見出し画像

スペイン バルセロナ 情熱と芸術の街

オリンピックと聞いて、私が必ず思い出す街がある。
それが、バルセロナだ。
1992年、私が初めてドイツで見たオリンピック。

開会式では、火のついた矢が放たれ、点火台に火が灯った瞬間には鳥肌が立った。
あれ以上に印象的な点火式を、私はまだ知らない。

オリンピック競技だけでなく、その街の様子が映し出される度に、私はこの街をいつか訪れてみたいと思っていた。

バルセロナと言えば、やはりサグラダ・ファミリア。
バルセロナに着いて、私達が一番最初にしたかったことは、この教会を見る事だ。

アントニ ガウディの作品で、他の建築物と合わせ、世界遺産に指定されている。(1984年)
1882年に着工し、完成まで300年が予定されていたそうだが、最新の技術によってその工期はだいぶ縮められた。
そして最近のニュースで、2026年に完成予定とニュースになった時には、心底驚いた。
果たして死ぬまでに、この教会の完成した姿を見る事ができるのだろうかと思って、この教会を見上げていた過去の私に教えてあげたい。

サグラダ・ファミリアを目指して歩いて行き、初めてその一部を見た時の写真。
点火式と同じく、鳥肌が立った。

サグラダ・ファミリアの近くに来ると、その細かい作業の様子が分かる。

教会の塔の上から。
そのダイナミックな建物に圧倒される。

建物を造りながら、同時に修復をしていかねばならないというのは、何とも大変な作業だ。

そして、ガウディの別の作品として知られるグエル公園。
全く直線が使われていないその建物。
街を見渡せる公園は、たくさんの人で賑わう。

このトカゲのオブジェも人気者だ。

グエル公園から見た、サグラダ・ファミリア。

そして私は、ここバルセロナで、生まれて初めて、目の前で闘牛を見た。
カタルーニャ地方は闘牛というイメージがなかったので、闘牛場があることに驚いた。

現在、この闘牛場はショッピングセンターに変わったそうだ。
カタルーニャ地方は、闘牛には反対意見が多かったので、頷ける。
カタルーニャ地方は、独立運動が盛んな地域でもある。
ここに住む人々の誇りが、そうさせるのだろう。

こちらが、会場内。 

そして私は、闘牛とは何か、このアリーナで初めて知った。
このアリーナに出てくる牛は、つまりその日に死を迎えるということを・・・
闘牛は、突進してくる牛をかわす見世物ではなく、闘牛士と牛が、お互いに死を賭けた戦いなのだと、初めて知った。

次々と容赦なく牛の首元に刺され続ける剣。
そして、最後の一突きとなる剣。

www.barcelona.de/www.costanachrichten.com/rp-online.de

夜は、フラメンコを楽しんだ。
ドイツでも何度かフラメンコを見に行ったことがあったが、本格的なタブラオに行ったのは、バルセロナが初めてだ。

肉感的な女性が、荒々しく踊る姿は、とても魅惑的だった。
そして、男性のダンサーの演技はとても力強い。

激しくかきならされるギター。
カホンと呼ばれる打楽器。
ダンサーの手拍子や、カスタネット。
そして、舞台を蹴って鳴らされるその足音。
色々な音が一つになり、体で音を感じる。

音が体に響いてくる。

会場にいるみんなが、舞台に集中して、その音と踊りを楽しむ。
夢のようなひと時だった。

バルセロナの海もまた、綺麗だった。
海水浴客でにぎわう。

スペインは、食べ物もとても美味しかった。
タパスバーに行って、一つ一つ指差しながら料理を頼んだ。
お店の人は、あれもこれもと、美味しい物を勧めてくれる。
人懐っこいのは、スペイン人の特徴なのだろうか。

イベリコ豚
イワシのフライ
タコのマリネ
具沢山のブイヤベース
大好きなリオハワイン
揚げたてのチュロス
フランと呼ばれるプリン

キッチンが付いているアパートだったので、友達とスーパーに買出しに行って、簡単な料理をして楽しんだ。

そして私達は、バルセロナ滞在中の一日を使い、フィゲラスまで足を運んだ。
ここには、ダリ美術館があるからだ。

近隣の建物と比較して、明らかにその様子が違う建物。

外観はWikipediaより

奇想天外なオブジェがあちこちに置かれているので、時間を忘れてしまう。


こちらは、私が一番気に入った、だまし絵。
リンカーンの顔の中に、裸体の後ろ姿の女性がいる。 

このだまし絵の前辺り、四角い石碑のある床を、みんなが取り囲んでいる。
そこは、ダリのお墓だ。
気付かない観光客は、彼のお墓の上を歩いて行く。

妻を深く愛していたと言われるダリ。
先に亡くなった妻の墓の隣に、自分の墓も用意したというのに、なぜ遺言でこの美術館に埋葬するようと遺したのだろうか。

観光客のみんなが、あらゆる仕掛けやオブジェをキョロキョロ見ているのを、ダリはここから見ているのだと思うと、このお墓さえも彼の一種のジョークに思えてくる。

『ハロー!僕はここにいるよ!』

そんな風に言いながら、お墓の下から私達を見上げ、笑っているように見えてきた。
奇人と言われたダリらしい、死後の楽しみなのだろうか。

長い間憧れていた街、バルセロナ。
それは、ガウディやダリの作品のように芸術的で、かつフラメンコのように情熱的だった。

2026年、私の旅の予定には、既にバルセロナが加えられている。

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?