幸
多分怒られてしまうのでしょう
名前のない誰かに
足りないだとか苦しいだとか言えば
ハッピーセットみたいな僕らは
泣きたいな
ただ瞳と頬を濡らす営みではなくて
心を搾り取るように
もうカラカラになってしまいたいや
何もかもを失って生まれたばかりの
つるんとした脳にもう一度
宿すなら今度はもっとまともなやつを下さい
あの日の声の形を
寝ぼけ眼に無理やりねじ込んで
なんだったっけ、あれは僕の
なんだっけ。
もういいんだ、おはよう
幸せなのかな。幸せですか?
そうだね幸せだね。幸せだろう?
幸せかな、きっとこれがそうだね
幸せなんかじゃないよなんて
言えないほどに
***あとがき、のようなもの***
「幸せ」というのはとても難しいもので
誰かに押し付けられるようなものでもないはずなのだけれど
誰かから見た自分は、きっと幸せに写るのだろうだとか
そんなことばかりで定義されていくことが寂しいです。
満ち足りた自分が実は幸せじゃないなんて
きっと誰にも口に出すことはできなくて
だから言葉にしなくてもそれを否定する自分まで
拒まないでいてほしいと思います。
[雨後]
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