カナダを旅する

 もちろん学校生活では嫌なことばかりでなく、楽しいこともある。

 カナダの学校では、英語のほかフランス語の授業がある。モントリオールやケベックなどの町はフランス語を公用語として使用しているため、当然ながらフランス語に堪能なカナダ人もたくさんいる。

 カナダの歴史を紐解くと、フランスやイギリスからの移民が多く入ってきたため、両国の公用語を受け入れたことが理由に挙げられる。ただし、州によって使用する公用語が異なる。

 私がフランス語の授業を受けた時は簡単な日常会話をこなすための基礎講義のようなものだ。挨拶や数の数え方、日常会話のシーンを取り入れた実践形式の授業で、私も含めたクラスメートはフランス語を楽しく学んでいた。おかげで、多少なりともフランス語の奥深さを堪能できたような気がしていた。

 学校が夏休みや冬休みに入り、私は家族とともに国内の様々な場所へ旅に出ていった。

 その中で特に印象が深かったのは、カナダ名物のナイアガラの滝である。カナダのオンタリオ州とアメリカのニューヨーク州と国境の間にあるナイアガラの滝は、ツーリストの目を驚かせるほどの雄大な自然風景なのだ。


 冬の時期には観光スポットの近くのフェンスが氷柱を張るぐらいの氷で覆われている。その場所から見る景色は心が躍ったものだ。勢いよく落ちる滝が凄まじく、ツーリストは皆興味津々である。

 そんな中、私はナイアガラの滝をぼんやりと眺めていた。あの滝から落ちる水はどこまで流れていくだろうかと。

 それはとうと、家族と旅先で購入したメイプルシロップを家に持ち帰った。香ばしいバターの乗ったパンケーキにかけて食べた。頬が落ちるほどのまろやかなバターの風味と濃厚な蜜の味に驚嘆したのだ。あっぱれであろう。

 また、夏休みを利用して一週間程、カナダの北部に位置するケベック州へ足を運んだ。そこで犬ぞりを経験した。
 4頭の犬がそりを引っ張って、雪の道を駆け巡る。走行中に小便をして済ませておく犬の芸当に心底驚いた。器用なものだ。

 そんなこんなで、カナダでの旅は貴重な人生経験となった。

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ハリス・ポーター
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