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婦人科検診D
新入社員として会社で初めて受けた健康診断に、無料で婦人科検診も追加できたので、去年の7月ごろに併せて受診した。
結果は総合D判定で、その理由は婦人科系で精密検査が必要になったからだった。(他にも悪いところは色々あったものの、他は悪くてC止まりだった)
病気自体に遺伝性はないが、家系的に婦人科系の病気になりやすい体質らしく、すでに私は子宮内膜症も発症している。
子宮内膜症は本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜組織が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で増殖、剥離(はくり)を繰り返す病気です。
子宮内膜症は女性ホルモンの影響で月経周期に合わせて増殖し、月経時の血液が排出されずにプールされたり、周囲の組織と癒着をおこしてさまざまな痛みをもたらしたりします。また、不妊症の原因にもなります。
月経がくるたびに、布団から一歩も出れず、腹痛のあまり涙が出たり吐き気がするほど症状が重い。吐き気がするからご飯もろくに食べれないし、他にも腰痛、頭痛、むくみなども併発する。
生理の1,2日目は、痛みがひどくなる前に飲んだはずの薬がなかなか効かず、布団の中で痛みに悶えて涙を流してうずくまり、2時間程経って薬が効くと気絶したように寝て、また2時間経ったら痛みで目が覚める。の繰り返しだ。痛みで起きたら布団から出て床を這いつくばって薬を飲む。
大学生の頃は痛みがひどいと授業を休んでいたけれど、会社はそう簡単に休めない。制度として生理休暇があったり、有給もたっぷり残っていても、「休んで良いのかな」「体調不良で休んだ人を見たことがない」と休めずに1年が経った。
幸い、リモートワークのおかげで、あまりにひどい時はリモートワークにさせてもらっていたが、どうしても対面の会議をしなくてはいけない日には、あまりの貧血で頭がクラクラし、会議中に船を漕いでしまうこともあった。
私はキャリアを積んだりすることはむりなんだろうなと、生理の度に思わされる。たった1日2日が辛いだけでなくて、その前の1週間もPMSに悩まされたりするし、今後も子宮内膜症が悪化したら、もう「普通に働く」ができなくなるじゃんと、絶望する。
そして健康診断では婦人科検診D判定で、それは子宮内膜症とは関係ない別の病気で、なんでこんな目にあうんだよとキレそうになる。
こういう時に私は過去にむごいことを言ってきた男たちの顔が浮かぶ。
「女は徳をしている」「女は楽だ」「お前は女の特権を使ってる」「男は責任が発生するけど女は…」「女性は家庭を持ったりするしキャリアはそんなに焦ることない」
そういう酷いことを言ってきた男の人たちが一度もこの苦しみを知らずに生きていることに腹が立つ。
昨日の精密検査では組織採取のため少し血が出た。少しと言っても1メートルくらいの止血用ガーゼが血でひたひたになるくらいは血が出た。
「私だってやめれるなら女をやめたい」
そう言い返したかった。
「お前だって羨ましいなら女になってみろ」
と言いたかった。
こんな絶望をもう味わいたくない。だけどこれはこれからも続く絶望だ。
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