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箱屋なのに、売っているのは目に見えない顧客価値

先週末、「パッケージ展2022(主催:大阪産業創造館/クリエイティブネットワークセンター大阪メビック)」が、無事に終了しました。
コロナ禍のため3部構成で来場人数を絞っての開催で、トータル約800名以上がパッケージを求めて足を運んでいただきました。
プレゼンテーションタイムがあるのですが、出展社中13社が参加。各社が、持ち時間5分で喋りました(半数近くは、動画放映)。

私のプレゼンテーションスタイルは、パワーポイントなどのスライドは一切使わず、いつもおしゃべりだけで行います。昔はスライドを作ってましたが、それだと観客がスライドばかりを観てプレゼンターは単に説明っぽくなってしまうのがいやで、随分前にこのスタイルに変えました。

時間は5分。短すぎず長すぎずという、中々微妙な時間です。
昨年は貼り箱の事例を2つくらいピックアップして、貼り箱の話をしました。また同じような話をしても面白くないな〜と、今回は貼り箱の事例を封印。笑

先日ブログで「あなたは、本当は何を売っていますか?」を書いたので、このネタでいこうかなと。それについて、プレゼンテーションでしゃべってみました。

私の友人が、音声録音から内容を書き起こしてくれたのでこちらに記します。

—大阪産業創造館3F、ステージ上でのプレゼンテーション—

皆さん、こんにちは。
村上紙器工業所の村上誠といいます。今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。

ウチは、パッケージの中でも「貼り箱」を作っています。
貼り箱というのは中々聞きなれない言葉ですが、一般的にはお菓子の箱とかちょっといい化粧品の箱で使われていますので、一般の方でもご覧いただいていると思います。

ウチは貼り箱を作って売っているんですが、本当に売っているのは実は貼り箱ではありません。

例えば、スターバックス。
スターバックスはカフェなのでコーヒーを売っていますが、これはよく知られていることですが、スターバックスのコンセプトは” Third place”、いわゆる「第3の場所」です。
自宅でもない、職場でもない、自分を開放できる第3の場所。そこで過ごす時間と空間を売っています。

これが、車だったらどうでしょう?
あなたにとって「車って何ですか?」と言われると、大抵のお答えは「移動手段」ということがあると思います。
車に乗って人が移動する、もしくは荷物を積んで運ぶみたいなことですよね。この機能を満たすのであれば、100万円ぐらいの車でも機能的には充分です。

でもお金があって、もっといい車が欲しいという方なら、たとえばLEXUSであったりベンツであったりとかを購入される方もいます。

もっとお金があるんだったら、フェラーリという選択肢もあるわけです。
フェラーリだと、新車で買うと恐らく3,000万円。これが限定車になってくると1億円とか2億円とか、そういう値段になります。

では、フェラーリを買う人はいったい何を買っているか。
もちろんスーパーカーとしての車、フェラーリが好きという方も当然いると思いますが、フェラーリを買う人というのは「自分でフェラーリを操る」、もしくは「フェラーリを所有する」という意味を買っているわけです。

さて、ここからが本題に入っていくんですが、ウチの貼り箱はいったい何を売っているのか?
パッケージの基本的な機能は、「包む」「中身を保護する」もしくは「運ぶ」というようなところです。

しかし、ウチでいうと貼り箱を通して「お客様のブランド価値を顧客に伝える」。つまり、ブランドメッセージなんですね。
それがつまり、ウチの貼り箱でいうと「意思を運ぶ箱。」なんです。

パッケージは、ブランドと顧客をつなぐ大切な接点、コンタクトポイントという言い方をしますが、実際のところはコミュニケーション・ツールなんですね。

その意味でいうと、ウチの貼り箱はコミュニケーション、もしくはブランド価値を伝えるブランディングという「顧客価値」を売っています。

そう考えると、単なる包装資材というコストではなく、ブランディングのための投資だということがいえます。

パッケージ、貼り箱について、新たな価値を一緒に考えていきませんか。
ちょうどこの上4階中央の奥側にウチのブースを構えていますので、よければ一度お声がけください。
私もワクワクしながら、アナタをお待ちしています。
ありがとうございました。

意思を運ぶ箱。村上紙器工業所


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