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【共同制作】小説家についての短編小説

【追記 20231026】
フリー朗読本として運用が始まりました。

こんにちは。
はれのそらです。
もう4日連続で投稿している…すごい精力的に頑張ってる!
今回は、毎度同じく熊右衛門さんとの共同制作物なのですが……
この作品こそ初めてのコラボとなった小説なのです!

私が熊右衛門さんに提案をして、制作を始めたっていうね。思えば、本作入れて10作になるわけですね。すごい!
コラボで10作書くって、私、初めてだわ!
熊右衛門さん、本当にいつもいつもありがとうございます!!!


規約


※改変自由です(公序良俗の範囲内で)
※商用利用の際は一報お願いします。(TwitterID @g_zcl)
※商用利用の場合でも、youtube等の配信サイトで広告収入を得る目的で利用するケースはクレジットしていただければ問題ありません。
※ここで言う商用利用での一報はdlsiteやboothで音声作品として販売する場合です。
※自作発言はやめてください(どこかにこちらのnoteへのリンククレジットお願いします)
※動画で投稿された場合、朗読者一覧としてリンクを貼らせていただく事があります

共同制作者 熊右衛門さん


本編 ≠period(ノットイコールピリオド)


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「物語は残念ながら未完となった」と表示されている、
PC画面を憎々しげに見つめる男。
様々な事情があり、男が丹精こめて書き上げつつあった物語はこうして誰にも知られる事なく葬り去られた。

それから数年後。
「が、」とキーボードに打ち込む者がいる。あの時の男だ。
数年前よりも、服装はボロボロ。髪もボサボサ。身なりは貧しくなっている。
「物語はまたここから大きなうねりを見せた。そう、完結をあきらめた原因…それは作品の大きな参考としていた方々の使用許諾についてだった」
「そう。許諾が取れなかったら、即出版差し止めにもなるくらい…物議を醸すであろう内容だった。夢は叶わない。現実は残酷だ。……叶える人間ではないと思っていた」
「私はあきらめた」
「自分だけいい目にあうのは」
「それから、一人ひとりに許諾を取りにいった。相手の事は知っていたのに出会ってもいなかった。そんな人達だった。連中には罵倒を浴びせられ、殴られもしたし、時には殺されかけたりもした」
「だが激闘の果てに、許諾も得られ奇妙な友達もできた。得難い絆も増えた」
「この出版物が売れても、契約によって私には一円も入らない」
「でも、自身の本を出せる。最高の気分だ。だって、それが私の夢だったんだから」
「これで物語もお」と、男の指は止まった。男は微笑む。
「……これで終わりだ」と、あとがきも終わらせた。
男はファイルを保存し……。
ファイルを新規作成し。覚束ない様子で、男は次の物語を綴り始める。
カタカタ。カタカタカタ。
今生まれたばかりの新しいストーリーを完結させる為に。
新しい大きな夢を叶える為に。
そして、男はネットで防弾チョッキや催涙スプレーを買い込む。
男の創作には、色々な物騒な出会いが欠かせなかったからだった。

(了)

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上記作品も収録し、書籍限定書き下ろし作品もございます。興味のある方は是非ご購入を!



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