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2020年上半期 おもしろかった本


あっという間に上半期が終わってしまいました。学生の時に比べれば本を読む機会は減ったけど、それでも結構読んだかな~という事で、上半期に読んだ本の中から何冊か紹介。


わたしの美しい庭/凪良ゆう
今年『流浪の月』で本屋大賞を受賞した凪良ゆうさん。受賞作の『流浪の月』も良かったのですが、こちらの『わたしの美しい庭』も素敵な作品でした。
舞台はマンションの屋上にある縁切り神社。そこを訪れるのは世間一般で言うと"普通"から少し外れた人たち。"普通"とは何だろう?ということを考えさせられました。「それでも大丈夫だよ」と肯定してくれて、生きづらさを抱えている人たちを優しく包み込んでくれるような作品。

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夜空に泳ぐチョコレートグラミー/町田そのこ
小さな町で暮らす人々を描いた連作短編集。それぞれ境遇が複雑だったり、厳しい環境で生活している。それでもみんな精一杯生きていこうとしていく。
最初の話の書き出しが「大きなみたらし団子にかぶりついたら、差し歯がとれた」なんですけど、ここからどう話が広がっていくのか…?気になった方はぜひ読んでみてください。

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神様のケーキを頬ばるまで/彩瀬まる
雑居ビルで働く人々を描いた連作短編集。
反抗期の息子がいるシングルマザーだったり、喘息持ちのカフェ店長だったり、理想の男性に背伸びした恋をしているOLに、共同経営をしていた同僚と喧嘩別れしてしまった元カフェ店員…それぞれ何かしら抱えていて悩んでいる。全5編が収録されていて、その中でも主人公が音楽をやってる「龍を見送る」というお話が好き。コンポーザーの女の子とボーカルの男の子。無名のころから一緒に活動していた二人。だんだん名が知られていくようになって、ある日ボーカルが別の相手と組むようになって、その相手が作った曲のほうがそのボーカルの良さを引き出していて~っていうところが凄く読んでいて苦しくなってしまった。
立ち止まったりもするけど、最後はみんな歩き出そうとしているのがいいなと思いました。

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逆ソクラテス/伊坂幸太郎
小学生たちが主人公。テーマは「敵は、先入観」子どもたちが周りで起こる理不尽な事に立ち向かっていく。純粋で真っ直ぐに戦う子どもたちに元気を貰ったり、時にはハッとさせらられる。読後は明るい気持ちになれます。

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巴里マカロンの謎/米澤穂信
「小市民シリーズ」の新作。なんと11年ぶりの新作!待ってたよ~~~!!!
謎を解きたがる性分の小鳩くんと、甘いものと復讐が好きな小山内さん。苦い経験をした二人が、清く慎ましい"小市民"を目指す…が、様々な謎に直面し、結局は解決していく…。
今回も日常の様々な謎に出会います。席を外した間にお皿に増えたマカロン、濡れ衣を着せられたパティシエの娘…などなど。マカロンにチーズケーキ、あげぱん、シュークリームなど、美味しいお菓子もたくさん出てきます。甘いお菓子とちょっとほろ苦い謎の真相。これぞ小市民シリーズ!米澤さん!!と思いました。

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他にも『ザリガニの鳴くところ』や『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』『持続可能な魂の利用』などなど、今までだったら手を伸ばさなかっただろうな~という事で本も読んで、自分の考えや価値観が更新されたかな…という経験もしました。これらの本についての感想もまた書けたらいいな~と思います。

今回はここまでで。

では。

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