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#8 ジンカンバンジサイオウガウマ



丑から寅へ


皆さんこんにちは、冨田開です。早いようで今年も終わりますね。(毎年同じような事を言っていますが)。因みに上記の写真は今シーズンのチーム写真です。髪が長すぎなので切りたいのですが最近は長い方が落ち着きます。あとアメリカで髪を切るのがとてつもなく怖いです。12月11日をもってシーズン前半戦も終わり、チーム成績は10試合7勝1分2敗となっています。今年は例年とは違い大学アイスホッケー部は多忙なシーズンを過ごしており、クリスマス休暇が二週間ほどしかないので日本には帰らずアメリカで過ごすことになりそうです。まあこれがここ数年はいつも通りなのですが。前半戦の私の気持ちを以下にまとめてみました。お時間ある時に読んでいただければ嬉しいです。




大学2年目(前半戦)


今年、2年目の前半戦も試合には出ておりません。と言うのも上級生二人のゴールーキーパーが絶好調であり、出る幕なしというのが正直なところです。報告できる事は特にありません!! しかし今年からは全試合ベンチに入ることが出来ています。これは去年と比べると一つの成長であるのかもしれません。遠征に帯同し、ユニフォームを着て、試合前に整列して国歌斉唱を聴き、チームの円陣に入り、ベンチから試合をみる景色は去年まで見たことがなく新鮮なものです。スーツを着てただ試合を見ている去年とはまた違う世界がそこにはあります。『試合に出れない』という経験は今までのアイスホッケー人生の中では経験出来なかった事です。ネガティブに捉えてもどうこうなる問題でもありません。どんな時でも自分を信じて、明るい未来を信じて一歩ずつ進んでいくしか道はないのです。

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日本人としての誇り


今年は私たちの印象に残るスポーツの歴史が生まれた年でもあります。

松山英樹選手マスターズ制覇

東京オリンピック開幕

白鵬引退

大谷翔平選手MVP


偉大な選手も常に逆境に立ち向かいながら自分の可能性に日々挑戦してきたに違いありません。自分自身が挫けそうになる時は自分よりもはるか上のレベルで勝負している選手を思い浮かべて「自分の感じるプレッシャーはこの人達と比べるとかわいいものだ」と思うようにしています。大谷選手もMVPをとる今シーズン前までは怪我に苦しんだり、周りからは「二刀流は不可能だ」「メジャーでは通用しない」とファンやメディアから心ない言葉を浴びせられてきました。しかし彼は常に冷静で謙虚で、そして野球を心から楽しんでいたように見えます。プロや大学スポーツと自分がプレイする競技レベルが上がるにつれ「その競技を心から楽しむ」ことが難しくなってきます。それはそのスポーツ自体が楽しくなくなるのではなく、自分を取り巻く周りの環境が変化するからです。責任を取らなければならない時間が増え、失敗と向き合う時間の方がはるかに多くなります。小学生や中学生の時にあった「練習が楽しい」や「試合に勝ちたい」という純粋な気持ちだけではいられなくなります。「試合に出れない」という今の私の感情ももしかしたらホッケーを心から楽しめなくなる一つの要因かもしれません。だからこそ時に純粋に競技やそのプロセスを楽しむことが大切だと思います。

成功する瞬間はスポーツの世界では一瞬で終わります。失敗と向き合う時間の方がはるかに長い、長く感じるのかもしれません。しかしその一瞬の喜びは他の何にも変え難い、自分が人生を賭けているものだからこと唯一無二の感情があります。

今は一人の選手として勝負しなければいけない時期であるので「日本の将来の為に」ということを考えている余裕はありません。しかし日本人として誇りは常に心の奥底にあります。今年は数々の日本人選手から勇気や感動を貰いました。いつかその舞台に立つことを夢見て「今この瞬間」を最高に楽しみたいと思います。

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塞翁が馬


私が好きな言葉の一つに人間万事塞翁が馬(ジンカンバンジサイオウガウマ)という中国の諺(故事成語)があります。

人間とは「世の中」、万事は「あらゆる事象」、塞翁とはお城に住む翁(おじいさん)のことです。ある日、翁が飼っていた馬が逃げてしまいました。近所に住む人達はその翁をかわいそうに思って慰めました。しかし翁は「これは幸福の前兆かもしれない」と気にも留めていませんでした。数日後、逃げ出した馬は他に沢山の馬をつれて戻ってきたのです。近所の人々はそのことについて喜びましたが翁は「これは不幸の前兆かもしれない」と言うのです。しばらくすると翁の息子が馬から落ちて怪我をしてしまいました。近所の人は慰めに行くと翁は「このことが幸福にならないとは限らない」と言います。やがて村では戦争が始まり、怪我をした息子は戦争に行かずに済みました。

諸説あるようですが簡単に説明するとこのような感じです。

悪い出来事があれば良い出来事もあり、その逆もまた然り。目の前の結果に一喜一憂するのでは無く、懐深く長い目で物事を見るということです。人生には前に進むだけ出なく、時には後ろに下がる時、下がらなければいけない時が必ずあります。短期間では決して成果が出ないこともあります。成果が出ない時こそ、不安がらず、恐れず、迷わずに、明確なビジョンを持って、一歩ずつ進めるかどうかが大切だと思っています。



なんだかんだ言ってますが勝負の世界、勝たなければ意味がないのです。スポーツの世界、勝負できる時間は限られています。日々挑戦出来ることに感謝しながらこれからも自分の可能性に挑戦していきたいと思っています。最後まで読んで頂きありがとうございました。それでは最近は友達がいなく暇なアーサーくんと共にお別れです。

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それでは! See you later!! #8


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