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【Vol.18】腕のしびれへの鍼灸治療

こんにちは。とある鍼灸師です。

この記事では、西洋医学や東洋医学の理論で症状について考えていき、その症状についてどのように鍼灸治療をしていくかを書いていきます。

みなさまのカラダの状態を把握するための参考にしてください。

腕のしびれといってもいろいろな病気や原因が考えられます。

みなさまの中には、もしかしたら腕がしびれている方もいるかもしれません。


症状がひどいと、寝ているときに腕の置き場がないくらいしびれたり、腕の筋肉が何にもしていないのにパンパンに張ったりします。

とてもつらいと思いますので、改善策も書いていきます。


1.しびれとは

単に『しびれ』といっても感じ方は人それぞれです。

『しびれ』という言葉は、いろいろな意味で使われています。

・触っても感覚がにぶい
・冷たさや熱さがが感じにくい
・痛みを感じにくい

などの感覚の低下 を意味することもあれば、

・何もしなくてもジンジンする、ビリビリする
・針でさされたような感じ
・灼けつく様な感じ

などの異常感覚を意味することもあります。


この記事では、主に腕のしびれについて書いていきます。

(1)しびれの範囲

まず、どこの範囲でしびれかを確認します。

・肘から上なのか
・肘から下なのか
・手なのか
・手でも、親指や人差し指なのか
・あるいは中指なのか
・薬指・小指なのか

しびれの範囲を明確にすることである程度、どの状態にあるのかは絞れます。



2.しびれ方

また、どのようなしびれかも確認します。

・表面がピリピリしているのか
・それとも動かすとビリビリしびれるのか
・正座したあとの足のしびれみたいな感じなのか

しびれ方で、筋肉についている神経の異常なのか、感覚を感じる神経の異常なのかを判断できます。


3.胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

最近、私がみている方で多い症状です。

胸郭とは、肋骨と背骨でつくられている鳥かごみたいな構造をいいます。

画像1

画像2


胸郭にも空間があり、出口があります。
出口というと、首のところを指します。

胸郭の出口には、神経・血管が通っています。
この神経や血管は腕の筋肉につながっています。

通り道の部分には、筋肉や骨があります。
(図でいう斜角筋、第1肋骨と鎖骨の間、小胸筋です。)

ここの場所が狭くなるとこで、神経が圧迫されます。
神経が圧迫されると、正常の働きから外れるので、しびれます。

神経は筋肉につながっています。
神経が電気刺激で興奮することで、筋肉が縮みます。

圧迫されると、持続的に神経が興奮している状態になるので、つねに筋肉も縮みます。
すると、筋肉が張ってしびれをきたします。


4.なぜ胸郭出口症候群になるか

結論からいえば、姿勢です。
猫背の姿勢が原因です。

現代社会では、パソコン・スマートフォンなどの普及により、
長時間のデスクワークが主体になっています。

作業に集中すると・・・

背骨が丸くなります。
→肩が前にでて、内巻きになります。
→首も前にでます。
→肩や首の筋肉が縮むあるいは伸ばされます。
→長時間、何度も繰り返すことで、筋肉への疲労もたまります。
→気づいた時には、筋肉の柔軟性は失われ、神経の通り道のところが
圧迫され、しびれます。

また、仕事や対人のストレスにより、カラダ自身が身構えている状態が
続いても、筋肉を硬くするので、症状がでます。


5.腕のしびれの鍼灸治療

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