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《絵本レビュー》どうするジョージ!(ボードブック版)

ほんっと突然ですが、うちの娘たちって元気そのものです。何のこっちゃとお思いでしょうが、今から話します。

今日は天気が悪く室内で遊んでたもんでうるさかったんですね。だから二人に『いつも散歩に行く公園を一周しておいで』と言ったんです。

(体力を消耗させてやるゼ!と企む私)

だが、私の考えは砂糖のように甘かった。これで、多少疲れて大人しくなるだろうと思ってたんですが、小雨が降っても帰って来ません。煮ても焼いても帰って来ません。

イライラと心配が重なり迎えに行く私。
そのだだっ広い公園の片隅でキャッキャと声がします…そう、彼女たちです…もちろん彼女たち以外だーれもいません。

ウォラァァァ!となりそうな怒りを押し殺し、その後は家に戻り、話合いという名の風会議が始まります。

『例えばさ、ウサギの赤ちゃんを大事に飼ってるとするやろ?公園に一周して来て良いよって言うやん?帰ってこなかったらどう思う?この小雨の中!』

『…心配になる…カワイイうさちゃん心配…なる…』

『そうやろ!んじゃ、そんなウサギの赤ちゃんが次も約束守らず同じこと繰り返したらどうする?』

『はぁ…もう外で遊ばせられない…』

『(そうじゃろがい!)それが、ウサギの親の気持ちでありママの気持ちね!次はガンバロッ!!』

…さて、さてさて今日は、そんな姉妹に負けず劣らずな犬の絵本【どうするジョージ!】のレビューをしようと思います。パチパチパチ。こっちもこっちですごいです。

〔作〕クリス・ホートン
〔絵〕木坂涼
〔発行所〕BL出版
〔初版〕2017年4月
〔価格〕1,000(税別)
〔ページ数〕30P


《ストーリーについて》


犬のジョージにハリスがいいました。
出かけるから、お留守番お願いねと。

ジョージは、当たり前のように得意げに『もちろん』と言います。

だけれど部屋の中は誘惑がいっぱいです!
台所にあるケーキも、動くネコも、育てられているお花も!

さぁ、どうするジョージ!?

愛嬌たっぷりのジョージが失敗から学び、頑張ろうと奮闘する物語です。誰しもが共感できると思いますよ。

《10コの視点》


【主なキャラクター】
・ハリス
・ジョージ
・ねこ

【舞台】
・家と近所

【構成】
ハリスがジョージに留守番を頼む

ジョージは誘惑に負け次々とやらかす(笑)

帰ってきたハリスに謝り、一緒に散歩に行く

欲望に勝ち、同じ過ちをしないようにとクリアしていくジョージ

しかし新たな大好物のゴミ箱を見つけるジョージ…

どうするジョージ!

【文】
テンポが良い文体がジョージの性格と重なり、ワクワクしながら読める。誘惑に負けちゃう話の流れに、愛くるしさと、それでもジョージに期待をしてしまう。

【絵】
ザザザッとペンキで描かれたような絵に躍動感を感じる。ジョージの顔も体型もジョージっぽいし、色もジョージっぽい(笑)

【ハッピーエンド】
ジョージが、さらなる誘惑にかられてハッピーエンド。

【表表紙・裏表紙】
厚みのあるボードブックなので多少カジカジ(かじったり)ナメナメ(舐めたり)しても大丈夫そう。

【見返し】
なし

【題字の文字】
太めのゴシック調でニス加工されている。わたしは、この加工にいつも豪華さを感じる。

《読み聞かせをしてみて》


『なんかいも どうするジョージっていってて おもしろかった(8)』

『なんかさ、ジョージってかわいいよね(10)』

『こういうタイプはさ にくめないよね♡(母)』

今回は、読み聞かせしてもらいました。〝どうするジョージ〟という言葉が何度もでてくるんですが、私に向かって高圧的に言ってくるもんで多少ウザかったです。だって言い方が警察官かヤーサン。

《おしまいの言葉》


同じことを繰り返してしまう気持ちわかりますよね。
わたしも、定期的にコーラが飲みたくなりますもん。
我慢すればするほど、わかっちゃいるけどやめられない状態です。

はじめに話した娘たちの話もそうですもん。
雨が降っているのに、楽しいから遊具で遊んじゃう。そして、お尻が濡れたからママにバレたら怒られるから、更に帰れない。これってアルアルでしょう。

隠せば隠すほど、怒られる転末(笑)

そして、この絵本の最後のページには、哲学者エピクテトス の言葉が記されてました。

自由とは欲望を満たすことではなく
欲望を捨ててこそえられるもの。
欲望にふりまわされている人は
自由人とはいえない。

え?これがこの絵本のテーマだったの?
どうするジョージ!!!!



☆彡それでも欲深いコボシより

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