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アインシュタインの言葉

数年前、新聞のある記事が目に留まった。
 
アインシュタインは、ノーベル物理学賞の受賞が決まった後、1922年に東京の帝国ホテルに滞在した事があったそうだ。
 
荷物を運んでくれたベルボーイにチップを渡したかったそうだが、あいにく手持ちがなかった。
そこで彼は、ホテルの部屋にあった便箋にメモを書き、チップの代わりにそのベルボーイに渡したらしい。
その際、そのベルボーイにこう言ったそうだ。
 
「あなたが幸運なら、これらの紙は通常のチップよりずっと価値があるものになるだろう」
 
その手書きの2枚のメモは、合わせて2億円にて落札されたという。
確かに、チップよりずっと価値があるものになった訳だ。
 
その2つのメモは、以下のように記されていたそうだ。
 
Stilles bescheidenes Leben gibt mehr Glück als erfolgreiches Streben, verbunden mit beständiger Unruhe.
「静かで質素な生活は、絶え間ない不安を伴う成功の追求よりも多くの幸福をもたらす」
 
Wo ein Wille ist, da ist auch ein Weg.
「意志のあるところに道あり」

APFより

アルベルト・アインシュタイン Albert Einstein
彼は、1879年にドイツのウルムで生まれた。
 
アインシュタインは、その他にも数々の名言を残している。
その中でも、特に好きな言葉の備忘録。

Das Wichtigste ist, dass man nicht aufhört zu fragen.

日本語では『大切なのは、疑問を持ち続けることだ』と訳されている事が多い。
ドイツ語と日本語が書いてあるものではないので、もしかしたら、そのような名言も残していらっしゃるかもしれないが。

でも私にとっては、直訳を大切にし『最も大切なことは、質問することをやめないこと』のほうがしっくり来る。

私は小さい頃から誰かに尋ねてばかりいて、父からは『知りたい病』とからかわれてきた。
でも、この言葉を知ってからは、私のこんな癖も、アインシュタインなら許してくださると思えるようになった。

そして、もう一つ。
こちらの言葉にも何度も救われた。

Wer noch nie einen Fehler begangen hat, hat noch nie etwas neues probiert.

『まだ一度も失敗したことがない人は、一度も新しいことに挑戦したことがないのだ』

失敗する度に、少なからず心の痛みを抱えてしまう。
それでも、この痛みは自分が挑戦した証なのだと、自分を励ましたり鼓舞することができた。
私にとって大切な言葉だ。
 
彼は、1932年にアメリカを訪問する目的で訪れた。
しかし、ナチスドイツの台頭によりユダヤ人迫害が始まり、彼はその後再びドイツに戻ることはなかった。
 
死の間際、彼はドイツ語で何かを伝えようとしたらしいが、ドイツ語を話せる人がおらず、彼の遺志が伝えられることはなかったという。
 
数多くの名言を残した彼は、死の間際に一体何を言い遺そうとしたのだろう。
それを永久に知ることができないというのは、非常に残念だ。
 
いや、永久ではないかもしれない。
質問することをやめない私は、天国で是非アインシュタインに問うてみたい。
 
あなたが最後に言い遺したかったことは、一体何だったのですかと。
 
そのためにも、私はもっとドイツ語を勉強しておこう。

APFより

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