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持つべきものはちょっとお金持ちの隣人!と確信した日 【洋梨夫人のダイエット日記vol.4】

はい、前回からの続きです。
おさらいはこちらからどうぞ。

前回のnoteにも書いた通り
”全力草むしり"の風態の洋梨女戦士は、
法螺貝吹いて、名乗りをあげて、初陣に挑み、
見事に”勝ち星”を上げた。
その後どうなったか、
当然、味を占めたに決まってる。
毎日、ジムに通い詰めては戦三昧。
連戦連勝。
正直、体脂肪率ばかり減って体重なんてむしろ増えてるくらいだけど、
細かいことはあんまり気にしない。


最近
日本ではサウナが流行ってるって耳にしたけれど、それ納得。
起きてから眠りにつくまで、
なんなら眠っている最中でさえ、
”ドッシャー”って押し寄せてくる
私たちを飲み込まんとする
画像、映像、文字文字文字…の情報の塊を
強制的に頭の中から排除するためには、
ちょっとした極限状態みたいなのが効くんじゃないかなって。
そうなんじゃないかなって。
ほら、サウナって、そこらじゅうどこでも熱くて、汗かきまくりで、
じっとしてても体から水分出てっちゃう、最も身近な極限擬似体験場。
脳って”生きる”ことに大切なものから選択するらしいから
呼吸とか、体の維持とかが最優先になって、
頭の中は空っぽになる。

じっとしてると、
「鼻かゆい、ハナカユイ、タナカユイ?…
って確か打ち切りになったテレビ番組のテラスハウスとかにそんな子いなかったっけ?スマホ、スマホ…は…どこ?
あ、やっぱりそうだ!
え?去年結婚した。そか、おめでと。
それにしても、鼻…かゆいな…
蚊に刺された?
鏡でチェックしたいな…ええと、鏡、鏡…
あ、スマホのカメラで自撮りすれば一発じゃん!
ピロリーン♪
うあぁ〜どスッピンでこの太陽光。
シミとシワが嫌でも目につきますな。
そろそろ、駐在妻様たち御用達の
中華系マレーシア人の先生のレーザーとか予約した方がいいかなぁ…
ええと、先生の名前なんだったっけなぁ…
そういえば誰かがブログで体験記書いてたはず。
”マレーシア” ”シミ” ”レーザー” とかで検索すれば出るかな…」
って永遠、スマホとお友達。
もうさ、どうでもいいからさ、
大好きなスマホに”瞑想の入り口”付近までナビしてもらえば?

瞑想に入りたくとも、一向に瞑想の入り口にさえ辿り着けないタイプの私。
もしかしたらこの、
運動で負荷をかけてちょっと脳内の酸素薄くすることで
強制的に頭を空っぽにさせる、
能動的な瞑想、トレッドミルの有酸素運動は、
結構私に向いているのかも。(なぜかドヤ顔)


まだ全然痩せてないし、結果も出てないけど、
とにかく朝空腹の状態で何も考えずに歩き回ると、
きっと脳内からなんかよくわからんちょっとクセになりそうな物質が放出されてる(様な気が…)
顔からダラダラ汗まみれで、
なんなら少し鼻水とかも出ちゃってて、
口は開きっぱなしで、
でも呼吸に忙しいからカラッカラになってるし、
どう見てもキツそうなのに、
「いいね〜、今日もいいよ〜!その角度、それ最高!」
って鬼才カメラマンの撮影風景で聞こえてきそうな言葉を自分の筋肉にかけて、
ニッコニコで何十分も歩き続けるんだもの。
なぜかこれが、スッキリするし気持ちいんだもの。
絶対、ご近所様からは変人認定受けてもおかしくないと思うんだ。


でもね、全然大丈夫。
ノープロブレムよ。
だって、私の家のご近所さんたちは、多分きっとちょっとお金持ち。
彼ら9時5時では働くようにできてはいないの。
毎朝決まった時間に出社することにかけては、この辺りでは基本ウチの夫がNo.1。
VELLFIRE×ドイツ高級車×日本産メーカーのSUV、
比較的人気のラインナップ。
朝10時でも綺麗に玄関前に揃ってる。
時々、うなり声をあげる高級スポーツカーを鎮座させてるお宅もあるわ。
きっとプチ投資家か、プチビジネス経営してるオーナーか、プチユーチューバーか
プチ政府系か…
もしかしたら、その全てかもね。
なんで、わざわざプチプチつけてるかというと、
まあ、マレーシアの正真正銘の大金持ちは、
わたしたち庶民が普通に生活するところには、きっといない。

だから大丈夫。
何が大丈夫だ?って?
彼ら…
ジムにはこない…から。
そう、ある程度お金持ってて、
で、その上筋肉に興味あるヤツは、ジムには来ない。
えっ?


私だって初めの方は、
いつ急に誰かがジムのドアを開けてもいいように
これでもちゃんと構えて”アイムレディ”状態を保ってたんのよ。
陰キャっぽくない「Hi!」の練習までして、心構えをしていたのよ。
実際は酷い格好なんだけど、心の準備の方だけはいつでもOK!だったわけ。
でも、待てど暮らせど…なわけ。
待ちぼうけ〜待ちぼうけ〜ある日せっせとのら稼ぎ〜♪
って内心歌ってみたりもした。
本当に野良仕事するみたいな格好してたしね。
でもウサギは木の根っこでころり転げなかったし、
寝て待とうか〜♪
ウサギは姿さえ見せなかったの。

考えた。
少ない酸素の脳内でそれはもう一生懸命にね。
なんで、誰もジムに来ないのか。
もしかしたら、ここのエリアの人達、全員超シャイ人なのかな?って。
もしくは、私がやはり変人認定を受けちゃってて、避けられてるのかしら?って。
それとも、私が気がつかないうちに加齢臭を撒き散らかしちゃって、エリア内でジム内異臭騒動が噂されてるのかしら?って


その謎は、
ある日突然解かれたのよ。
それは夜、
次女が意外とすんなり夫とベッドルームに消えていって
しかもそのまま睡眠に入った日のことだった。
レアなのよ。こんなこと。
次女、寝たな
と思ってパソコンで作業なんかしてて、
で、ふっと気がついて振り返ったら
次女「あのね、あのね、パパ…寝たよ。」
って報告を入れに来てくれる彼女がいるのが常なのよ。
私「それはそれはっ!寝かしつけ、誠に大義であった。褒めて遣わす。」
ちがーーーーう!!


私「さぁ〜て、ちょっと散歩に出て、最後の悪あがきのカロリー消費をしてやろうかしらね。」
って、家の外に出て、夜の8時くらいにエリア内をテクテク歩いている時。
私「やっと、1日の後半の”主婦の怒涛のタスク山盛りゾーン”を抜けたわ。
お疲れ、私。私、お疲れ。」
って暗闇で深呼吸を1つして、やたらと両腕をブンブン振り回しながら、両脚もブンブン振り回してやろうかと思っていた時。
そんな時のことだった。
どこからか、

パシュ パシュ パシュ…
パシュ パシュ パシュ パシュ…
パトラッシュ…

って聞こえてきたの。
いや、もちろんパトラッシュはちょっと盛りすぎちゃったけど。
でも私はもう
腕や脚をブンブン振り回すのをやめる代わりに、首をブンブンしたわけ。
左首、凝ってて痛いのに、
「絶対なんかおる!近くになんかおる!」と思ってブンブンしたわけ。

誰も…
いない…

再び、
パシュパシュパシュ…
パシュパシュパシュパシュ…
パシュッ

のところで私は空を見上げた。
そこには、マダムがいた。
目がばっちり合う、マダムと!
3階のバルコニーのマダムと!
縄跳びをブンブン振り回しているマダムと!

でさ、
正直なところ、実はちょっと、いや、かなり興味はあったけれど、
まさか恐れ多くて「部屋の中までみたい!」とまでは思っていないよ。
もちろんね。
ブンブン色々振り回して歩いてて、
なんかチラッと覗けちゃったら、
家政婦は見た!だなぁなんて思ったけど、
そんなことになったら、私本当に
「市原悦子さんの衣装どうだったっけ?どの角度でのぞいてたっけ?」
って完全再現したくなっちゃって困るから。
本当に誓って覗いてないよ。
なんだけれど、
まさかのベストタイミングで、
そこに夜の心地いい神風が吹きこんだってわけ。
ふわぁ〜っとね。

マダムの家の3階のカーテンが揺れる。
それはもう、ふわぁ〜っとね。
で、夜って部屋で電気つけてると、遮光カーテンでも厳重に引いていない限り
結構外から丸見えちゃうのよね。
もちろん私はいつもSiriで予行練習してるみたいな
”全然気にしてませんよ、そのくらい普通ですよね”
って余裕そうなしれっとした顔で、
脚だけは止めることなく、マダムの家の前を歩き去ったんだけど、
見たのよ!
いや見えちゃったの!
あれは紛れもなく、自・宅・ジ・ム!
ちょっとお金持ちの家の最上階には、たいてい自宅ジム!
そうよ、そうだって!
そんなこと、だいぶ前から相場は決まってた。
バカね、洋梨夫人。

夜道中、
「だからかぁ〜。
だからだよなぁ〜。
だからだったんだなぁ〜。
だからなんだよなぁ〜。
だからだったわぁ〜。」
ってエリアをグルグルしまくって、
同じルート何度も何度もグルグルブンブンしまくって、
セキュリティには本当に不審な目で見られて、
本気で変人認定されたらやばいと思って、
やたらと明るい笑顔で
「グd イーヴニンg!」
って挨拶したりして…。
この”だからかぁ”散歩のおかげで、本当にスッキリ落ち着いた。

自宅ジム!この甘美でゴージャスな響き!

いや、ただジム自宅くっついただけ…
甘美で…ゴージャス…
では…
ないな。
うん、ない。
ないけど。
シアターにホームつけてごらん?年収ちょっと上がったような気がしてくるでしょう?
パーティーに港区とホームつけてごらん?俄然ギラつてきたでしょう?
そういうことだよ。
あ、違う?


お金持ちの隣人さんたちの自宅ジムのお陰で、
私が共用施設のジムを使いたい放題、独り占めできてたんだと判明したんだから、
それはもう感謝が止まらん。

ごめんね。今まで。
本当にごめん。
「”自慢したい”っていう欲求に勝てなくて、ただそれを満たすためだけに、高級車並べまくって、うっさい騒音と、ガソリンを撒き散らして、他人のことはお構いなし。」
とか思ってて。


もちろん、
「ばっちり目があった!」なんて思ってるのは私だけで、
実際、天空のマダムからじゃ、
野良仕事の洋梨おばちゃんなんて、夜の闇に紛れて、
ちっとも目に入ってなどなかったんだろうと思うけどさ。
まあ、とにかく
今のまま天空で縄跳びし続けて…
くださると…
嬉しいわ

あなた達、お金持ちのおかげで、
私、共用ジム、満喫できてます。
ありがとう。
そしてこれからもよろしくね(続く

心地良いプレッシャーをありがとうございます!もっと面白くなるかどうかは、あなたにかかっていると言っても過言ではないのです!今後も、”全力の合いの手”をよろしくお願いいたします!