マリメッコ茶道
展示会に関連したイベントマリメッコお茶会へ行ってきました。奇しくも、私にとって初めてのお茶会!興味津々でした。
先ずは、今回特別に制作されたサウナ小屋で待ちます。その際に、マリメッコのウニッコの花の和菓子を頂きました。サウナの二段目に座りながら庭を眺める、それは凄く日本的でした。
露地を歩いて、いよいよ茶室へ向かいます。敢えて飛び石にしていることで歩みのスピードを緩め、庭に込められた様々な意味を見出し、茶室へ向かう心を整えることが出来ます。
本展ではファブリックの森として演出されていました。
向月台は、「この上に座って銀閣寺の背後の月待山に上る月を待ったとか」「月光を反射させその明かりで庭を愛でるようにつくられた」と言われています。銀閣寺の向月台は非常に大きくて有名ですね。
マリメッコの庭園では、フィンランドの風景が映し出され、水の雫が落ちては映像が溶ける演出でした。
躙口(にじりぐち)は茶室の客人の出入口のことです。俗世と茶室の境界線。云わば非日常空間への入口。身をかがめて入ることで己の肩書を捨て、皆一人の客人となるという意味があります。
この外壁の煉瓦模様は、marimekkoの創設者アルミ・ラティアがデザインした「Tiiliskivi/煉瓦」、カラフルなタイルはマリメッコを代表するデザイナー・マイヤイソラがデザインした「Kukko ja Kana/雄鶏と雌鶏」です。
待ち受けていたのは、遠州流堀宗翔さん。と言っても初代は天正七年~正保四年(1579~1647)なので、襲名しているのですね。
マリメッコの茶室なので「真理庵」と命名されてます。フィンランド語でmariは名前、mekkoはワンピースという意味なので、marimekkoはマリのワンピースという意味です。内壁の生地はヴォッコ・エスコリン・ヌルメスニエミの「Iso Noppa/サイコロ」です。
この五角形の棚の下のブルーの器には水が入っており、終わって器を洗う時に使用します。上にある薄茶が入っている薄器には能のお面の紐があしらわれています。ひしゃくが乗っている器は、汚れた水を入れます。今回はマリメッコということで、少し変わったものをお持ちしたとのことでした。
炉縁(ろぶち)は市松模様です。
着物の帯が、マリメッコのKivet(石/1Maiya Isola 1956)のデザインです。
茶碗に茶巾と茶筅を入れて、再登場し、定位置にいらっしゃいました。
ここで、始める前に扇子を前に置かれていました。扇子は閉じた状態で使われ、自他との間に結界を作り謙虚さを示すためのもので、挨拶時や道具の拝見時に使われます。暑さを凌ぐための道具ではないので、夏場にこの扇子を扇ぐことはしてはいけません。
紫の布が帛紗(ふくさ)というもので、お点前をする時に使うものです。茶杓や茶器を清め、熱い釜の蓋を取り扱う時にも使用されます。遠州流では帛紗を多用することが特徴的だそうです。
実際お点前が始まると、全ての道具を布をかざして清めていきます。また道具の取り方一つをとっても作法があるのだと理解出来ます。
最初茶碗を洗い温める意味があるのか、白湯だけ入れて、取り出す。そのお湯を注ぐ時に、敢えて音が出るように高い位置から一度茶釜にお湯を戻していました。
実際に手を洗うことは出来なくても、手を清める振る舞い。
薄茶の入れ方も、まじないチックに。4杯。
後ろに控える助手?の方が次の茶碗を持って待っています。
ササササっと点てると、良い感じの均一された泡が仕上がりました。お茶をたてながら、様々な説明をしてくれます。道具のことや動きの意味など。
更に、器についても。まん丸ではなく、少し凹んでいる茶碗。それはインドでは十五夜の満月より、十四夜の月が最も美しいとされていることに因んでいます。十五夜の満月は、もう後は欠けていく哀愁が出てしまいます。十四夜の月はほぼ満月に近しく、また満月に向かってパワーがみなぎっていることも美しい理由の一つだそうです。
「一番美しいとされている凹んだ面を正面に提供されますが、頂く時は少し左にずらして頂きます。」とも教えてくれます。
そして、はいどうぞ~と一番初めに入ってしまった私に勧められました。いやー初めてのお茶会で作法全然分かりませんけど~、、、、まあなんとか、器の正面を少し左にずらして、頂きました。
最後に金色のヤカンが登場。菊の花モチーフだそうで、今回いつもこれが登場して歓声があがるとのことでした。確かに素敵でした。このヤカンから水色の器に水を足して次に備えるようです。
床の間に飾ってある掛け軸。お茶会の真髄は、その道具などの意味の説明を受けて、知識や考え方を得られることなのかなーと思いました。勿論、その隔離された非日常空間でのひと時は、心が癒されることも実感しました。
サウナの外の縁側にはmarimekkoのウニッコのクッションとタオルが。
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