《絵本レビュー》ともだちなんかいらない
五月病かなぁ…
ゴールデンウイークも終わり、どこそこ行った疲れが出たのか、頭と体がずっしりしてます。
一方、娘たちは元気もりもりで(子供の底知れぬパワーよ)、仲良くおままごとして遊んだり、はたまた些細なことでケンカをしたり。
『そっちがわるい!』
『いいやっ!そっちのせいやん』
こういった具合で、しまいには、
『もうママにいうもん!』
と、私も巻き込まれるわけでやんす。
そんなもんで、今日はケンカの仲裁に一役買った絵本【 ともだちなんかいらない 】のレビューをしたいと思います。
パチパチパチ(語彙力低空飛行中)!
〔作〕内田麟太郎
〔絵〕喜湯本のづみ
〔発行所〕小学館
〔初版〕2017年2月
《ストーリーについて》
おれは、ともだちなんかいらない。
おばけのギザギザは、動物たちが遊んでいる様子を、少し離れた岩の上に座り、不満気にみています。
ある日、『おれは、イガイガ』だと言話しかけられ、ギザギザの隣に座りました。ですが、それっきりそっぽを向かれてしまいます。
口は聞かないけど、いつも隣にいる存在のイガイガが、ある日来なくなりました。ギザギザは、あれやこれやと心配し…
意地っ張りなおばけのギザギザとイガイガが、同じ時間を過ごすことによって、芽生えた友情にくすぐったくなる物語です。
《10コの視点》
【キャラクター】
・ギザギザ(主役でいつも何か食べているおばけ)
・イガイガ(おばけ)
・森の動物たち
【舞台】
・森
【構成】
ギザギザは、不貞腐れてリンゴを食べながら森で遊ぶ動物たちを岩の上から見下ろしている
↓
そこに、同じおばけのイガイガが隣にすわってきた
↓
同じ価値観の中で、同じ時間を過ごしていたが、ある日イガイガが来なくなった
↓
ギザギザは心配で、イガイガにもしもの事があったらと考えるが次の日姿をあらわした(イガイガは、ちょっと足を怪我して包帯を巻いている程度)
↓
2人はなんだか嬉しくなって歌を歌いながら、ギザギザがイガイガにリンゴをあげた
【文】
文中での『さびしがりやのよわむしどもめ』とか『おばけは、ひとりぼっちでもへいきだ』などと言っているギザギザの性格がよく解る。性格はこうだ、意地っ張りで誰よりも友達が欲しいけど、友達の作り方がわからないんだ!ウンウン解るよお姉さんは。
【絵】
岩場で、会話するわけでもない2人が何ページも同じ構図で描かれている。それによって時間の経過が伝わるし、2人の目配せの中、心情の変化も解る。
イガイガの服装が後半、ギザギザとお揃いのジャイアンみたいな服装になってる、もう親友やん。
【イチオシ】
この2人の関係性をそっと岩場の切り株から見守っているちっさい〝ネズミのじいさま〟を是非お見逃しなく。
【ハッピーエンド】
2人が友情を確認し合って歌を歌いながらハッピーエンド。
【表表紙・裏表紙】
表表紙に、2人が振り返りながら読者をジロッとみているような絵。
【見返し】
ギザギザと、イガイガのシルエットがパターン化されてレイアウトされている黄色い用紙。
【題字の文字】
ギザギザの色(青)とイガイガの色(赤)が使われている。〝か〟の上にネズミのじいさまがすわっているレイアウトが素敵。
《読み聞かせをしてみて》
『ともだち ほしかったんやん(7)』
『やっぱりね いばってばっかりじゃ ダメとよ(9)』
『そうね、だからアンタたちも 仲良くしなきゃね(母)』
わたしゃ今回は、焦らしながら読みました。2ページ読んだら『続きはまた明日』とか言いながら…(笑)そうすると、次女は怒ってですね(笑)まぁ、それくらい集中してましたよ。
《おしまいの言葉》
気づいたら、なんか意識していることってありますよね。
こう、娘たちと毎日過ごしているわけなんですが、先日の山登り中あらためて、私たちってチームワークいいやん!って思ったんです。
長女は、先頭立って励まし熱血役。
次女は、アメとかお茶タイムといった、せっせとお世話役。
私は、彼女たちをタフラブな見守り役。
そうなんです。誰もかぶらないんです。多分、もっと言語化できない複雑で凄いチームワークが発揮されてたんです(笑)語彙力よ…どこいったん。
きっと、ギザギザもイガイガも言葉は交わさずとも2人の間で居心地が良かったんでしょうな。
だって一緒にいる事が、うれしくなったらギザギザもイガイガも私も娘たちも歌うんでしょうから♫歌っちゃったよ、山で。
皆さんの色んな出逢いも、たまたまじゃないはず。
☆彡いろんな縁を考えるコボシより
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