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私の過去の取り組み:UTalk

UTalkというのは、東京大学大学院・情報学環が主催するカフェイベントで、私はこのイベントラインの立ち上げから運営に関わった。2008年3月から2014年8月まで(私が東京大学を離れ帝京大学に移るまで)、スタッフ(裏方あるいはホスト)としてお仕事をさせていただいた。立ち上げのコンセプトを練るところは、山内祐平先生(現:東京大学大学院情報学環教授)を中心に、佐藤優香さんと私の3人で行った。

このイベントは、東京大学に常時4000人は居ると言われる研究者の中から1名を毎月ピックアップし、その方の研究についてお話を伺うとともに参加者とお茶を手にしながらディッスカッションを楽しむというものである。トータル1時間、対面で行っていたときはお茶代として500円を頂戴していた。

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このイベントは今でも私の大学院の後輩や、当時からの同僚に支えられ、私が東大を去った後も、そしてコロナ禍の現在でもzoomを駆使して続いている。なんと、2021 年7月で160回を数えるものとなった。

かつてイベントの作り方を尋ねられることが多かったので、留意していることをマニュアルにしてまとめたものがこちらになる。

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東京大学大学院情報学環 福武ホールで主催している、大学を社会に開くための講演でも交流会でもない「カフェ形式」をとる対話型のイベントです。 このマニュアルでは私たちがどのように「UTalk」を作っているかを説明します。
UTalkのできるまで:2008  年に情報学環・福武ホールができる際、建物の一部分を使って定期的な活動を行いたいという話が出ました。 設計者である安藤忠雄氏は、いまUTalkが行われているカフェスペースを、もともと何も無いブランクスペース(間)としたいという提案をされました。設計者の意向も汲みつつ、情報学環として何ができるのかを話し合い、ここにカフェがひらかれることになりました。 このカフェで、サステイナブルなカフェイベントを企画・運営してみようということになり、「大学の知と社会が出会う『ゆるやかな学びの場』」というコンセプトに月に一度イベントを開くことにしました。毎月のゲストは、様々な領域で活躍している本学(東京大学)の研究者です。(「UTalkマニュアル」より)

このイベントは、先日紹介したEduce Cafeとは異なり、業務として関わっていた。

東京大学の研究を一般の方に知ってもらうこと、大学を開放することを意図して行ってきたと自負している。

大学の知というのは、広く公開されなければならず、そのためにサイエンスカフェという流れがあるのだが、本イベントはサイエンスカフェとは名乗らず、アカデミックカフェとでも呼ぼうか、人文系の研究も積極的に紹介するようにしてきた。形式のモデルの1つとしたのは、パリ発祥の哲学カフェである。

大学のアウトリーチとも呼ばれるこの大学を外に開く活動は、今でも私の中に深く根ざす価値観として存在している。こういった記事を書くこともアウトリーチの一つだと考えている。

今はコロナ禍で対面でのイベントはなかなか開催できないが、どの大学に勤務していても、研究成果を論文や書籍の形だけではなく、市民に届ける方法を模索していきたい。




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