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社会構成主義

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あくまで1個人の解釈・実践・読書会などのまとめです。
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#評価

ガーゲン 社会構成主義 読書会記録まとめ

 2021年頃から、ガーゲンの著書のオンライン読書会に参加して、少しずつ社会構成主義についての学びを深めてきました。  今回4冊目を読み始めるにあたって、過去の読書会での自分の学びを一覧にしておきたいと思います。 関係からはじまる 日本での出版は2020年。500ページの大作ですが、「関係」ということに焦点を当てて、1つ1つ詳しく解説されています。 第1章 誰もが「私」から世界を見ると起こること 第2章 生きている限り関係なしで成り立つものはない 第3章 「心の中のこと」

テストを対話のツールに使う ー子どものテスト、点数以外に着目するには?

 子どもが小学生になり、テストを持って帰ってくるようになりました。  最近、社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」という本を読んでることもあって、ただ点数をほめるのは良くないなあと強く思うように…。  そんな私がこの数ヶ月気をつけているのは、点数以外のことに着目して、テストを対話や振り返りのためのツールとして使うことです。  私が気をつけていることを簡単にまとめてみました。 点数以外の着目場所▶︎点数は良い時だけ言及  私自身は親か

「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」訳者あとがき(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会、3月から読み始め、ついに「訳者あとがき」まで読み終わりました!  今回はこれまでを振り返りつつ、各自が思い浮かんだことを話したりな回でした。 改めて…評価は文化や文脈によって変わる  訳者あとがきの中にも特徴的なエピソードが出ているのですが、改めて、評価ってその時々の置かれた環境で180度変わっちゃうよねという話からスタート。  評価の基準に子どもを無理に合わせるのではなく

「生成的な協調」の対話を増やすためのスキル『何のためのテスト?』第9章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第10回は第9章。最終章として、最後は教育システム全体について述べられていました。  ひょっとして、最初に第9章を読んだら、全体のダイジェストとして分かりやすかったのか?!とも一瞬思いましたが、きっと1章ずつ読み上げてきたからこそ理解できる部分もあるんだろうなという感じです。 生成的な協調のスキル  特に第2章で書かれて

変化のスピードが早い今、知識習得より、楽しく学び続けられる力が大事『何のためのテスト?』第8章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第9回は第8章。授業評価、学校評価ときて、教育改革全体の視点から、改めて関係に基づく評価について書かれています。面白いのは、読み手の反論を想定し、対話形式で回答をしているところ。  ここまで読んでて、でもきっと難しそう……と思ってたことへのアンサーが書かれてました。 カリキュラムはガイドやコンパス  教育とは均質性を確保

学校自体も、多軸で評価をしていく『何のためのテスト?』第7章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第8回は第7章。前章は教師に着目していましたが、今回はさらに視点を上げて学校自体が注目されています。 テスト結果だけで「良い」学校とするナンセンスさ  PISAのような国際的なテストを始め、日本国内でも行われている統一のテストを行うことで、テスト結果が良い学校=「良い」学校、って本当にそうなんですか?という投げかけがされ

教師1人が学びの責任を持たない、包括的なアプローチとは『何のためのテスト?』第6章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第7回は第6章。これまで子どもの視点で、いわゆる工場生産のような学校教育の弊害が書かれてきていましたが、今回注目されているのは教師です。 現状の教師への評価  私自身は教師ではないので、本に書いてあること&読書会に参加している教師の皆さんの話となります。  現状の多くは、生徒のテストの点数=教師の評価となってしまいがちだ

中学・高校で「関係」に基づく評価を行うヒント『何のためのテスト?』第5章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第6回は第5章。これまで提案されてきた関係に基づく評価(学びのプロセスを向上させる評価/学びへの継続的な取り組み/関係の質を豊かにする)について、中等教育(中学・高校)での具体的な実践について書かれていました。 学びは問いや刺激からはじまる  心にすごく刺さったのがこの「学びは問いや刺激からはじまる」という言葉でした。

小学校で「関係」に基づく評価を行うヒント『何のためのテスト?』第4章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第5回は第4章。これまで提案されてきた関係に基づく評価(学びのプロセスを向上させる評価/学びへの継続的な取り組み/関係の質を豊かにする)について、初等教育(小学校)での具体的な実践について書かれていました。 「プロセス」を評価とは?  前章でもそうだったのですが、「学びのプロセス」「評価のプロセス」「関係のプロセス」と、

「価値」を先生と子どもが共同探求で決めていく『何のためのテスト?』第3章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第4回は第3章。教育について関係性の観点で捉えてみようと提唱していた第2章からより踏み込んで、具体的に関係性の視点での「評価」をどのようにしていけるかが書かれています。 評価とは何か  評価とは、「何かに価値を与え、価値づけるプロセス」という考え方がハッとさせられました。  例えば、ただ石ころを集めるという行為はそれだけ

先生・生徒の新たな関係パターンとは?『何のためのテスト?』第2章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第3回は第2章。「今の学校教育は工場生産と同じだ!」という批判を展開した第1章に対し、1つのアンサーとして「関係性の観点で捉えてみよう」と提唱してる章でした。 関係で捉えるとは?  第2章の前半は、前作「関係からはじまる」の総まとめ編といった感じでした。 ▶︎会話は1人では成り立たない  人と人との関係というのは、個の

テストで正確な「評価」はできない?『何のためのテスト?』第1章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会の記録です。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第2回は第1章。テストによる評価がいかに問題を抱えているか?について色んな角度で考察されています。 「テストの結果で評価をする」のマイナス要素 ▶︎テスト結果に影響があるもの  例えば、個人の生活状況、自信の有無、教師の教え方など、同じテストを受けている全員が同じ前提条件に立っているとはいえない。なぜテストの結果だけで公

ガーゲンの新作「何のためのテスト?」序章(読書会記録)

 社会構成主義第一人者ガーゲンの新作「何のためのテスト?――評価で変わる学校と学び」のオンライン読書会がスタートしました!  これから2週に1度、1章ごとにnoteにもまとめを書いていきたいと思います。※あくまで個人の受け取り方・感想です。  第1回は序章。教育や評価にまつわる近年の課題などがギュッとまとまっています。  本文にちらっと紹介されてる(おそらくコレな)TEDの動画「Do schools kill creativity?」を見てみるとその概略がわかるかなと思い