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【ハロウィン】ハロウィンの劇 【短編小説】

【20231028 追記】
フリー台本化しました。規約についてはページ内の規約にてご確認お願いします。

こんばんは。
はれのそらです。


今回、熊右衛門さんと共同制作した短編を載せます。
後日、他作品も投稿しますのでお楽しみに!(個人的に、今日から1週間連続投稿できたらいいなと)
今回はハロウィン回!いえい!

規約

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共同製作者 熊右衛門さん

本編 【ハロウィンの劇】

やはりあの人は魔女だった。
とある私立高校の文化祭。
今まさに演劇部の出し物が終わろうとしていた。
ハロウィンの起源を舞台にした内容で。
10月31日を狙って舞台が開催された。

あの奇祭の始まりは、古代ヨーロッパの原住民ケルト人が発祥である。一年の収穫を神に祈る為で、その日に怪物やら異形の存在が地上をうろつくらしい。
キリスト教との文化的な融和の果てに、現在の形式に落ち着いたそうだ。
そんな話を、演劇部員は1番初めに顧問から聞いた。
顧問はケルトの血を引くハーフらしく、まるで魔法のように生徒達へ魔法をかけ……打ち解けあった。
金髪でスタイルも良く、それでいてタレ目で生徒達を魅了していた。

どことなく魔女ぽくもあった。
しかし、別れは唐突に訪れる。
家の都合で海外へ戻る事となり、部員の晴れの舞台を見る事なく顧問は帰国してしまったのだ。
顧問はワンワン号泣していた。
気持ちの素直が素敵な先生であったから、号泣についてはもらい泣きをした。

落ち込む部員達であったが、逆境を跳ね返そうと一致団結し、今までで一番の出来栄えとなった。
部員一同そう確信していた。
だからこそ、一番いて欲しい人の姿がない事が心苦しかった。その人の為に、真ん前の特等席を学校の好意で空席にしていたから、余計に。

幕が閉じ、カーテンコールになる。
再び幕が上がる。
その時。

特等席に魔女がいた。
魔女のほっぺは紅潮し、息を切らしていた。
部員達は彼女の様子を見て感動し、涙がこぼれ落ちる。
その様子を見て、観客の拍手がまた一段と大きくなった。
やはり、顧問は魔女だったのだ。

(了)

上記作品も収録し、書籍限定書き下ろし作品もございます。興味のある方は是非ご購入を!


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