」を経て、文体や内容による浪漫主義的作風の実践を示した作品と言えます。「勝手」とは言いながら、高校生の皆さんにとって、授業に役立つように構成します。ぜひ一読を。 第2回 3 森鷗外『舞姫』 目次 ⑴ あらすじ ⑵ 高校授業ノート ⑶ 定説紹介 ⑷ 勝手読み ⑴『舞姫』あらすじ 「げに東

      • 名作/夏目漱石『坊っちやん』             太宰治『走れメロス』勝手読み

        小中学生にもなじみの深い日本文学作品の定説の紹介と、僕自身の「勝手読み」を並べて紹介したら、面白いのではないかと思いまして、しばらくシリーズとして続けてみようと思います。第1回の今回は夏目漱石『坊っちゃん』、太宰治『走れメロス』です。この2作には、僕自身は共通の論点があると勝手に考えています。では以下で説明します。 第1回  目次 1 夏目漱石 『坊っちゃん』 2 太宰治  『走れメロス』  1『坊っちやん』あらすじ 「親ゆずりの無鉄砲で子供のときから損ばかりしている。…

        • 学びと思考と実践と

           「学ぶことは真似ること」とよく言われる。たしかにその通りで、何らの知識も経験もない者は、「何をどのように考えればよいのか全く見当もつかない」状態である。そこで、先人の言葉や思想を「まねぶ」ことで経験を積んでいかなければならない、とされる。それゆえに、学校教育においても、まずは教師の「読解」を真似て、生徒も「読解」することが推奨される。  しかし、この「真似」、いわば「模倣」が実は厄介なものである。なぜなら、多くの生徒が「模倣」のまま留まることに自足してしまうからだ。むしろ、

        名作/芥川龍之介『羅生門』勝手読み3

          はじめまして

          沖田晴彦と申します。予備校、塾講師をして30年近くになります。 受験対策の国語に関する情報に限らず、文学作品に関する解説や論評、 その他読書案内など、研究する学生や、先生方の役立つような情報をお届けできたらいいなぁと思っております。 Educational Lounge でも少々作品論や文学論史を掲載していただいています。興味がある方は是非お読みください。 http://educational-lounge.com/ コロナ禍に思うこと 『コロナ禍』に関して少々哲学的に

          はじめまして

          【国語読解の新定義】

          目次 (1)本文の『読み』の新定義 (2)本文「読み」の新定義を「解き」につなげる (1)本文の『読み』の新定義  国語読解においてとかく「読み」の過程で多くの受験生は、「文字追い」をしがちです。それは、ただ次から次へと連なる語群の流れてくるままに目で文字を追い、自分の勝手なイメージや解釈をあてはめ続ける行為のことです。この悪習にはまっている場合は、全文読み終わったときに、『何が書いてあったのかわからない。特に前半の内容を覚えていない。』という感想をもつ時です。皆さんも身

          【国語読解の新定義】