《絵本レビュー》いっぴきおおかみとおほしさま
今日は、三日月か…
煌々と輝く夜空を見上げながら私は、保険会社に電話をかけていました。
何の?とお思いでしょう。
そうです!数日前、車でコンクリートの角に少しぶつけてしまったのです。そげなことがあったとです。
はぁ〜、修理の見積もりをとると高いことが判明したので、しぶしぶ保険を使うことを決めたのですよ〜はぁ〜。
そんな中でもお月さまや、そのまわりの星もキラキラしてみえるのは、なぜでしょうか?わたしが暗いから?(笑)
そんな今日は、こんなセンシティブな私を励ましてくれる絵本【 いっぴきおおかみとおほしさま 】のレビューをしたいと思います!パチパチパチ。
〔作〕まつむらまいこ
〔発行所〕小学館
〔初版〕2023年2月
《ストーリーについて》
ずっと1人で暮らしている自由気ままなオオカミがいました。特に、誰に話しかけられずとも、平気でした。
そんなある夜、オオカミは夜空に輝くウサギ座のしっぽのお星さまから話しかけられます。そして2人は、いろんな悩みを話す中で一つの解決方法をみつけます。
それは、オオカミが星を丸のみにするという名案だったのですが…
ある夜の出逢いの中で、互いを想いやり友情関係が芽生えていく、静かな悠久の物語です。
大人の癒しにもなるかもしれませぬ。
《10コの視点》
【キャラクター】
・オオカミ
・お星さま
【舞台】
・夜空
・森
【構成】
自由気ままなオオカミが、ある夜ウサギ座のしっぽにあるお星さまから話しかけられる
↓
星は、毎日同じところで光っていなくてはいけないことに疲れ、オオカミも自由気ままだけれど、時々お腹のあたりが空っぽみたいに不安になることを話す
↓
であれば、オオカミが私を飲み込んでみてはどうかと、星が提案し実行される
↓
ひと時を一緒に過ごす中で、オオカミのお腹の中にいる星の光がだんだん弱くなっていき、ある夜オオカミが心配になって不安で泣くと、口から星が飛び出る
↓
そして星の帰りを、ウサギ座のしっぽまで一緒に空を飛びながら競争し永遠の友情を誓い離れる
【文】
よく晴れた星の瞬く夜に2人は出逢い、ひと時を一緒に過ごし、同じくよく晴れた星の瞬く夜に離れるというロマンチックな構成に癒される。
オオカミが1人でいることが悪くないと思いながらも時々空っぽみたいな気持ちになって涙が出そうになるところや、星も毎日同じところで光っていなくちゃいけないと不満をこぼしている様が人間ぽくて共感できる。
【絵】
全体を通して物語は夜のシーンばかりなので青いタッチで統一されている。
その中で、さらに黒く見えるオオカミとさらに光り輝く星のコントラストが美しい。
作者のまつむらさんの、柔らかくて細やかな影やグラデーションの描き方がめちゃ素敵なのでぜひそこも見ていただきたいっ。
【イチオシ】
そだなぁ、オオカミが自分のお腹の中で光が弱くなっていく星を心配して心配して失うことを恐れて、うおーーー!となくシーンにグッときて。
私の視点の中では、感情を爆発させることが出来たオオカミに安堵した。だって、今まではそこまで大事に思う人がいなかったんでしょうから。
【ハッピーエンド】
永遠の友情を誓い離れてハッピーエンド。
【表表紙・裏表紙】
表表紙に、ロミオとジュリエットのような構図でオオカミと星が描かれている。
【見返し】
ミッドナイトブルーの用紙にたくさんの星座が描かれている。
【題字の文字】
リズムのあるレイアウトで白い特徴のある書体が素敵。
《読み聞かせをしてみて》
『オオカミはさ もうさびしくないね(7)』
『またあえるように オオカミがとべたら いいのに(9)』
『そうね、でも友情は会えなくても、ずっと続くもんよっ(母)』
なかなかの感動するファンタジーな物語だったので、切々とオオカミと星になりきって読み聞かせしました。
《おしまいの言葉》
物理的に離れていても、友情は成り立ちますよね。この絵本を読んでみて、そう考えさせられました。
いろんな縁がありますでしょうけど、交友期間が短くても長くても相性が合えば関係がないんですよね。
また、手が触れる距離にいたって離れていたって、死んでいようが生きていようが、もうそれは心の距離が近ければコレもまた関係がない。
明るくても暗くても何がどうなろうとも、好きは好き嫌いは嫌いなんすよね。自分の心だけが知っているんすよね。
まぁ、友情だけではないのですが全てに関係する縁も、そう思います。
今日の絵本も、読んで頂いた読者の皆さまにも縁を感じ感謝しております。
この絵本のお星さまのように、コボシも瞬きながらレビューし精進してまいりますゾ。
ありがとうございました。
☆彡来年の保険料がこわいコボシより
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