ハルツ地方③世界遺産の街ゴスラー
ハルツ地方2つ目の街は、皇帝都市、そして鉱山の街、ゴスラーGoslar。
ヴェルニゲローデから30分ほどの距離だが、こちらはニーダーザクセン州内。
この街を豊かにしたのは、ランメルスベルク鉱山。
現在は、街と鉱山が世界遺産に指定されている。
鉱山資源は、すなわち財力。
中世よりこの地を支配する事は、重要視されたそうだ。
そのため皇帝の直轄領に指定され、神聖ローマ帝国の重要な都市の一つとなった。
駅から街の中心まで、徒歩10分ほど。
城壁の跡の近くには、可愛らしいモニュメントが。
街の中は、木組の街並みが続く。
他の街と違うのは、その色。
建物が、石瓦で覆われているのだ。
シルバーにも見えるその色は、街に落ち着きと重厚さを与えている。
街を走る観光バスも、とても可愛らしい。
この特徴的な鱗のような建物は、神戸異人館のうろこの家の原型とも言われているそうだ。
街には木組の家をはじめとして、木造建築が1500軒ほど残っており、その多くは19世紀以前に建てられた古い建物だという。
マルクト広場は、鷲の噴水を中心に設計されている。
放射線状に敷かれた石畳がとても美しい。
右側の白い建物が市庁舎で、15世紀に建てられたもの。
ギルドハウスは、市庁舎の隣に建ち、市庁舎以上に目を引く建物。
この街の裕福さを示す一つの像が、この建物にある。
それは、金貨をお尻から出すという滑稽な像で、ドゥカテン・シャイザーと呼ばれているそうだ。
ブリュッセルの小便小僧も、この像を見たらきっとビックリするだろう。
また、鉱山の街らしい仕掛け時計を見る事もできる。
それは、写真奥に写っているシーファーという建物で、レストランになっている。
鉱夫の人形が鐘の音に合わせて、動き出す。
先頭の人形が松明を持ち、手押し車で鉱物を運ぶ様子。
市庁舎の隣にはマルクト教会があり、塔に登ると、街を見下ろすことができる。
塔の頂上までの階段には、一段ずつ段数と、寄付されたかたのお名前が刻まれている。
最後の一段は、金のプレートだった。
頂上から、街の中心の広場を見下ろすと、放射状の石畳がはっきりと見える。
皇帝居城の全体像と、遠くの山々がとても美しい。
教会内。
また、世界企業シーメンスも、この街から生まれたそうだ。
裕福な商人だったシーメンス・ハンス氏は、市長も兼ねており、彼の邸宅がシーメンスハウスとして残っている。
他の建物より、一層豪華な装飾がされている事が分かる。
皇帝居城(Kaiserspfalz)は、1005年アンリ2世の時代から始まり、1056年ヘンリー3世の時代に完成。
その後は、帝国議会がこの街で開かれ、街は大いに繁栄したそうだ。
見どころは皇帝の間。
壁一面に描かれた壁画。
その数は、大小合わせて46枚だそうだ。
中央に飾られた7m×7mの一番大きな壁画は、ヴィルヘルム1世。
壁画は、至る所にいばら姫の話が描かれており、この壁画下部がそのスタート。
こちらは、出口上部の壁画で、いばら姫が産まれた瞬間と、悪い魔女、良い魔女がそれぞれ描き込まれている。
城内の聖ウルリッヒ礼拝堂にある、ヘンリー3世の墓碑。
彼の、この愛する城に心臓を残したいという遺志により、ここに心臓が葬られたそうだ。
さて、ヴェルニゲローデと同じく、ハルツ地方の伝説通り、街には魔女グッズがたくさん飾られている。
ランメルスベルク鉱山には、予定が狂い、訪れる事ができなかった。
この街を繁栄させた源、その鉱山にいつか訪れてみたい。
その時はまた、この街の中心、金色の鷲の見守る広場でアイスを食べたい。
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