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オーストリア ウィーン⑥観光編Ⅲ【完】

長々と書いてしまいましたが、本日でウィーン編終了です。

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ウィーン 観光地編Ⅲ

⑭シェーンブルン宮殿 Schloss Schönburunn

ハプスブルク家の居住地。
マリア・テレジア、そして彼女の娘マリー・アントワネットらが少女期を過ごした場所。
 
シェーンブルンとは『美しい泉』の意味。
1996年に、その庭と共に世界遺産に指定された。
 
マリア・テレジアについて
オーストリア女大公・ハンガリー女王・ボヘミア女王。
女帝と呼ばれているが、神聖ローマ帝国では女性の即位を認めていないため、正式には夫のフランツが皇帝であり、彼女は皇帝の妻である。
 
彼女の若い頃の肖像画。
美貌の持ち主だったようだ。

しかし、晩年のど~んと構えた肖像画のほうが印象的だ。
威厳に溢れ、まさに女帝という名に相応しい肖像画だと感じる。

彼女は1736年に、フランツと恋愛結婚し、子供を16人授かる。
ハプスブルク家の夏の離宮だったシェーンブルン宮殿は、彼女の時代に完成。
 
モーツァルトが子供の頃に、この鏡の間でピアノを弾き、マリー・アントワネットにプロポーズしたという可愛らしいお話が残っている。
 
良妻賢母として語り継がれる彼女は、子供達と多くの時間をここで過ごしたという。
1765年フランツが亡くなってからは、喪服しか身に付けなかったそうだ。
 
建国の母と言われている所以は、有能な人物を登用し、その意見を取り入れ、国にとって良いと思われる事は積極的に行ったからだという。
 
女性が国を引き継ぐことは想定されていなかったため、彼女は国を統治するための教育を受けていなかった。
そのため、彼女は即位してから多くの人たちにアドバイスを求める必要があり、熱心に勉強しとても努力家だったという。
 
その政策の一環として、国の将来のために、教育の基礎を築いた事でも知られている。
貴族や裕福な家庭の子供達だけではなく、帝国内全てに小学校を設置した。
 
こちらが、宮殿。
建物内部は撮影禁止のため、外部からの写真のみ。

薔薇が咲き乱れ、庭もとても美しい。

噴水

宮殿の中も美しいが、私はグロリエッテからの眺めがとても好きだ。
マリア・テレジアもまた、ここで朝食を取るのが好きだったそうだ。

グロリエッテからは、ウィーンを一望できる。

夜のシェーンブルン 

⑮ドナウタワー Donauturm

私は、高い場所から夕焼けを見るのが好きだ。
太陽の光が、小さな点になり、見えなくなるその一瞬まで、じっと見つめる。
普段は全く動いていないように見える地球が、静かに動いているのを感じる。

タワーから市街地を見る。

⑯プラーター公園 Prater

プラーター公園は遊園地。
この中には、世界最古の観覧車がある。
 
そして、この場所は、私にとって一生忘れることができない場所となった。

観覧車は、ゴンドラのように30人ほど乗れる大型のものだ。 

遠くにドナウタワーも見える。

観覧車に乗車してから、景色を見ようと窓際に立っていると、パートナーから中央部分の椅子に座って欲しいと声を掛けられた。
 
背の小さい私は景色が見えにくくなるので、おかしなことを言うなぁと思いながらも、言われた通りに座った。
私が座るのを見届けると、パートナーは大きく息を吸ってから、私にこう言った。
 
『Ditoサン ケコン シテ クダサイ』
 
そして、私の目の前で、小さな箱を開けた。
中には指輪が入っていた。
 
私のパートナーは、未だに30単語程度しか日本語を知らない。
しかも、私からしか日本語を学ぶ機会はない。
だから、彼が話す日本語は必ず理解できる。
 
まさか、教えていない日本語を話すとは思わず、一瞬理解できずに頭が真っ白になってしまった。
 
Ditoさん、結婚してください 
 
そう言いたかったのだと分かった。
ゴンドラで大勢の人が見守る中、パートナーは、私にプロポーズをしてくれたのだ。

私は、ドイツ語のJa(はい)ではなく、日本語で『はい』と答えた。

ゴンドラの中が、ざわついた。
何が起きたのか分かった周りの人たちが、祝福の声を掛けてくれる。
嬉しくて、涙がこぼれてしまった。
 
 
プロポーズの後、少し震える手で、急いで外の景色をカメラに収めていたパートナー。
その時は言わなかったけれど、後からその事を話したら、
 
『そうだったかな、すごく緊張していたのは覚えてるよ。
だって、一生に一度の大切な時のために覚えた日本語だから、絶対に間違えたくなかったからね。』
 
そう言って笑っていた。
ちなみに、観覧車でプロポーズをする事は決めていたけれど、大型のゴンドラタイプだとは知らなかったそうだ。
人がたくさんいたから、想像以上に緊張したよと、恥ずかしそうに話すパートナー。
いつもは、どっしりと構えている姿しか見た事がないので、そんなパートナーの姿さえ、何だか愛おしく感じてしまう。
 
観覧車を降りてすぐに、家族のみんなに婚約したことを伝えた。
両親、そしてパートナーの弟家族へ。
甥っ子が、電話の後ろで奇声を上げている。
 
『僕に伯母さんができる!Dito伯母さんだ!』
 
その嬉しそうな声を聞いて、私はまた泣いてしまった。
 
ドイツの観覧車は、かなり早く、しかも何周も回る。
しかし、ウィーンの観覧車は、日本と同じように15分かけてゆっくりと一周する。
 
そして、その15分が、ウィーンを私にとって忘れられない特別な街にしてくれた。
 
私は、ウィーンの街が好きだ。
これからも私は、何度でもウィーンを訪れるだろう。
あの幸せな15分を思い出すために。

 
あなたと、あなたの家族のお陰で、私は毎日幸せに生きることができます。
幸せな毎日を、どうもありがとう。

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