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介護と看取りと

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母が膵臓癌と分かったとき、その後の片付けにまつわるできごとなどの…日記の清書です。
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2023年7月の記事一覧

いつの事だっけなあ

いつの事だっけなあ

いつの事だっけなあ
暗くなると恐怖感が増すのか、
ベッドサイドの私を夜通し呼び続ける母。

トイレ(ほとんど出ない)、戻ってきてまたトイレ、痛い、今何時、目薬さしてちょうだい…今何時、トイレ、痛い痛い、目薬して……
それを数分おきに延々と繰り返す。病室の薄明かりの、長い夜。

書くと数項目だけれど「トイレ」それだけで母をそっと起き上がらせる、立ち上がりの介助、じわじわと歩を進める、もしくは車椅子へ

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自由律短歌

蛇になり

勝ち虫になり

この世に

しがみつく父と

来ない母さん

納棺の夜、蛇に姿を変え(亡父は巳年)
東京の夜道まで追いかけてきて私の前を這い、
秋にはトンボになって目の前でホバリングし
私に留まった父。

母は全く来ない。

初めて行った美容院で言葉で殴られた話

母を見送ってずっとずっと悲しくて、
でもほんの少し外の空気に触れられるようになって
髪、切ろうかな…この髪のこの長さのときお母さんは生きていた。
切りたくないな。でもモサモサだし少しずつでも外出しないと…と
ホットなんちゃらビューティーで予約。

※1
あなたが悲しんでいたらお母さんは成仏できないよ。
あなたが悲しんでいたらお母さんも悲しがるよ。
あなたが悲しむ姿は見たくないと思うよ。
あなたは笑

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2018.2.18

こんなこともあった。

ーーー

病む母の病院に泊まった。
「ぜいめい」「下顎呼吸」が始まっており主治医からはいつ呼吸が止まってもおかしくない状態だと。

私は床から15センチくらいの高さの簡易ベッドで
とろとろしていた。

母の寝息は、睡眠時無呼吸症候群のためと、
モルヒネによりあっちこっち緩くなっていて
自分の舌で気道を塞ぎがち。

息が止まるたび何秒止まったかハラハラしながらカウントして長い

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